えーやばめちゃくちゃ面白かった!!!
ファンタジーの世界で、皮肉げで素直じゃない主人公が《女神》という人格を持った兵器のような少女と契約してしまう。しかし主人公は過去に《女神》を死なせた罪で、死ねない刑罰たる勇者刑に処されていた――というダークファンタジー。
頼りになるようなならないような仲間たち
頼りになるようなならないような一芸に秀でつつも一癖も二癖もある仲間たちと、どう考えても絶望的な防衛戦を行うという物語がとにかく面白い。一芸には秀でているけれどもそれが一芸すぎて他の部分はてんでだめ、故にその一芸をいかにして活用して絶望的な状況をひっくり返すか?という物語が好きな人はすげえ好きそう。
個人的には傾向は全然違うんだけれども、ペテン師は静かに眠りたいとかされど罪人は竜と踊るあたり好きな人がもしかしたら刺さるかもしれないなと思った(私のことです)。
盗みの才能がめちゃくちゃあるものの手当たり次第なんでも盗んでしまうから窮地に陥る男、自分を国王だと思いこんでいるためそう振る舞うもののそれだけのカリスマ性もある狂人、口が死ぬほどうまくて自分に都合の良い状況を作り上げる詐欺師。
そんな一点突破みたいな仲間たちをどうにか協力して指示して主人公が最悪の状況をなんとか抜けていこうとするのが面白かった。
最悪の状況に陥るための舞台設定がめちゃうまい
この絶望的な状況に陥るための舞台設定がうめえなーと思った。ご都合悪い主義じゃないんだよね。
主人公らが背負わされている勇者という刑罰は、めっちゃやばいことをした人向けの死刑よりもなお下の刑罰。死ぬことすら許されず、死んでもなお復活させられ、復活のたびに記憶や人格などをすり減らしながらそれでも戦わされる。
そして、主人公らが行かされる戦場は撤退戦の殿だったり、敵の足止め(時間が稼げたら主人公らごと全部ぶっ殺す)だったりする。
刑罰なのでそういう場所に送られるだろうなという納得感と、そこからどうひっくり返してくれるのか!?というワクワクが終始あって楽しかった。