「キミのこと黒歴史もまとめて……ぜーんぶ大好きだよ」コテハンありインターネットを生きた連中向けラブコメ

★★★★☆

あらすじ

「先名くんのことが好き……私と付き合ってください!」

過去に特大級の黒歴史を持つ俺はある日、男子人気も高く、
付き合えば勝ち組確定な少女・館崎栞奈に告白された。

「確か『リファレンス』って名前を使って、ネット上で論争を繰り広げてたよね! 
あの頃はわたしも掲示板で暴れていたから……いっしょだね」

俺の忘れたくてたまらない過去を知ってる上にこいつも暴れていたのか!? 
やむを得ず断ると――

「じゃあ、お願いがあるの。わたしを――先名くん好みの女の子にして下さい! 
キミになら何されてもいいから……」

互いの黒歴史を知り尽くす二人の、相性ぴったり青春ラブコメ!

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これはあの頃のインターネットを生きた人間向けラブコメだ。
^^を嵐と認識し、コテハンを嫌い、ニコ動で騒いだ人間向けラブコメだ。
これ、絶対中高生向けラノベじゃないだろ。20代後半~向けのラノベだろ。

前半は、ネットでは暴れん坊、現実ではろくに人と喋らない系ヒロインが、主人公がネゲットは嫌だと言ったためにネット人格を封印してなんとか好きになってもらう! そのためには主人公に協力してもらおう! と頑張る物語。
ネット人格がひどすぎて笑うしかない。ブロッコリーをぶっころロリータ、そんなコテハンいたら絶対に記憶に残るな……。ヒロインのなかではブロッコリー(略)は男性でネカマをしていたという設定とか、そういう無駄に凝った設定を作ってやっていたというのがまた。

ヒロインの性格やネットに対しての立ち位置がかなり好き。
ネットは自分の居場所であり、名前を隠して他人へ色々ぶつけるモノ。そして主人公がヒロインを土の中の人間と言う通り、もうひとりのギャルヒロインとは違い、ネットをアンダーグラウンドとして扱う人間。
この立ち位置がすごく好きなんだよな……。

現実もだけど、ネットを見ていると陽キャと陰キャで使い方がぜんぜん違うなと思う。
インスタやTwitterで本名を書ける人間と書けない人間。顔出し写真を載せられる人間と載せられない人間。
主人公とブロッコリーはわかりやすく後者だ。ネット上の人格と現実の人格を結び付けられたら絶対に嫌だ。やめてくれ、と思うタイプ。

そんで後半に出てきた陽キャギャル、彼女は前者だ。友達がやってるからTwitterをして、友達と交流するために鍵垢でもないのに名前も顔も出せる。主人公やブロッコリーが絶対に理解できない。
この前者と後者が学校っていう現実で向き合い、主人公っていう一人の人間を好きになってネット絡んだリアルの揉め事になるのが本当に面白かった。

主人公がブロッコリーに土の中から出ていってほしくないっていうのもわかるんだよな。自分と同族なのに出ていかれたら寂しいよ。そういう気持ちがあるだろうなっていうのがなんとなく理解できる。
主人公的には陽キャギャルから告白されるの辛かったろうな。
ネットでは厨二ぶった厭世家風味なことを書いていながらそれが上っ面だけだと自分こそが一番よく知っている。でもそれを陽キャギャルは格好いいって言ってくる。そんなの絶対に辛い。自分の実態がわかっているからこそ辛いに決まってる。

ネットのスーパーハカー的な能力を使うでもなく物語が収められるのが読んでてなんかすごいぐっときた。まっすぐ告白する、ただそれだけの物語なのが好き。

あの頃のインターネットで生きてた人間だったら刺さりそうな話だったし、いやこれ中高生向けラノベじゃねえだろ……と思った。

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