「准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る」

★★★☆☆,角川文庫現代,男性バディ

あらすじ

嘘を聞き分ける大学生・尚哉は、怪異大好き准教授・高槻に誘われ、小学校で噂のコックリさんの調査を開始。コックリさん、あなたは誰ですか?という質問の答えは、クラスからいなくなった生徒の名前で――。

シリーズ: 准教授・高槻彰良の推察

今回も連作短編集3作。
えーーー、面白かった。主人公が嘘が聞き分けられなくなる話が好き。

嘘がわかる自分の耳を疎い、そのせいで孤独を選んだ青年が、いざ嘘がわからなくなったら困惑してしまい混乱してしまうのすっごい良かった。
そりゃあね。今までどれだけ嫌がっていたとしても自分の通常能力だもんな。たとえば普通の人の腕が一本なくなったらうまく腕が動かなくて困るように、今まで自分にあったものがなくなったら不便だしどうやって動いたらいいかわからない。
誰を疑ったらいいか、誰を信じたらいいのかすらわからなければそりゃあ世界は五里霧中だ。困惑するわ。
いくら疎んで忌み嫌っていた能力であろうとも、主人公にずっとその能力があり、今まで五感のひとつのように使っていたのは事実。他人から嫌がられたとしても日常だから、きっとこの後もまた聞こえなくなるたびに困惑して混乱して誰を信じたらいいのかわからない状況に陥るんだろうね。

対して准教授は頭の良さと推察力の高さと記憶力で相手の嘘を見抜けるので、誰が嘘をついていたのかわかっていたし、主人公が嘘が聞き分けられなくなったのを伝えてきていないのも理解してきた、と来るところまでが秀逸。そのうえでなんで話してくれないのかなってずっと思ってたって来れば、主人公の独り相撲状態だもんな……。
ただ逆に、考えればわかるような人が主人公をそばにおいている=耳が大事だからじゃない、その能力を持つ人だからじゃない、と思わせる出来事で良かったのかも。

この話はなんやかんや言っても主人公と准教授の二人の世界になるわけではなく、ちょいちょい先生の幼馴染の健ちゃんが挟まってくるのが好き。
健ちゃんがキャラとしてとてもいい人なのでこの人が出てくると和んじゃうんだよな。刑事で常識担当でアイドルファンって属性もりすぎかよ……可愛いかよ……。

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