「陛下、心の声がだだ漏れです!」クーデターおこされたんなら3ヶ月もラブラブ新婚生活するな

★★★☆☆,ビーズログ文庫デレデレ,ファンタジー,ラブコメ,両片思い,偽装/政略結婚,恋愛,溺愛

あらすじ

他人の心の声が聴こえてしまう小国の姫ツィツィーは、冷酷無比と恐れられる皇帝・ガイゼルの下に嫁ぐことに。
ところが――『女神がいる……』『どうしてこんな完璧な美しさなんだ』『可愛さで憤死するしかないだろ』
と冷たい態度とは裏腹に、ツィツィーをベタ褒めする心の声が聴こえてきて……!?
政略結婚から始まる赤面必至の超甘々ラブコメ!

あんまり合わなかったなという印象が強かった。

強制的に嫁がされた主人公が、旦那の心の声が聞こえてしまい、それのせいで彼が自分に(顔に出さないままに)ベタ惚れなのを知ってしまう、というお話。無表情、むしろ強面の旦那が内心自分を可愛い可愛い尊い状態で褒めまくっているのを聞いて、それで絆されて好きになっていくのは物語としては面白い。割と良くあるみんなの大好きシチュエーション、本人に知られているとは知らないままに好き好き言いまくるのを聞かされるやつ。
ただこの場合、偶然何かの流れで耳にするのではなく、主人公が他人の心の声を聞こえるからという設定。でも、都合良くそれが聞こえる相手は少ないとなっているせいで、物語にあんまりメインで関わる設定じゃないのがどうなんだろうなーとなった。全てにおいて都合良い設定だな。

というか、全体的にあっちこっちが雑なんだよな。
中盤すげー雑すぎるレベルで雑に発生するクーデター。こんな雑に皇帝が国を追い出されることある!? 雑すぎるし戻ってくる流れもあまりに雑すぎる。皇帝、一応国のトップやぞ。もうちょっと謀叛を起こすにも理由がいるし、旗頭と理由を持ってくるべき。それもなしにあまりに雑すぎる雑さで皇帝を追い払い、死体もろくに確認せずにこれで国は我らのものだーするの馬鹿すぎる。
反逆者もそうとうな馬鹿で、戻ってきた陛下に詰められたときに、心を読んでいるとはいえろくに証拠なしに主人公にあれこれ言われただけでほぼ勝手に自滅。あるのは大半が状況証拠だけだし全然言い逃れ出来る状況じゃん。少なくともあの場では指輪程度しか証拠がなく、その指輪だってやろうと思えば全然ごまかしが効く。なのにほぼ有罪みたいになるの雑すぎ。
これはざまぁや追放物でよく文句つけてるんだけど、敵が弱かったり穴だらけだと、そんなんに一回は追い詰められた主人公側(この場合は皇帝など)がただの馬鹿にしか見えないのでやめてほしい。そのぐらいだったら国家転覆あたりのシーンいらんかった。

なんなら、その国家転覆起こしてる最中に3ヶ月もラブラブ新婚生活してるのアホかな。皇帝が追い出されてる状況、どう考えても国は混乱のさなかだというのに、国をほっぽってるの皇帝としてどうかと思う。山の中で情報が入らないとしても皇帝としての責任感が少しでもあるなら調べに行くべきだし、主人公はいつまでもあなたについていきます顔するんなら正式に皇帝をやめたわけじゃないその無責任男の横っ面ひっぱたいてでもどうにかしたほうが良かった。

穴というかツッコミどころが多く、旦那の溺愛もオタクみたいな語彙でひたすら崇め奉るばかりなのであまり刺さらなかった。

Kindle Unlimitedへ登録

スポンサーリンク