「悪役は恋しちゃダメですか? (フェアリーキス ピュア)」葉月クロル
あらすじ
恋愛初心者の悪役令嬢、俺様王子にグイグイ迫られる!?
高飛車な悪役令嬢のミレーヌは、大好きな王子レンドールと婚約中。
しかし転生者であることに気づいたことで、普段はツンツンな上から目線なのに、イジられると真っ赤になり、本当はウブで泣き虫キャラだとバレてしまった!
そんなミレーヌの泣き顔が彼のツボを刺激したようで……
「俺を煽って、あぶり殺す気か。俺以外の男と絶対に口をきくな。きいたら泣かす! 」という俺様ぶりを発揮されて!?
レンドール王子からは大人のいじめ(!?)を仕掛けられ、イケメンドS従者からは容赦なく突っ込まれる。
ミレーヌを欲しがる隣国の王子も入り乱れて、恋愛初心者な悪役令嬢ミレーヌ、ドキドキが止まりません!?
「可愛いな、ミレーヌは砂糖菓子でできているようだ……」
「ひゃあっ、舐めるのは禁止です! 味見はお断りいたしますので! 」
- 愛され系主人公が見たい人
- 何もしなくとも主人公が一方的に愛されるのが見たい人
頼むからもっと自主的に動いて努力してくれ
悪役令嬢に転生したことに気付いた主人公が、好きな人に振られてなおかつ自分ちも没落するという絶望的すぎる未来を回避するために、婚約者である好きな相手に自分から別れを告げるお話。
……なんだけど、鈍感主人公の実力超発揮というか。どこからどう見ても相手が自分のことを好きだしツンデレながらもかなり全力でそれを伝えてくれているというのに、相手の言うことを信じない。そんなに相手のこと信じられないの? と読みながら首を傾げてしまうレベル。
それから読んでいてうーん……となったのは、主人公はほぼ努力をしていない、若干しているとしてもそれを読者にまともに見せてくれないところ。
主人公がそこまで努力しなくとも、王子はとうに主人公にベタ惚れしていた。
魔法がうまく制御できないから練習して倒れたが、その練習部分はほぼカットされているのであーーこれは倒れて王子にお姫様抱っこされるためのイベント……と認識してしまう。
なんか魔法のためにいろいろ頑張っていたものの、終盤ばーんとすごい魔法を使える。魔法の存在自体は事前に出ていたものの、それを主人公が使えるだけの理由は伏線もなにもない。
こういった主人公が特段頑張らなくてもなんとかなってるように見える箇所が連なって、あまりにうーん……となる話になっていた。
読み終わってからこの主人公好き~とかそういうのがまったくなかった。