「不良少年と彼女の関係 (2)」誰かのために疾走する青臭い物語

★★★☆☆,メディアワークス文庫お仕事,主従,学園,家族,現代

あらすじ

泣く子も黙る有名チームのヘッド拳児、
だったのは今や昔。超がつくお嬢様朱乃の専属執事として、こき使われる毎日。
その運転テクニックは朱乃の送迎に生かされているという。

顔を合わせれば憎まれ口の応酬となる二人だが、どこか微笑ましい。
実際、拳児が同級生にもてるのが、気になる朱乃だった。

そんな時、朱乃が文化祭のクラスリーダーに抜擢される。
人見知りの朱乃は動転するが、拳児の叱咤激励により、徐々にクラスをまとめていく。
二人の絆は強まりつつあったが、紅堂家の総帥である父の帰還により波乱が起こり!?

シリーズ: 不良少年と彼女の関係
起承転結
  •  ある日、朱乃が文化祭のクラスリーダーに抜擢される。苦手なポジションだが周囲からの期待もあり引き受ける朱乃。そんな彼女を口喧嘩のようなやり取りをしつつも見守る拳児。
     そんな中、普段ほとんど帰宅しない朱乃の父親が会議のために帰国するという。

  •  文化祭のために頑張る朱乃。今年から自分の家の金をつぎ込んでのイベントは禁止され自分たちの手でと決められ、財力をつぎ込んだ喫茶店をやろうとしていたクラスの面々は意気消沈。自分たちがケーキを作ることなど出来ないと諦めかけるが、朱乃が自分でケーキを作ってみせ、なおかつ彼女たちを自宅へと呼び、シェフに作り方を教えさせ美味しいケーキを作らせることで自信をつけさせる。
     帰宅した朱乃父、しかし娘とほぼ会話をすることなくすれ違う。その様子にキレる拳児だが、朱乃は拳児を止める。父は拳児を辞めさせろと言うが、朱乃は反抗。拳児は自分の執事であり家の執事ではないので父にその権利はないと言い、拳児をかばう。

  •  文化祭の生徒公開日の最中、別のお嬢様より朱乃の父は明日の一般公開は会議があって来られないと言われる。愕然とする朱乃。
     翌日の文化祭一般公開、実際に父は会議のため不在。朱乃は一人で文化祭の仕事をし続ける。彼女の感情を慮った拳児は会場を飛び出し、他の面々の協力もあり会議の会場へ。警備員やボディーガードをなぎ倒し、朱乃父を連れてこようとする。自分はろくに朱乃を見ていないから父親ではないという朱乃父へ、それでも彼女が来て欲しがっていると告げる拳児。
     そんな中、会議のメンバー一人が渋滞にハマって到着が1時間ほど遅れると言われる。拳児は朱乃父をバイクの後ろへ乗せて学校へと連れて行く。

  •  朱乃父は文化祭にギリギリ間に合い朱乃の喫茶店を訪れる。無事二人はやりとりをしてハッピーエンド。

こんな人におすすめ
  • 口喧嘩しまくりだけど息の合ってる主従が見たい人
  • 青臭いぐらいの青春っぽいやりとりが見たい人

前の巻はこちら。

口喧嘩しまくりだけど息のあった主従

冒頭、拳児のやらかしのせいで口喧嘩しつつも二人が超息のあったやり取りをしているあたりが最高にかわいい!
拳児がタイミングよくグラスに水を注ぎ、朱乃が目もくれずにその位置に手を出す。視線も合わせず息のあった行動するのってめちゃくちゃいいよね! 二人の信頼感が出てる。

この拳児がなんだかんだで喧嘩しながらも朱乃のことを大事にしているのが伝わってくるのがすごく可愛い

彼女のことを大事だからこそ最後に彼女のために父を連れて来ようと頑張るのが理解できる。

最初の出会いはドタバタだったしやり方としては最悪だったかもしれないんだけど、それでも二人はちゃんと信頼感があるんだよねっていうのが細かな箇所からどんどん伝わってくるのがすごく面白い 。

破天荒な拳児の良さ

あらすじのところであんまり紹介できなかったんだけど、拳児の良さって間違いなくその破天荒ぶり。

あんまり政界についてや朱乃の父のこととか知らないからこそあれだけ常識がないことができるって言うのもあるんだけど、それでも普通の人なら躊躇してしまうだろうポイントを彼が元ヤンキーであるっていうことでうまく誤魔化してる部分があると思う。

今回で言うんだったら朱乃の後に面と向かって文句をつけに行くところや、朱乃の父を迎えに行くところ、このどれもが普通の人だったらためらっちゃうんじゃないのかな。

それを元ヤンだから突っ込んで行ける、 度胸がある、タンカが切れる、そういったものでうまくやってる。

そういうところが彼の強さだと思う。

もともとこの話って、お嬢様である朱乃と元ヤンである拳児のギャップの面白さっていうのもあると思う。

それが今回は、朱乃側の常識を拳児が知らないっていうことでやってくのが面白かった。

終盤のボディーガードさんたちどうなったんだろうね……

読み終えて最初に思ったのこれだったんだけどどうなったんだろう……。

重要人物を守っていたボディーガード警備員たちがたかだか男一人に正面突破されて、この人達この先職業的に無事なんだろうか。
やっぱり給与とか減らされるのかな。査定に関わるのかな。
大人になるとこういうとこ無駄に気になってしょうがない。

物語としては拳児が障害を乗り越え熱い言葉と感情をぶつけにいくシーンだから彼らが必要なのはわかるんだけど、紅堂さんちのお家の事情のせいで彼らの金銭面や最悪就業面になにかあったら嫌だな。
そのあたり朱乃父なんとかしてくれと思う。というか、フォローしてなかったらやばい。

でもいくらフォローしてくれても、『たかだか男一人に突破された連中』というのはついてまわるんだよな。

拳児という男が執事として朱乃という少女に仕えているという物語でもあるので、同じお仕事の対比として彼らは……と思ってしまう。

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