「学園最強の異能ハッカー、異世界魔術をも支配する」現代異能vs異世界魔術バトル

★★★★☆,MF文庫Jバトル,兄妹,学園,家族,幼馴染,恋愛,現代,現代異能,異世界転移

あらすじ

「私を──殺してください!」
異世界からやってきたという儚げな少女は出会って早々、俺にそんな言葉を吐きやがった。
なんでも、異世界とこちらをつなぐための大規模魔術の“生贄”から逃げてきたらしい。
その儀式を止めるために、こちらの世界で死にたいのだとか……。
「改竄」という力を使い、異能力を開発するこの学園都市で消化試合のような生活をしていた俺だが、「異世界転生」への手掛かりとなるコイツは何としても助けなくてはならない。
「世界の命運なんて知ったこちゃないが、俺の目的のためにお前のことを守ってやるよ」
電子と魔術、二つの力の邂逅が紡ぐ、運命を改竄する学園バトルファンタジー開幕!

読み始めてから過去に読んだ作品が面白くなかった作者さんだと気づいたものの、一気読みするぐらいに面白かった。現代異能バトルは最高!

機械技術異能力vs異世界魔法

あとがきであった「異世界のステータス画面が開くタイプの異能力をハッキングできたら面白くない?」になるほどー!となった。なるほど面白い。たしかにステータスウインドウ開くんだったらハッキングぐらいできて当然だわ。デジタル部分あるもんな。

作中主人公は『改竄』という能力を持ち、そのデジタル部分をハッキングし、彼の世界に存在する異能の大半を存在キャンセルすることが出来る。

状況だけ見ればチートだけれども、現れる敵は異世界の魔術師たちばかりだからチート能力はそのままでは活用できず応用しなければならないのが面白かった。

どれだけ主人公がチートみたいな能力あってもそのままじゃ使えず、これをどう活用するのか?どうアレンジするのか?という部分が出てきてる。

とはいえ、能力の出来ること自体が読者側に完全提示されているわけじゃないのでチートと似たようなものにも感じられなくもないんだけど、下手な使い方したら一辺倒な動きしかできないような能力がアレンジされて様々な攻撃になるのがわくわくした。やっぱり現代異能は良い。

同じ作者さんのラブコメや曲をもとにした話?は合わなかったんだけど、この話は異能バトル部分がかなり良い感じにぶっ刺さった。

それにしても現代異能っていうカテゴリってどうしてこう心惹かれるんだろう。わたしがラノベ一番読んでた時期に流行ってたジャンルだからかな。そんなインターネット老人会みたいな理由嫌だな……。

妹みたいなメインヒロイン(非恋愛型)がとにかくかわいい

主人公である悠が空から落ちてきたところを目撃して偶然助けた少女・サクリファイス。異世界で生贄になるために今まで育った彼女は、このままだと異世界(こちらの世界)を侵略するために自分が使われるのだが、こちらの世界を偶然目にしたことにより破壊したくないと思って生贄の仕事から逃亡してやってきた。

無邪気で素直で好奇心旺盛、何でも興味を持つし、年相応(12歳)の幼さもある彼女がまあものの見事に立ち位置『妹』なんだよね。過去に妹を亡くした主人公が妹と重ねてしまって絶対に守ると思ってしまうのもわかる可愛らしさだった。

表紙からして主人公と同年代ぐらいの女性が突然現れて系の物語なのかな? と想像していたところ、良い意味で期待を裏切られた。

こちらの世界を守りたい少女と、妹という概念に近い少女に家族的な意味で惹かれて助けようとする主人公という組み合わせは、ありがちではあるんだけれどもやっぱり熱かった。

彼女が最後に兄貴に吐く発言は最高だし、たしかに普通に考えてそれめっっっちゃムカつくな!?と納得した。

キャラ強め幼馴染ヒロイン(恋愛型)がとにかくかわいい

で、妹的ヒロイン(非恋愛型)がいる横で出てきたガチめの恋愛ヒロインも可愛かった。主人公と一緒に暮らしている幼馴染ヒロイン。主人公を超超超大好きで、主人公が可愛い女の子を連れて帰ってきたらヤンデレ状態でキレて周囲を全部凍らせてしまう異能を使う女の子。

彼女の場合暴走型ヤンデレヒロインだし他者にもかなり影響が出る動きをするのに、あんまり嫌な感じがしなかった。暴走するよりも先に彼女の扱い方を熟知している主人公が毎度毎度うまく宥めるのもあるだろうし、実際の被害が敵側にしか出てないからというのもあるかも。

いや、でも良いものですよ、己の好意を一切隠さず相手へ好き好きと伝え続けありとあらゆる行動でそれを示す女の子。行動するスタンスの幼馴染ヒロインは良いものだなあ!

ただ、これはサクリファイスが妹系ヒロインで非恋愛ポジなので幼馴染の少女は負けヒロインになることはないだろうとわかるのが良いのかも。最初からとわかるポジションで出てくる幼馴染は悲しいものがあるので……。

主人公が『このままだと幼馴染が暴走する』とわかり駆けつけるのも、幼馴染が『このままだと主人公が無茶をする』とわかって止めようとするのもすっごい良さがあった。長く一緒にいて好意があるからこそ互いをよく理解しているのは最高。

主人公側から幼馴染への好意はそこまで行動や言動で現れていないため、もしかしてあんまりないのか……?と不安にならないこともないんだけれども、そういう部分はぜひとも続刊で見たい。続刊、あのラスボス匂わせからして当然あるよね?

と思って確認したところ、これ2019年の本で続刊出てないのか……。

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