「塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い」コミュ障人見知りヒロインとの両片想いラブコメ
あらすじ
胸焼け必至!両片想い男女の甘々ラブコメ!
「佐藤さんは高嶺の花で誰に対しても塩対応。でも、意外と隙だらけだって俺だけが知ってる。写真を撮るのが下手。そのくせドヤ顔しがち。そして、へにゃっと笑う顔がすごく可愛い」
「押尾君は誰に対しても優しい。でも、意外といじわるなところもあるって私だけが知ってる。SNSを使うのが上手。オシャレなカフェの店員さん。そして、悪戯っぽく笑う顔にすごくドキドキする」
――これは内緒だけど、俺(私)はそんな彼女(彼)のことが好きだ。
高嶺さん君のこと好きらしいよがかなり好みの両片想いで、こっちも両片想いと見たので読んでみた。いやこの作家さん両片想い良すぎか!?高嶺さんも相当可愛かったけど佐藤さんも可愛い。
わたしが両片想いが好きというか、主人公からの片思い要素があるのがめっちゃくちゃ好きなのですっごいすっごい楽しく読んだ。というかヒロイン側からぐいぐい来るだけよりも主人公も相手と一緒にいられるように努力する話が好きなんだろうな。やっぱり恋愛ものでもなんでも自分から頑張って言ってほしいんすよ。
ヒロインがもうとにかく可愛いんですわ。教えてもらったインスタ的なアプリの魅せ方を言われた通り頑張ろうとしたり、空気読めないながらも頑張って主人公と近づこうとしたり。
主人公は塩対応というよりどう反応していいかわからないんじゃないかな的な可愛げある評価してるが実際かなりコミュ障ながらも頑張っているのが好感持てた。
というかタイトルに嘘ありというか、俺にだけ甘いというより、主人公にだけ人見知りを発揮してないだけじゃないのかな。
そんで主人公がさりげなく少女漫画のヒーロー的な行動しすぎてて最高。こんなん惚れられるわ。
冷やしロールケーキ屋で泣き出しそうになっているヒロインの頭に上着被せるところが本当に良すぎた。少女漫画のヒーロー。
こういうシーンやタピオカ屋のシーン、古着屋で隣にいられる程度に見栄を張りたいというシーンからわかるとおり、主人公からするとどのシーンもかなりいっぱいいっぱいで頑張ってるんだよね。それがヒロイン視点からすると超格好いい登場となるので、お前の頑張りめちゃくちゃ格好良いよ!! お前今一番輝いてるよ!! と声をかけたくなる。
ヒロインの従妹の凛香ちゃんの片思いが読んでてもどかしかった。もう傍から見てわかるぐらいの相思相愛(両片想い)カップルの間に入り込むなんて無理だってわかる。でも、車から庇われたあの瞬間の衝撃的な出会い、怪我を隠し通そうとする優しいところにどうしても惚れてしまうのもわかるよ。
物語読んでて好きだなあと思う箇所の一つに『誰かが誰かを好きになる瞬間』など誰かへ向けている感情が変化する瞬間があるので、こういうことがあって好きになりましたというのが作中で現在進行系でエピソードとして描かれれると応援したくなってしまう。
そんでもって、入学式の過去回想で描かれたメインヒロインの佐藤さんよりも、サブヒロインかつあからさまに負けヒロインだろうと、好きになってしまうことへの説得力を持って描かれた凛香ちゃんを応援してしまう。
ここの話をすると高嶺の花には逆らえないの3馬身リード勝ちヒロインにも見えるサブヒロイン武田さんに頑張って欲しくなるのでダメです。
ただちょっとヒロインがどうにも気になったの、同性の友達が少なくとも今回の巻には出てこなかったあたりかもしれん。個人的に同性の友達いないキャラどうなんだろうなって思ってしまうところがあるので。
誰にも塩対応で友達いないんだろうなとはわかるんだけど、とはいえまあ誰にでもツンケンしてて愛想の悪い人間、男だろうと女だろうとコミュ障ぼっち枠だろうしな。しかも好きな相手に対してのみある程度積極的に声掛けるやつ、男だろうと女だろうとうわぁ対象だろうよ。
顔が良いから異性から好かれる、でもどんな異性に声かけられても言葉選ばず雑に拒否る。でも同性の友達もろくに存在しない。男だろうと女だろうと友達いないだろうよ……。
逆に主人公は親身になって話に乗ってくれて茶化しつつも真摯に対応してくれる友人いてよかった。男女逆か?
高嶺さんと連続して読むと、ヒロインがコミュニケーション能力に難アリで顔が良いっていう結構近いパターンだなあと思った。高嶺さんのほうが主人公相手でも表情に出づらいとは言え、周囲から誤解されがちだが主人公の前ではそこそこ表情豊かかつ全力アピールして喋ろうとしてくるあたりに同系統を感じた。