「刑事ダ・ヴィンチ」続刊前提でもやもやする

★★☆☆☆,双葉文庫お仕事,バディ,現代,男性バディ

刑事ダ・ヴィンチ

刑事ダ・ヴィンチ

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あらすじ

警視庁楠町西署の刑事、小暮時生は四人の子を育てながら、家事に仕事に奮闘する日々を送っていた。ある日、季節外れの人事異動で本庁から一人の刑事がやって来る。黒のスリーピーススーツに深紅のスケッチブックを携えた男の名は、南雲士郎。「ダ・ヴィンチ刑事」とあだ名される彼は、東京藝大絵画科卒という異色の経歴の持ち主だった。小暮は南雲とバディを組むことになるが、二人にはコールドケースとなった十二年前の連続猟奇殺人事件を共に追っていた過去があり……。アート推理で華麗に謎を解く、警察小説シリーズ第一弾!

絵に造詣が深い刑事とコンビを組まされ事件解決に走り回るお話。

主人公が活躍少ない

主人公はホームズではなくワトソンタイプで、あれこれ調べた上で結局良いところはホームズであるダ・ヴィンチ刑事こと南雲にほとんど持っていかれる。そのため、主人公の活躍少ないし格好良いところがないなーと思いながら読んでしまった。ホームズだとそういうものとして読めてしまうのだけれども、これはてっきり主人公である小暮がもっと活躍すると思っていた。

探偵役にありがちなことに南雲は自由奔放で、気付いたらいなくなっているしあれこれ勝手にしている。事件の大枠は序盤のうちに掴みながらもそれについては解説せず、小暮があれこれ右往左往したりしているのを横目にコーヒーを飲みつつ事件の方向性を探るという部分が多く、いやお前もうちょい動けやと何度も思ってしまった。

これ、口も悪いし自由奔放な南雲にもうちょっと好感が持てたら良かったんだけれども、彼を好きと思えなかったから読んでて「いやお前も動け」とずっと思い続けてしまったのかもしれない。でも小暮の良いところ、本当に全然なかった。

小暮は子供4人持つ父子家庭なのだけれども、プライベートでは子どもたちは手が掛かるし一番上の娘は反抗期で言うことを聞かない。当然お金もかかるのでカフェのコーヒーなんて高すぎて買うこともない、というのはちらりと出るけれどもそれもさほど物語に関わることなくぬるっと出てきてぬるっと終わってしまった。

続刊前提の作り

ラノベあるある3巻以上予定されているからとデカ目の問題は匂わせておきつつ真面目に解決せずに1巻は主にキャラ紹介がメインとなるやつ!!

小暮が以前南雲と組んだときにあった事件を南雲は引きずっており、その犯人を捕まえたいと思っている。その時犯人から漂った匂いからもしかして犯人は南雲ではないかと疑っているが、これといった証拠はない。
といった事件の片鱗は出しているものの、結局その事件はこの間では前提情報をさらりと出して、最後の最後でその事件の模倣犯か犯人の再来かわからんが似たような事件がおきました、でこの巻は終わる。

すごく続刊前提の作りだし、この巻だけではもやもやしたままで物語が終わってしまった感じがあった。これ、同じ作者の警視庁アウトサイダーでも似たようなのは感じた。続刊が確定していると読者を次の巻にも引っ張るためにそういう工夫も必要なのかもしれないけど、個人的にはただもやもやが募るし、続刊出なかったらどうするんだろうって考えてしまった。現在打ち切りなんていくらでもありますからね。これはもう4巻ぐらいまで出てるっぽいけど。
多分2巻以降はこの過去の事件関連も少しずつノロノロ動き出すのかもしれないけれども、この巻の時点で主人公に興味が持てず南雲に好感が持てなかったためにもう良いかなとなってしまったので、とにかくもやもやする話だなーで終わってしまった。

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