「理系彼女と文系彼氏、先に告った方が負け2」綺麗に終わってるけれども

★★★☆☆,GA文庫ケンカップル,両片思い,偽装,学園,恋愛,現代

理系彼女と文系彼氏、先に告った方が負け2

理系彼女と文系彼氏、先に告った方が負け2

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あらすじ

偽カップルを演じている理系一位の東福寺珠季と文系一位の広尾流星。
平日はお昼休みに一緒にご飯を食べ、週末はショッピング。なんとか付き合っているフリをする二人に、新たな試練が訪れる。
それは文化祭。生徒会の頼みでディベートに出場する二人は、理系と文系に分かれ討論するのだが、白熱する議論に思わず恋人の演技を忘れてしまい――!?
さらに、所属する演劇部のステージでも波乱が巻き起こる。
「私もあなたのことが大好きです」
この珠季の告白は演技か本当か。
「理系」と「文系」。仁義なき戦いの次なる舞台が幕を開ける――!

シリーズ: 理系彼女と文系彼氏、先に告った方が負け

理系彼女と文系彼氏の偽装カップルが両片思いしつつなかなか素直になれないまま「告白してくれてもいいんだぞ」「告白してくれてもいいんだけど?」と内心やりまくっている話の2巻。
物語としては綺麗におわっているけれども、続けようと思えばいくらでも続けられる題材故に打ち切りかな?とちょっと思っちゃった。

二人の初対面から仲が深まっていくまでが描かれる

うーん、丁々発止のケンカップルが口ではああだこうだ言いつつ相手の揚げ足を取りながらも内心ドギマギしているのは最高に可愛い!

今回は変わらぬ二人の日常や、二人が1年生の最初に出会ってのアレコレなども描かれた巻。1年生の頃の、互いに相手の存在を認識し悪くはないと思いつつ猫を被り続けていた頃の様子がとにかく初々しくて可愛かった! 相手に自分が良い人と思われているからこそ、その印象を守りたくて素を出せない二人がとにかく尊い。萌える。かわいい。それが文系理系トークで化けの皮が剥がれて素があらわになって、その結果、素を見せない他の面々よりも近しい存在になるというのがベタながらもとにかく可愛かった。こういうのでいいんだよ、こういうので。

終盤は文化祭での文系vs理系の討論会。題材がAIイラストを許容する許容しないというもので、2024年の今でも結構そのあたりはセンシティブな内容なので、読んでて大丈夫かなと不安になっちゃった。結局は台本ありきで良いところで決着させているものの、創作しているタイプの物語でこのネタは結構ギリギリ感あるよなー……。

なんぼでも続けられる題材では?と思うからこその

こういう告白したら終わりの物語って、逆に言えば告白しなかったら終わらずなんぼだって出し続けられると思うんすよね。だからこそ今回だって最後に文化祭で告白しなかったらまだなんぼでも続きを出せたろうに(告白してしまったらコンセプト的に終了)、なんでさせちゃったんだろ?と考えると、やっぱりこれで話を終わらせるためかなあとも思う。完全に邪推。

でも、打ち切りというのともまた違うんだよね。下手に残る謎もなく、二人が互いを意識するきっかけも描かれ、距離が縮まる様も、周囲に自分たちの嘘をきちんと告げて素を見せていくように決める様子も描かれる。駆け足感もない。それってひとつひとつのエピソードがぽんぽんと出されていたから故のものであり、物語自体が小さくまとまってるからこそどこでも終われる状態だったのかなとも。

面白かったし二人の掛け合いが好きだったからこそもうちょっと続いてほしいなとも思うけれど、下手に二人の出会いも告白もなしの本当の打ち切りを食らうよりはコレで良かったのかもとも思えた。

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