「見知らぬ女子高生に監禁された漫画家の話」監禁物としての恐怖はない

★★★☆☆,角川スニーカー文庫お仕事,ラブコメ,現代

見知らぬ女子高生に監禁された漫画家の話

見知らぬ女子高生に監禁された漫画家の話

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あらすじ

「ここはどこだ?」
目を覚ますと見知らぬ天井、あたりに一切の明かりはなく、首には――首輪と鎖!? ふいに灯る部屋の電灯。そこにいたのは包丁を携えた女子高生。
JKと漫画家、二人の監禁ライフが幕を開ける!

not for meな話だった。だいたい題材から想定される内容を延々とやってる。

『見知らぬ女子高生に監禁される』というシチュエーションを楽しむ小説なのはわかるんだけれども、監禁という異常なシチュエーションに対して主人公がほとんど怯えていないし脱出も1回2回程度しか考えないため、恐怖や異常な環境を楽しむという面白さは本当に全く全然無かった。

女子高生が刃物持ってるため、自分より腕力的には劣る少女に好きにされる恐怖とか出てくるのかと思いきやそういうのも本当に全くない。
これは序盤のうち主人公が漫画のボツ続きでメンタルをかなり病んでるのが原因で、正常な思考とか正しく恐怖を感じるとかそういった部分がかなりおかしくなっちゃってるのが原因なのはわかる。わかるんだけど、生活に慣れてくるよりも前の部分にそれがないと、ただの女子高生に衣食住確保してもらって手作りごはんを出してもらいトイレに行きたいと言ってトイレに連れてってもらいお風呂に一緒に入ったりし女子高生デッサンをしネームを書いたら良いと言ってもらうほのぼの同居ラブコメディにしかならない。

でも中身がほのぼの同居ラブコメディになってしまうという状況に関しては、題材的に『熱狂的なファンがスランプの漫画家を監禁して漫画を描かせる話だろう』と察せられる以上仕方ないのかも。だとしても序盤はもっと怯えたり恐怖したりで追い詰められてほしかったような気もするけれど。
しかも監禁してくる相手がめちゃ強面男とかじゃなくて、マスクをしてても美少女とわかる女子高生だからね。仕方ないね。女子高生っていうブランドまで引っ提げて来られたらね。ラブコメにしかならないね。
最後の最後で大落ちとして『実は偶然チャンスが転がり込んできたから監禁したってわけじゃなくて、今まで虎視眈々と機会を狙っていました』っていうのが明かされる。だとしても題材とキャラクターの今までのやってきたこと的に、「でしょうねー!」としか言いようがないので、意外性とかいうものは本当に無かった。

終盤に女子高生側の問題があらわになり、二人して少しでも進もう!→ふたりとも失敗してしまい、この1ヶ月はなんだったんだとなる流れだけは本当に良かった。そこがものすごく好き。
ただ、そこ以外は本当に、この題材から想定される中身通りの内容だった。

それにしても主人公、どのぐらいのクラスの漫画家なんだろう。アニメ化もしてるけど現在どんなネーム出してもボツ。アニメ化もピンキリだから全くわかんないけど、そこそこ売れてはいるのか。

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