「モンスターになった俺がクラスメイトの女騎士を剥くVR」お色気だろとなめてかかったら熱い

★★★★☆,電撃文庫ネトゲ,女騎士,現代

あらすじ

『プレイヤーがモンスターになって、敵である女NPCキャラの服を脱がせる』
 そんなVRギャルゲーをやり込む、引きこもり廃人の高校生・源斗。卓越した剥き技で美少女を裸にして楽しんでいた彼だったが、突如ゲームに異変が起きた。
 見知らぬフィールド、見知らぬキャラ。ログアウト出来ない事態。不審に思いながらも敵美少女の服を剥いていくが……。
「み、見るなって言ってるでしょう!」
「いっそ、一思いに、殺しなさいっ……!」
 そんなセリフを吐く女騎士セリスはどうやらNPCではなく、正統派VR-RPGからやってきたリアル女性プレイヤーだったようで……?
二つのVRネトゲ空間が偶然にも合一を果たした世界。モンスターと女騎士の(エロい)攻防の行方は――!?

こんな人におすすめ
  • ネトゲモノが好きな人
  • パズルみたいに伏線が噛み合うのが見たい人

表紙はえっちだし挿絵もその乳房どうなってんの?という形状をしているが(あれ垂れてない?大丈夫?)まあそれなりだが、作中そういうシーンはほぼない。

お色気ゲーを、それを好きでやっているということ

私もご褒美で脱がせられたり色々できるゲームをプレイすることがたまによくあるのでわかるんだけど、そういうゲームってある程度やっていると、えっちぃとこを見るのも楽しいけどゲームのプレイ自体が楽しくなるんだよね。
艦これで服が脱げないでくれと祈るのとちょっと近い。……違うか?

ちなみに現在ハマっているそういうゲームはこれです。

https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm8584

私は途中で金を貯める作業がものすごく楽しくなっていて女の子とイチャイチャすんのをほぼ忘れてたんだけど、そういうのあるんだよね。そういう、女の子を脱がせたりするのももちろんゲーム的に大事なんだけど、それ以前にゲームそのものが楽しくなるってこと。
この物語の主人公はそれだ。そういうことすんのも楽しいけど、このゲームというもの自体も楽しい。
じゃないとマゾゲーかと言いたくなるようなプレイヤー進化のための必要アイテムは樹形図なんて記憶できない。

お色気ゲーではあっても年齢制限ゲーではない、プレイヤーはモンスターになって女騎士や女の子たちを攻撃して装備を破壊はできるけれど、最後の一線は超えられないし、それこどろか下着以上をひん剥くことは出来ない。
女の子を傷つけることもろくに出来ず、エネミーである彼女たちはHP1になっても死ぬことはない。
彼女たちのそういう姿を見るためには、プレイヤー自身が強くならなくちゃいけない。

そんなゲームをソロでほぼプレイしている主人公は、このゲームをお色気部分以外の場所まで愛している。
伝わってくるからこそ、読んでいてああ良いなと思う。

 ダクバと話していて思うのは、『こいつはELOが好きなんだなあ』ということだ。言葉や態度の端々から自然と感じ取れる、彼のシンプルな構成要素。要領がいいかどうかはともかく、やりたいこともはっきりしている。そんなわかりやすい同類感が、コミュ障気味の(そうじゃなきゃ引きこもりなんてやってない)俺にもなんとなく話しやすさを感じさせるのだ。
  (中略)
「あー、自分で言っててわかったんですけど、そういうのもあるかもしれないっスね。可愛い女の子の可愛い姿がただ見れるんじゃなくて、こっちの努力で見れるようになる、ってところが――現実ではあまりないことじゃないっスか。いやまあナンパ的な努力はあるかもしれないっスけど、オイラみたいな陰キャには絶対ないコトっス。でもこのゲームじゃ、頑張って頑張って、そうして報われる達成感と一緒になってるっていうか……そういうのが、なんかいいな、って」
「……だよな。ある意味スポーツ的な気持ちよわだ」

このあたりすごくわかるんだよね。

女の子を剥くというのがゲームの主題ではあるけれど、自分のプレイヤースキルが徐々に上がっていく楽しさというか、マゾゲーのそういうとこを楽しめるポイントと言うか……。
どれもこれもが楽しい。このゲーム自体が楽しい。
そして、この会話相手(状況把握のためのすぐ死ぬキャラ)との会話で、主人公もこのゲームを愛しているのだとビンビンに伝わってくる。
それがすっごく良い。

中ボス討伐の流れが超良い

ゲームにおいて事前に出ているルール(モンスターは女の子をHP1未満に出来ないなど)を、全部パズルのように組み合わせてドラゴン中ボス倒すとこほんと良かった。あれめちゃくちゃすごくない?

