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「大学で一番かわいい先輩を助けたら呑み友達になった話 (ファンタジア文庫)枩 葉松」ヒロインがnot for me

大学で一番かわいい先輩を助けたら呑み友達になった話 (ファンタジア文庫)枩 葉松

大学で一番かわいい先輩を助けたら呑み友達になった話 (ファンタジア文庫)枩 葉松

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あらすじ

ボッチだった俺に、最近呑み友達ができた。
相手は大学で一番かわいいと噂の天王寺先輩。成績優秀、容姿端麗、大学中の注目を集める先輩はいつもクールな無表情。
「天王寺家の令嬢として、私は完璧でないといけないのです」
そんな先輩の鉄仮面は、お酒を飲むと剥がれるようで……。
「糸守君の好きなところ、また一個見つけちゃったなぁ?」「うえっへっへっ! やらしーこと想像したでしょ?」……なんて、いくら何でも無防備すぎ! 酔ってるからって何でも許されるわけじゃないんですが!? 「……糸守君だけだもん、私の素顔を見せられるの」
大胆すぎる先輩との、危険な夜が始まる!?

面白くなかったというか単純にnot for meだった

大学では可愛く皆から慕われているお嬢様でカースト上位の先輩が、俺の前でだけべろべろに酔っ払って気取らない素を見せてくれるのが可愛いというラブコメ。よくあるあの人の素顔を俺だけ知っているパターン。
とはいえ恋愛ってそういうものだよなというのは最近発生してきて、またかよこのパターンと思うのは減ってきた。一応。いやまだ結構思うけど……。

持論として「ヒロインが好みじゃないラブコメは合わない」「主人公がなにかのために頑張らない話は好みじゃない」というものがあるのだけれども、これは前者のほうが強かった。主人公自身は前半は主に流されるままだったとはいえ、終盤は自力で先輩を助けるために頑張っていたので終盤から好感度が上がっていった。

わたしは、恋愛方面で自分が相手を好きなのに全力で告白待ちスタイルしておいて、でも相手がほかの子にキスしているのを見るのを嫉妬するようなヒロインが好きじゃないんですよね。
少なくともお付き合いをしていない以上、そこで嫉妬する権利はあっても主人公側としてはヒロインに縛り付けられる義務もなければヒロイン以外に目移りしてはいけない理由も何も無いわけじゃないですか。
なのに自分は感情を伝えていないのに優先されるのが当然とばかりに思っているキャラって男女問わず好きじゃない。そこでヒロインがすでに自分の感情を伝え終えたあとだったらこうは思わなかっただろうに。

たぶんこれって、ヒロインが「振られたくないから自分で感情を伝えるのは嫌、相手が自分に惚れているという確信がほしいので相手に告白してもらおう!」っていう発言を事前にしているのも原因かもしれない。
ヒロインが自分の心への防御のために告白しないというだけで、相手だって告白して振られたらどうしようという不安があるのをまるで考えてない思考じゃないですか、これ。
それだけ相手に対しての感情もある、好意もある、恋人=所有権を主張できる関係になりたいという願いはあるのに、調子ぶっこいて相手からの告られ待ちしておいて相手がキスしているところを目撃してショックを受けるというムーブ。
だったら他人とキスしてるところを見てぐだぐだ物思いして深酒するより告白しちまえと思うんですよね。

主人公が同じことを考えているならまだ理解できる
主人公のほうが学内カーストもかなり下だし、お金もない。お金持ちであるヒロインを喜ばせるような贈り物として何を贈れば良いのかもわからないし、学校で自分といたらヒロインの格が下がってしまうかもしれないという想像もする可能性がある。
そういう主人公が「自分が告白したらヒロインに迷惑になるのでは」「自分が告白して、先輩が良い人だからお付き合いすることになった場合、先輩の格が下がってしまうのでは」といった理由で告白を躊躇ったり断念するのは全然わかる。
でもヒロイン側にはそういう問題ないじゃないですか。ただ自分が傷つきたくないという逃げであり、その逃げに対する叱責もなければ反省も無い。
他の女キャラとキスしているのを目撃したときに「せめて早く告白しておけばなにか違っていたかも」という思考があれば違ったけれど、そういうのすら無い。

