クロの戦記 1 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです (HJ文庫) サイトウアユム
クロの戦記 1 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです
あらすじ
異世界に転移して3年後、クロノは亜人千人の指揮官となって、なぜか一万の敵軍を迎え撃っていた!!
絶望的な戦力差の中、どうにか撃退したクロノは、今度は領主に祭り上げられていく!!
現代日本の価値観と乏しい知識だけを武器に、領地改革に乗り出したクロノの周りにはどんどん美女・美少女が集まってきて――
「今夜は私を愛して下さい」
「このあたしを好きにしていいって言ってるのよ?」
戦い、内政、そして夜の性活で大忙しなエロティック王道戦記!!
全然ベッドの上以外も強いじゃねえか
戦記モノかつ内政モノの物語。
戦で勝利した主人公は、悪政を敷いていた領主を物の序でに討伐する。
結果、その領主の座に強制的に収められ、使用人全員解雇された領主の館に人を集めるところから始まる物語。
いや面白かった。エロラノベ目的に読み始めたのに全然エロねーの。
どのぐらい無いかと言えば、全て朝チュン。おそらくここで致しているんだろうなと思うシーンはあれど朝チュン。全部朝チュン。コックの女将に誘われたのはちょっと事後描写あるけど後は朝チュン。あとベッドの上で最強っぽい描写はコックの女将相手だけ。タイトル詐欺か?(ありがとうございます)それに最強というより耐久力があるとか持久力があるとかの問題だよね。別に旨いとは明記されていないね。更に言うなら貞操観念はないね。相手が一人じゃないあたりでね。
諸々思いはしたものの、物語として面白かった。
亜人たちをメインとした軍を率いる主人公。いくら追い詰められどう見ても無理ではと思うような状況でも諦めず、雀の涙ほどの勝利の可能性に向かって必死で走っていく。
泥臭くとも、汚れていても、このあたりがすごく格好良かった。
戦闘面で主人公がある程度強そうな描写って主にこの冒頭だけでしかもほぼ負け戦なんだけど、それでも主人公が戦略面強そうな印象があるのって、このときに伏兵だの何だの使ったりしているところだよね。
わんこ(狼)の二人組をうまく運用したりと部下の使い方がうまい。
これは副官のミノさんにも言えることで、ミノさんみたいな人を中間管理職に置くの旨いよな。もともと知り合いで気心が知れているという部分もあるかもしれないが、それはそうとしてミノさん自身の性格が良いので折衷工作がうまそうという印象がある。
個人的にツボったのは奴隷少女。
もともと貴族の娘だったが襲われ売り飛ばされ奴隷商人のところへ来て、全力で抵抗したからこそボコボコにされまくってひどい目に遭わされてその状態で売り飛ばされる。
人間の心が折れるシーンが大好きなので(問題発言)、檻から出された彼女が必死で懇願してせめてまともに奴隷として購入してもらおうとするシーンにめちゃくちゃテンションがあがってしまった。
しかし彼女、奴隷という身分理解してないよな。速攻で家に……とかなんとか言っているし、多分自分の立場を何も理解していない気がする。
逆にエルフ双子の高官の愛人という立場になればうまいポジションにのし上がれるはず!みたいなところや、コック女将の自分の店は手放したくないからうまいこと主人公を利用して金を借りられないかという強かさのほうが、自分の立場をわかっているので好き。
奴隷少女みたいに自分の立場を理解していない子が出てきても、それまでに自分の立場を理解して主人公に取り入ろうとしている女キャラがいるから、このキャラ立ては意識してなんだろうなって思えるのはすごく良い。そのあたり全然わかってないとお前~~~~お前お前~~~~~となってしまうもんな。意識して描かれた無知や傲岸は大好き。
クロの戦記 1 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです