薄桜鬼 新選組炎舞録(DVD視聴)

★★★☆☆,舞台実写化,戦闘,時代物


あらすじ

幕末、文久三年から物語は始まる。
雪村千鶴(黒川智花)は江戸育ちの蘭方医の娘。
父・綱道(木下ほうか)は京で仕事をしており離れて生活をしていた。
ある日、父と連絡が取れなくなり心配になった千鶴は、男装をして京の町を訪れる。そこで千鶴はある衝撃的な場面い遭遇し、新選組(早乙女太一、窪田正孝、中村倫也、川岡大次郎 他)と出会い、父の行方を共に捜すこととなる。
新選組隊士達の間で起こる出来事、自身の出生、もう一つの「新撰組」に隠された秘密。

幕末を駆け抜ける男達の生きるための闘いが繰り広げられる。

キャスト・スタッフ

キャスト:早乙女太一(土方歳三)
黒川智花(雪村千鶴)
木村了(風間千景)
窪田正孝(沖田総司)
武田航平(藤堂平助)
中村倫也(斉藤一)
橋本淳(原田佐之助)
坂本爽(近藤勇)
中村誠治郎(永倉新八)
杉山彦々(井上源三郎)
橋本望(島田魁)
RYO[ORANGE RANGE](天霧九寿)
伊崎右典(不知火匡)
川岡大次郎(山南敬助)
木下ほうか(雪村綱道)
ほか
スタッフ:演出=キタムラトシヒロ(演劇集団Z団)
脚本=毛利亘宏(少年社中)

見た人

  • 原作未プレイ
  • キャストは何人かわかる
  • アクションが好き
  • 毛利脚本は嫌い
こんな人におすすめ

  • 殺陣が見たい人
  • 原作プレイ済みで流れを分かっている人

感想

原作既プレイ者用の原作あり舞台は脚本家の手抜き

と思っているので、ストーリー部分はなんだこれ……となった。

新選組の秘密を見てしまったため屯所に軟禁されるヒロイン、魔法のお薬で発揮される鬼の力を利用して人体強化をしている新選組、ヒロインの能力を知って狙ってくる鬼の集団――というのはわかるものの、その表面上しかわからない。

このキャラは何を考えてこんな動きをしているのか? ヒロインは今何を考えているのか? なんで今こいつら共闘してんの? なんで敵対し始めた?
こんな物語として基本的である行動理由がわからないままに物語がどんどん進んでいく。山南さんお前の話だよ。

ひたすら何を考えているのかわからないままに進んでいき、これはゲーム自体の脚本が悪いのか? 脚本家のエピソード取捨選択が悪いのか? と途中で悩むほどだった。
終盤でとあるキャラクターがヒロインを鬼たちのところから助ける部分、ヒロインに惚れているからだろうなとはわかるが一体どこで惚れたのか全くわからないために「お前は女なら誰でもいいのか?」とすら思った。

ちなみに原作プレイ済みの家族がいたのでちょこちょこ聞いていたところ、本来だったらこの間にエピソードがある、話の進みが早いなど言われたので、実際はもうちょっと心情が伝わる流れだったのかもしれない。
原作プレイ済みの人が見ると思って細かい部分の説明を省く舞台は脚本家の怠慢だと思っているので、このあたりで評価は低い。

ついでに言えばヒロインが役者さんの演技が若干……なのと喋りがちょっと……なのが相まってひでえ有様になっている。あの喋り方ちょっと聞きづらいし頭がホワッとしていそうで大丈夫なのかな……。
これはキャラクター造形が悪いのか脚本がエピソード端折りまくったのが悪いのか役者さんの演技が私に合わないのが悪いのかわからないが、とにかくこのヒロインキャラに対してヘイトがたまるし彼女に惚れるキャラたちの趣味を疑う。
冒頭で彼女が男装している設定っぽいと出てきたが、ピンクの着物に髪を結い(これは男性キャラもだが)男と言い切るには難しいハイトーンの声にやわらかい輪郭と、どこをどうとっても男と見た人は目が悪いんだろうなぐらいのレベルだった。設定大丈夫か?

ただ、この舞台自体の個人的な評価はめちゃくちゃ高い。

アクションの気合の入り方が半端じゃない

主演土方歳三役! 早乙女太一! ハイ! わかった! 殺陣がすごいのはもうこれ以上なくわかったぞ!!!

というぐらいに、早乙女太一の殺陣がすごい。
実は早乙女太一さんの殺陣はハイローと月髑髏でちらっとぐらいしか見れていないんだけど(弟の早乙女友貴さんは八犬伝とAZUMIと八王子ゾンビーズで見た)、この人殺陣すっごいね!?
流れるように切りつけて、雑魚戦は本当に舞うように切り捨てる。動きがパない。早い。すごい。
最中にあったヒロインとの戦闘はかなり手を緩めているなという雰囲気だったが、その後入る乱戦で本領発揮とばかりに一気に速度を上げて切りつけていっていた。すごい。なんだこれ。

これだけじゃない。
沖田総司役の窪田正孝さんもすごい。
道中の戦闘はそこまででもなかったんだけど、終盤の銀髪になった状態での殺陣がすごい。重心を下において腰を落とし、一手一手ごとにぴたりと止める切りつけ方。
早乙女太一さんの殺陣が流れるようなのと真逆で一手ごとに止まる動きは対照的だが鮮やかだった。

千景役の木村了さんも鮮やかで、他の方々もとにかく殺陣がすごい。
ひたすらに殺陣が良い舞台だった。
殺陣の部分に関しては大半が褒めるところばかりの舞台だった(ヒロインvs土方の戦闘でヒロインつええ……となるのは流石に無理があると思う)。女性でも殺陣できる人はいるんだからさあ……このあたりの話するとAZUMIの川栄ちゃんの殺陣がすごかったって話になるんですけど。

ドキュメンタリーも非常に楽しく、脚本とヒロインにさえ目を瞑れば面白い舞台だった。


Kindle Unlimitedへ登録

スポンサーリンク