「嘘嘘嘘、でも愛してる」謎は興味があったがシーンもキャラも好みじゃなかった
あらすじ
記憶喪失の俺はなぜかクラスメイト、幼馴染、女友達の美少女三人から毎日アプローチを受けまくってる。男なら誰もが憧れるシチュエーションの日々、羨ましいだろ? ……この中に俺を殺そうとした子がいる以外は。
記憶喪失の主人公のもとに好意を持って接してくれる女子が3人いる。でもこの中に自分を殺そうとした犯人がいる――という提示された謎は面白かったんだけれども、それ以外がだいたいぜんぶ面白くなかったので、単純に自分に合わなかった。
ミステリー要素があるってわけじゃなく、謎がただゴロンと転がっているだけっていうか。解くための方法は読者に与えられず、ただ主人公が滔々と喋るだけ。過去を思い出したり推理するのに必要な記憶が戻る条件も不明で突然突発的に発生する。
ミステリーにある探偵の謎解きを見る面白さもあまり感じられず、本当にただ合わなかったってかんじ。
ヒロイン3人がそれぞれ個性はあるんだけれども区別があんまりないっていうか、それぞれ別の人だし口調も違うのに、掛け合いのときにボケ倒すのがどのキャラもおんなじで、見てて差異がなくてつまらなかった。
途中で色町が「ヤンデレなんて軽い言葉じゃない」って自分を表現しているけれども、別にそんな超特殊でヤンデレの枠を超える!というキャラでもないので、自分は大多数のなかの一括りにされたくないと思っているだけっていう印象のほうが強いんだよね。下手にヤンデレなんて単語出さないでくれたほうが良かった。これでかなり冷めた。
幼馴染の「恋愛として好きなわけじゃない、でも幼馴染としていられないぐらいに距離を置かれるぐらいだったら抱かれたほうが良かった」はまだ理解できた。そのぐらい、自分の体を代価に出しても良いと思うぐらい、主人公を人間として好きだったんだな。前半に出てた「自分の一部みたいだった」って表現があったので、この幼馴染の距離にいられないぐらいなら抱かれたほうがマシの表現はすごくしっくりきた。
白髪ヒロインはちょうど同時期に読んでる別のラノベのヒロインと口調がほぼ被って笑った。
序盤、というか終盤近くまで、突然可愛い女の子3人から同時に好意を向けられている主人公がそこまでのいいヤツにも思えなくて乗れなかったんだけど、幼馴染へ告白→振られる→徐々に絆を育んで同級生を好きになる→告白、の流れはすごくしっくりきたので、記憶のない主人公はどこが良いかわからんやつだけど記憶があるときは好感持てるキャラだったんだろうなと脳内補完した。
全体的に話として面白いと思えないし、主人公に好感が持てないしヒロインも好きになれないまま話が進んでいった結果、どうしてこんな男にそこまで感情を抱いてしまったんだろうなあと思って終わった。