お色気ゲーのプレイヤーは女の子をHP1にまでしか出来ない、奴隷化することでステータスの上昇、触手で同時に作業できるだけのゲームスキルを主人公が持っている、聖職者キャラは近づいたものを片っ端から浄化させてしまう、etc,etc。
今までに出た情報を全て組み合わせ、伏線回収とばかりに一気呵成と攻撃し中ボスドラゴンを倒すの、読みながら思わず上手い~~~~~!!!とテンションあげてしまった。
こういう伏線じみたものが片っ端から組み合わさってピタゴラスイッチが如くうまくつながっていくの読んでて超楽しい。

ただ、その分ラスボスというか騎士団長とのバトルがどうも……。
これは組み合わさったものがほぼなく、今まで何度も見せられていた『主人公は進化のための樹形図が全て頭に入っている』『大量にアイテムを持っている』『そのため必要なアイテムを手に入れたら樹形図に合わせていくらでも進化できて、必要な戦闘力を手に入れられる』というのがぱっと行われただけなので、そこまで盛り上がらなかった。
できれば中ボス倒すときぐらいの伏線回収組み合わせが見たかった。

それと、その中ボス戦の攻撃アイテム(あえてそう表現する)として必要だったとはいえ、自分の尊厳を奪われるような状態にされたまま、ログアウトもしない女性というのも……。それだけゲームのデータが大事だったとは思うが、だとしても、よくもまあ……と思う。
このあたりはネトゲ設定だからひっかかったんだろうけれども。

ファンタジーでもなんでもいい、舞台が現実でありログアウトも何も出来ない状態であれば、酷い状態になってるのもわかる。
でもここはネトゲだ。ログアウトしたらデータが消えるかもしれないような状況であると強調されているとはいえ、ゲームだ。

ログアウトしようよ。
ログアウトしたらこの状況から逃れられるんだし、ログアウトしようよ。

最終的に戦力にするとはいえ、

「よくもやってくれたわね!」
「ブッ殺してやるわ!」
 それは、俺が事前に開放していた、数十人の戦力。
 ログアウトしてキャラデリされるのが嫌で。休憩モードの無操作状態中に殺されてキャラデリされるのも嫌で。不快な思いに耐えながら、それでも自分の分身を自分の心で護りたくて踏ん張り続けていた――勇気ある女たちだ。

もってきかたが上手いと思ったけど! 上手いと思っちゃったけど! ログアウトしようぜ!!!!!!!
どう考えてもログアウトするでしょ!?!?!?!?!

それから外見を実際のものに合わせる書いてあったけど私はリアル性別は女だけどこういうゲームは男プレイだし、同じように外見女の男性プレイヤーも多そうだなと思った。

ネトゲモノって現実とつながるとこが超~~~~良い

私はネトゲモノって現実とつながるとこが好きで、最後にオフ会するようなのがすーっごい好きで、この話はもろにそのツボ突き刺されて最高だった。

正直最初のほうで女騎士がクラスメイトとわかったあたりは別になんともないというか、この広い世界でそんなんあるかいと思ったんだけど、エピローグんとこがめちゃくちゃ良い。
ゲーム世界で世話焼きで強い子として生きてて正義をしている彼女がいるんだったら、学校に来ても大丈夫。そう思える気持ちが読んでてわかる~~~~~となった。

「……幼馴染がいなくても、あとになって似たような相手ができることはあるかもしれないじゃない。馬鹿」

幼馴染スキーなのでこんな……こんな中学に入ってからの幼馴染なんて……そんな……そんな認めたくない……認めたくないがその心意気……!!!!とめちゃくちゃテンションが上ってしまった。負けた。好きです。幼馴染のようなポジションになって主人公のそばにいてほしい。ハイ。負けました。好きです。


ネトゲといえばこっちも好き。おすすめ。
こちらはタイトル通り金の力で無双するタイプ。

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