「ラブコメ漫画に入ってしまったので、推しの負けヒロインを全力で幸せにする」主人公からグイグイ行くタイプのラブコメだ!!

★★★☆☆

あらすじ

この子が負けヒロイン? なら俺が誰よりも幸せにする!!

『幼馴染お嬢様が邪魔をして、普通のラブコメが出来ない』通称『おじょじゃま』、アニメ化も進行中のラブコメ漫画だ。俺の推しは、いわゆる負けヒロインの嶋田聖。クールに見えて、実は照れ屋でギャップが超可愛い。そんな彼女が今、目の前にいて……!?
(ああ、これは夢か。なら覚める前に一言――)
「好きだ」「なっ!? な、何を言っている、久村!?」
どうやら俺は、友人キャラの久村司になっているらしいが、聖ちゃんに愛を伝えられたなら何だっていい。もう大満足だが一向に夢から覚めることはなく。
……もしかして、漫画の中に入り込んだ!? だったら全力で推しを幸せにしてやる!

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タイトル通りの物語で、Wヒロイン物の漫画のなかに入ってしまった主人公が、Wヒロイン枠ですらない負け枠ヒロインにガチ恋してるので彼女にグイグイ行く話。
なんとなく女性向けの悪役令嬢転生を思い出した。ポジション的にはそれにかなり近いものの、転生先は漫画の主人公の親友。元々原作でも自分と同姓同名のキャラクターになってるものの顔は漫画のキャラではなく自分、というパターン。

漫画内では負けヒロインとされる今作ヒロイン側も、主人公のあまりの熱量と勢いの告白に、もう初手で惚れちゃってる状態。お前はもうどう見ても勝ちヒロインだ。
それでもなんとなく「保留で」としちゃってるからこそのもだもだというかじれったさというか、まだ付き合っていません、でもなんとなく傍からみてもわかるぐらいに好きあっていますという雰囲気がすごく可愛い。

そんな二人でWヒロイン+漫画の主人公の行く末をどうにかしようと協力するのが可愛い。ただいちゃこらするだけより、なにかを二人で協力して行うって絆ができてくのも見えていいよなー。
主人公がヒロインを大好きなのはそりゃ当然だけれども、ヒロイン側からしたら主人公のことなんて何も知らない。そんな状態のヒロインが、主人公の全力恋愛感情ぶつけっぷりに流されそうになりながらも好意を持っていく過程がとにかく可愛い。

漫画主人公は、学校で新規で会ったヒロインAに惚れている。けれどもヤンデレ幼馴染ヒロインB(漫画主人公は彼女の恋心には気付いていない)にとにかく邪魔されているためになかなかヒロインAに告白できない。
ヒロインAも漫画主人公を好ましく思っているが故に告白したら物語は一気に終わってしまう、という現状の状態。

漫画主人公がヒロインAを好きなんだからそこの後押ししてうまいことやればいい感じに物語終わるんじゃないかなーと思ってたんだけど、主人公的にはこの原作漫画自体のファンなので、キャラ全員にうまいこと言ってほしいし原作のその先が見たい。
だからこそ、おじゃま虫扱いのヒロインBに発破をかけて応援したりもする。

このあたりの漫画主人公の恋を応援するだけじゃない辺の流れが、主人公って物語外のキャラだなって思わされた。
普通ただの親友だったら漫画主人公の恋を応援するほうに躍起になるし、そしたらヒロインBはとにかく排除する方向に行くんじゃないのかな。そうじゃなくてヒロインBにも告白のチャンスを与えようとするあたり、他の人をどこか物語的に見ているというか。
聖ちゃんに告白したあとに夢じゃなくて漫画の世界に入ってしまったと自覚していたけれども、だとしたら漫画としての結末じゃなくて、現在を生きる自分としての最良の手を選んでほしかったというか。

また、ヒロインBに告白させて漫画主人公にその恋心を知らせて同じスタートラインに立たせてやりたい的なこと言ってたけど、お前の大好きな聖ちゃんはそのスタートラインにすら立てないままだったじゃねえかだとかも思ったりした。

わかる……わかるけど心が納得できねえ……みたいな微妙なラインだった。

これはなんとなく読んでて興味深いなと思ったんだけれども、このヒロインBってやってることがほぼ悪役令嬢。自分と好きな男は婚約していると噂を流す、好きな男に近づく女はとにかく排除、横恋慕女とくっつかないようにあれこれする。

ただ、女性向けラノベだと、その行動って主に相手の横恋慕女に向かうと思うんだよね。水を掛けたり階段から落としたり。だからこそ悪役令嬢の断罪シーンで「お前は彼女に○○を行った!」と出来るわけだ。

それがこの小説だと、好きな男にひたすらまとわりついて、横恋慕女とイチャイチャしているところに後ろから現れて「あら、何をしているの?」と声をかけたり、好きな男の家の前で堂々とストーカーしていたりの方向に出る。あとおそらく部屋に盗聴器仕掛けてるっぽい。
行動の向かう先が好きな男に向かっているのが興味深いというかよく見るものと外れてるなという印象を持った。

これは私が読んだものの偏りもあるだろうけれど、物語の主体として男なのか女なのかも関係あるのかなとなんとなく考えた。

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