この気のあるような思わせぶりのことをするお姉さんムーブ自体、最近読んだ恋する少女にささやく愛はみそひともじほどあれば良いの詩織さんと行動が近く、でもってわたしが詩織さんも「なんだこの女……」という認識してしまったことから来てるんだろうなあ。

恋する少女にささやく愛は、みそひともじだけあればいい2 (GA文庫)畑野ライ麦

面白かったなー! 今回は都々逸が出てきたが、都々逸が短歌と同じ文字数なのも知らな…
houchi.work

リアリティラインが想像と違っていたのもあるかも

終盤、主人公がヒロインをかばってトラックにはねられるシーンがある。一応意識がブラックアウトする程度にはダメージを受けているはずが、何故か主人公は翌日のヒロインの誕生日会に現れ、ヒロインと無理矢理関係を持とうとするあまりよろしくない男二人を気絶させる程度には元気。
元気すぎる……というか、それはトラックで轢かれた人間の行動ではないんだよなあ……。主人公は身体が頑丈という描写は事前に出ていたものの、それでも流石にこれはギャグすぎた。
そのまま異世界転生するレベルだぞ、トラックに轢かれるの。そんなんしたら一瞬にして物語のジャンルが変わってしまうが。もしそんなん起きたら1巻の内容がこれなのに2巻はどうなっちゃうの!?となるタイプだな。

でもギャグといえば、前半でヒロインの家がものすごいお金持ちで、主人公の家に行くにしたって毎回車を出してもらい、なんなら自家用飛行機で沖縄に行くシーンがある。
その時点でリアリティラインがかなりギャグ寄りだったのかもしれない。
これ、ギャグ漫画のお金持ち描写だよね。ラノベのギャグお金持ち描写とも言えるけれども。

サブキャラとして出てきた、男女問わずに食っちまう、趣味が男漁りと女漁りの先輩も割とかなりギャグ枠ではあるよね。
でもこういう枠で男キャラってあんまりないよな。生々しいからなのか、一般向けラノベは百合なら許されるがBLは許されない理論なのか。
主人公ないしは男キャラに対して恋愛感情を抱いている男キャラって、ラノベじゃBLレーベルじゃない限りあまり出てこないじゃないですか。女キャラないしはヒロインに恋愛感情を抱いている(ときとして主人公がやれない分のセクハラ要員となる)女キャラはそれなりに見るのに。古くは禁書の黒子とか。
一般レーベルで男に恋愛感情を抱くキャラがあまり出てこないのって、BLはレーベルが存在するのに百合はレーベルが存在しない問題と近しいところにあると思うんだよな。それだけ百合は一般レーベルに混ざり込んでいるけれども、BLは一般レーベルではなく隔離されている。
以前なにかでラノベで百合は特定のレーベルがない! って話題に挙げられていたけれども、あれは正しくはBLは特定のレーベルに隔離されているって話だと思うよ。

言い訳をなくしていくのがうまい

最終的に最後の最後まで生クリームがついているから舐めてだとか様々な理由を必要としていた彼女に、「そういうものを理由にせずにやりたい」と主人公が告げるのが良かった。
いちおう設定としては酔っているときしか素直になれない!というヒロインらしいけど、別に酔ってても思わせぶり行為をしているだけで素直とは若干違うのでは?とすごく思ったのもある。

物語自体に乗り切れなかったのと、ヒロインが好みじゃなかったのですごいボロクソ書いてしまったけれども、話としては王道だし何も下手に考えたりのめりこんだりせずにゆるゆるした気分でラブコメ楽しむには良かった。
それはそうとして察され待ちヒロイン自体は読んでてイライラした。お前が言え。

大学で一番かわいい先輩を助けたら呑み友達になった話 (ファンタジア文庫)枩 葉松

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