
あらすじ
お嫁さんJKの変態なアレコレ――それは究極の愛情表現でした。
高校生ながら、とある事情で幼馴染の涼香と結婚することになった俺。けど同居した途端、涼香は俺に夢中だったと発覚! 「うへへ、これが男子臭ってやつ?」ちょっぴり変態なお嫁さんとの、超・愛され生活が始まる!
ふわっと恋する二人の物語
仲良しの幼馴染・涼香とノリで買った宝くじで10億円が当選。しかし涼香はそれを一人で受け取ってしまったために、事前の約束通り半分を山分けするには贈与税がかかる。その対策として、二人が贈与税がかからないように結婚することから始まる物語。
結婚をきっかけに二人が互いを異性として意識し、考えてみれば他の誰かと結婚は無理だけどこいつならOKなんだしこいつのこと好きじゃね? と思えたことから「もしかして以前から好きだったんじゃない?」と気付くのだけれども、うーん……その恋愛感情への発展というか認識の切り替わりがかなりぬるっとしていたので、恋愛かどうかというあたりが首を傾げてしまった。
わたしが恋の気づきが好きなタイプなのでそこらへんが合わなかった理由かも。
二人の間の恋愛感情は、もともと幼馴染として距離が近かったという部分から始まるもの。同じように幼馴染である涼香の妹は恋愛対象ではないことから、同じ幼馴染でも涼香だから好きなのだとわかるというのは、わかるようでわからない……。読みながら、二人の間に好意があるのはわかるし、ぬるっと発生した恋愛感情をぬるっと受け入れているのもわかるんだけど、なんでそんなふうに突如発生した感情に納得できているのかわからなかった。
結局二人で「何もかもすっ飛ばして結婚してしまったが、すっ飛ばした過程をこれから築き上げていこう」というところに落ち着くが、でももはやそういう空気じゃないんだよなあ。
距離感近い幼馴染と、今まで無自覚イチャイチャしてたのを意識してのイチャイチャに帰る物語ではあった。
ちなみにタイトルにある「変態かもしれない」という描写はそこまで無いのでタイトル詐欺の色合いが強い。軽く筋肉フェチなくらい。
即落ちというのも違っていて、もともと幼馴染としての距離感があったうえで恋愛感情が気付いたら感情に入り込んでいたという雰囲気で……うまくいえないけれども全体的にタイトル詐欺感が強いなあ。
あらすじを読むとまるで涼香は以前から主人公への恋心を自覚していて夢中だったかのようだけれども、そこまで強い夢中っていう風味もなく、なんというか……全体的に詐欺!
10億を手に入れたことでの弊害
10億を手に入れたことでなにかへの強い執着を失う二人。
主人公は今まではサッカーが楽しかったけれども部活仲間との関係の悪化でサッカーへの情熱を失い、「なにかあっても10億あるし」というのもありつつ部活をやめ、一応大学勉強へのシフトさせる。
仲間に拒否されてもサッカーを続けるという強い意思があるわけではなくサッカーを辞めてしまう、しかし次の強い目標があるというわけでもない主人公が不安すぎる。
人生の目標的なものが無い。失うものがあった代わりに得るものというのは特に無い。いやこの話、この先どこに向かうんだ? ただ幼馴染とのイチャイチャだけでこの先も続ける気なのか?
また、金銭的に余裕があるからこそ様々なことをやってみよう! と気軽に手を出す若者二人が、読んでいて危なっかしいし大丈夫かこいつらと何度も思ってしまう……。
10億は大金とは言えど、速攻で6LDKSの家を購入し友達と遊ぶときは予算気にせず使いとざぶざぶ使っていると、浪費癖だけがついてしまって金が尽きたときに苦労しそう。しかも親たちも現状の浪費を良しとしているの怖すぎる。
ついでに突っ込むなら、高校3年生で宝くじのそんな細かいルールとか知ってるもんか? とも思ってしまった。このあたりは同居ルートに進めるために何故か知ってる知識ではあるんだろうけれども、異世界転生したら確定で石鹸とマヨネーズの作り方しってた一時期の話ぐらい違和感があったかも。
