「最高の二次元嫁とつきあう方法 (電撃文庫)」芦屋 六月
あらすじ
二次元嫁が実体化! どうする!?
やっぱり二次元が最高だろ。
というか、俺には二次元しかないんだ!
二次元が好きと言いつつリアルに彼女がいたり、「○○は俺の嫁!」と言いながらシーズンごとに嫁が替わるような奴らとは違う。俺は……俺は本気で、二次元キャラ“胡桃すぴか”を愛してる。
いつもどおり彼女への愛の儀式に神経を集中させていたある日、俺の前に彼女が現れた。彼女というのは、もちろん胡桃すぴかちゃんのことだ!
夢や妄想じゃない。モノホンだ。パンツに顔を押しつけることだってできる三次元だ。いや、たとえしたくても、恐ろしくて、そんなことできないが……。
憧れの彼女を目の前にして、いったい俺はどうすりゃいいんだ!?
姉に二次元キャラは見世物じゃねえと啖呵切ったけどお前もそこまで人間扱いしてないだろ
と思ってしまったのでうーん。
二次元キャラを三次元に呼び出す技術を作り、リアル美少女動物園を作ろうとうする主人公の姉。しかし自分の好きな子をそんな見世物に出来るか!と彼女を連れて逃亡する主人公。ここまでは良い。ここまでは良かった。
でも、主人公も別にそこまで彼女を人間として扱ってるわけじゃないんだよね。
わかりやすいのは後半のオタクとの知識バトル。彼女の目の前で、彼女のパンツの柄、バストサイズなどをクイズにする。
いやいやいやそれ人間として扱っている少女の前でやる? 普通やれる? キャラクターだからじゃない? リアルに同級生や、もしくは声優で先輩のりゆさんをネタにしてやれる? とドン引きしてしまった。
姉に美少女動物園についてブチギレておきながらも、主人公がやった内容も結局は彼女をキャラクターとしてしか見ていないのだと思えてしまってだめだった。
実際、作中の彼女はそこまで都合の良いキャラクターじゃない。
いつも愛想よく笑顔を振りまいてくれるわけでもなく我儘だし、主人公を一発で好きになってくれるわけでもない。
主人公が彼女を守ってあげたり一緒にいたくなるようなことをしてあげたから徐々に好きになってくれる。
それはいいんだけど、じゃあなおさらなんで彼女をそこの部分で完全にキャラクターとして扱ってしまったのか……と思ってしまった。
主人公あまりに危機感なさすぎ。
姉から追われてる、姉は彼女を見つけ次第研究所に引っ張り戻して見世物にしてしまうとわかっている状況で、二次元嫁の「すぴか、学校に行ってみたい!」という発言だけで学校に連れて行くか普通。危機感なさすぎか。漫画アニメイベントも連れて行くか普通。危機感というものを知っているのか。姉も姉で予想して行きそうな場所全部に人配置しておけよ。
危機感なく余裕ぶっこいてる主人公に、お前……と呆れてしまった。
本当に守ろうとしているのか、そして彼女を本当に人間として見ているのかといった主人公の根底の部分でひたすら疑問符が出てきてしまった。
ボーイミーツガールとしては割と良かったんだけど、その他の部分でマイナスが多かった。
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