「アラサーがVTuberになった話。3」男子がわちゃわちゃめっちゃ可愛かった

★★★☆☆,KADOKAWAVTuber,お仕事,現代

アラサーがVTuberになった話。3

アラサーがVTuberになった話。3

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あらすじ

私が神坂怜としてVTuberデビューして早4ヶ月。最近はmikuriママからもらった新衣装をお披露目したり、先輩たちとFPSの大会に出たりと楽しいVライフを送っていた。そんなある日『あんだーらいぶ』から二人の新人がデビューすることに。男女ユニットということもあり二人が炎上しないよう陰ながら支えるつもりだったのだが、なぜか生配信中に新人女子の東雲愛梨嬢と突発通話をすることになってしまった!? さらに彼女が相方の前世をポロリしてしまってもう大変! 案の定燃え始めた後輩たちを守るため、私は慌てて鎮火作戦を練るのだが――!?

面白かった。
相変わらず次の話への引きがうまいからぐいぐい読んじゃう。
X連載の4コマ漫画の書籍化は虚無で途中で読むのやめちゃうことも多いのになんでこれ面白いんだろうな。スレ民が俺達だからかな。スレ民……。

脳汁ドバドバ

FPS大会めっっっっっちゃ熱かったし脳汁ドバドバ出た!!! いや……いやあ良いっすわ……。
FPSで撃つのだけがうますぎてチーターと勘違いされる男、草。そういうところよ神坂は。匿名じゃない匿名掲示板でID:fpsloveからの個別指導を受けてどんどんと上達していっているらしいところも良かった。
こういう上達部分に関しては神坂の一人称はあんまり信用ならないので、スレ民という第三者視点での説明があるのはとても良い。状況がわかりやすい。信頼ならない語り手の隣に第三者をドバドバ配置するのって他者の視点でどうなってるか見れるから良いんだね。

PFS大会に向けての男子3人が、技術力では無理かもしれないが、楽しけりゃ勝ち!というメンタルで挑んでいくのが読んでてすごく楽しかった。戦力的には勝てないのはそりゃ仕方ないしな。エンタメとして魅せていこうって言い切ってそっちに舵をきれるのは、間違いなくエンタメの人としてのVTuberの強さだ。

からの、神坂の爆弾ドローンぶっ刺し爆破、間違いなく最高に楽しいし撮れ高あるエンタメだったよ!!!!
肝心のFPS大会部分が匿名じゃない匿名掲示板形式だったので、実況スレみているようでまーじでテンション上がった。神坂の爆弾ドローンぶっ刺し爆破、他の人たちも驚いているから実際にすごい行動なんだなっていうのもわかるし、FPSのほうのスレ民も驚いていてまじですげえんだな神坂……。数字がとれない以外はなんでもできる男だけど、今回は間違いなく数字に貢献しているし。

今回の巻はこのFPS大会はじめ、あさちゃんとラギ先輩との絡みが多く、男性陣でのわちゃわちゃ可愛かった!

個人的には追加された新規(5期?)のVTuberが気になる。男女カプが好きな立場でもVTuberとしては幼馴染キャラで行くことになった二人がもともと通話したり愚痴ったりするような知り合いっていう状態なので気になるし、BL好きとしては御影が神坂を一番話しやすそうとか社畜って設定だろと思ってたとか先輩なのに心配になるとか、なんかこう、謎にぶっ刺さってしまって夜中に変な状態になった。オタク、何が刺さるかわからんし、どうして刺さったのかも自分じゃ全くわからないんだけど、ここの薄い本ありませんかねえ!? ねえ酢昆布ネキ!!! お願い!! 次のコミケ行けばありますか!?

自己肯定感相変わらず低めな神坂

新規衣装のお披露目の際に、喜ばれてスパチャ投げられている自分に対して、これを頑張ったのは絵を描いてくれたmikuriママや折衝してくれた犬飼マネージャー、動ける形にしてくれた技術者の人たちであって自分ではないと思っている神坂。相変わらずの自己肯定感の低さ。

確かに点とかミクロを見れば、『新規衣装を作るために動いた人』はそうなんだよ。このあたりは、製造管理やってた人ならこの工数に関わった人は的に考えていそうなのでぶっちゃけ理解できる。
でもその製品である『神坂怜の新衣装』を売るためには営業が必要で、その営業が神坂の中の人以外ではこの新衣装は売れなかったと思うんだよね。

本人がこれをもし第三者に言ってしまえば「そんなことはない」「中身が神坂だからみんなこんなに頑張って新規衣装を作成した」「中身が神坂じゃなければファンもこんなにスパチャを投げてくれない」と言うんだろうな。でも神坂はそれを他人に言わない程度の理性と構ってちゃんしない精神があるから誰もそれを言えないし、神坂がそう思っているのを知らない。

自分がヘイトタンクになれば良いと思ってたり、新人くんたちがアンチとヘイトでメンタルやられてないかなーって心配したりとか、いろんなところで最年長元社会人っぽさを出してくるし、こういう自己肯定感の低さもあ~ブラック企業勤めメンタルやられ社会人ぽい~って思う。思うんだけど、ここまで自分自身を肯定する力が低いと、もう周囲の人のほうが疲れそう。いや、神坂はそれを表に出さないから周囲の人も知らないままでいるからある意味良いんだけど。もし表に出すような人なら周囲のほうも疲れて次第に人が離れるタイプの面倒くささだよ、この人。そのムーブ、絶対に表に出すなよ。

でもこれを表に出さないからこそガチ恋ネキみたいに救われる人もいるんだよな。ブラック会社にすり潰された経験があるからこそ、いじめられた人やつらい人にすぐ寄り添ってくれる。神坂ァ……お前本当に……。
ガチ恋ネキの徐々にオチていく描写はあまりに完全に見たことあるわこういうのすぎて笑った。違う違うまだオチてないっていう時人はもうオチてるんだよ。

炎上成分は薄め

ただ、面白かったのは紛れもない事実なんだけど、わたしは神坂が燃えてるところが好きらしくて、ほぼ炎上といえる炎上をしていないこの巻だとそこまでアガりきらなかったかも。ごめん神坂……。
理不尽な炎上が神坂を襲う!! スレ民あーあとなる! threadXXAが陰湿レスをする!! 焼きマロ大量!! の図が結構好きだったんだなあとこんなところで改めて実感してしまった。

いままで読んでる時の感情が、おそらく結構なにか炎上したときにそれについてXで検索をしているときや、ヲチスレあたりを探して読んでいるときに近いんだよね。おー燃えてる燃えてる、みたいな。
神坂が燃えてくれないとただのほのぼのゆるゆるVTuberライフになる。なので求めていたものと違う……となってしまったのかもしれない。
いや、本の読み方が最低なんだよ。炎上を求めるな。でもみんな炎上好きだから影尾探琉みたいなアカウントにキャッキャしてしまうんでしょう……? 炎上好きだからワイドショーも見るしXのトレンドにいっちょかみするんでしょう……?

でもスレ民は好きなんだよなー。スレ民っていうかスレッド描写。
物語って読者である俺達が突っ込めない部分を誰かが突っ込んでくれるとすごい気持ち良い。この物語ではスレ民がそこをやってくれるのでいちいち気持ち良いんだよね。
前の巻でユニコーンの存在が広まったことに関しての書き込みなんかもすごい好きで、第三者の視点があるなって思える。アンチスレは別個としてありますよって描かれているのでアンチ視点が少なく箱推しばっか集まっているのも違和感ないし。
こう書いてみると、完全に匿名じゃない匿名掲示板描写が死ぬほど好きだな。

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