ワーウルフになった俺は意思疎通ができないと思われている 1 (HJ文庫) 比嘉智康

★★★☆☆

あらすじ

ある日、目覚めたら異世界でワーウルフに転生していた竜之介。
しかもワーウルフは人間はおろか他の魔物とも意思疎通ができない種族だった! 
超ハードモードな状況に戸惑う竜之介だが――

「……わたしと一緒に、テイムロイヤル、出てほしい」

テイマーを目指す美しいお嬢様・エフデを救ったことで、彼女のパートナーとして生活することに!
しかしこのお嬢様、名家出身のはずが貧乏でバイト三昧と、何やら訳ありのご様子……!? 

言葉はなくても心でつながる異世界ワーウルフ転生譚、開幕!

このポストは約 4 分で読めます。

こんな人におすすめ
  • テンポの良い地の文が読みたい人
  • 頑張る女の子が見たい人

ある日突然言葉が通じなくなった

主人公は、ある日突然知らない世界でワーウルフとなっていた。しかも自分の言葉は他の種族にも人間にも通じない。
この世界ではワーウルフは低能種族と思われ、人間の言葉は伝わらないと思われている。そのため誰も主人公を人間として扱うことはない。
そんな状況で主人公を拾いパートナーとしてくれた少女。
主人公は人の言葉をわかる・若干魔法が使えるのを利用して、少しずつ彼女のためになるように動いていく――というお話。

地の文がテンポよくて面白くてね!
主人公の言葉が誰にも通じないので彼の地の文は完全に投げっぱなしなんだけど、それがまた面白い。伝わらないとわかりつつ話している主人公もちょっと面白い。そして言葉のセンスと使い方が面白い。

それ以外も物語自体のテンポが面白い。
主人公を拾ってくれたヒロインは、このままだとお金がなくて好きでもない男と結婚させられてしまう。その男がまあまた極度の変態で、ハプニングバー的な場所でヒロインの名前を呼びながら女の脚をペロペロしている。やばい。それを見て絶対に金を稼ぐと決意するヒロイン。わかるよ。こんなやつと結婚したくない。

主人公が喋らない作品といえばこれを思い出す。

こっちも主人公が喋らないけれど、テンポが良くて面白かった。
とはいえ、小泉花音の場合はヒロインに主人公が何を言いたいか伝わっている。
対してワーウルフは全く伝わっておらず、主人公が「おっもしかして伝わってるんじゃ?」と勝手に思っている程度(おそらく実際は本当に何も伝わっていない)。
その状況でも主人公がドタバタしているのが面白かった。

言葉が通じないのが一番生きてたのは多分冒頭の闘技場のシーン。
闘技場ではモンスターを倒す見世物をしている。そこへ連れてこられた主人公と、倒す役の人間。
倒す役の人間がこれから何をするかを解説役がいちいちマイクで説明してくれるので、人間の言葉がわかる主人公はひょいひょい全て避けてしまう、という流れ。

人間がワーウルフに言葉なんて通じないと思ってるのと、それを逆手に取った主人公の動きがめちゃくちゃに面白かった。

言葉が通じない相手に何を言っても良いわけじゃないんだよ

というのが、パリピとむかりんの流れで描かれていてすげー面白かった。
この部分って要するに主人公の現在との対比でもあるんだよね。

誰にも言葉が伝えられず、でも周囲の言葉は聞こえていたパリピ。
誰にも言葉が伝えられず、でも周囲の言葉を理解している主人公。

これが今後どう生きてくるのかな。

言葉を通じない生き物を大切に思うのってどこまで許されるのかな

ところで、物語の流れというか雰囲気として、最終的には主人公はヒロインとくっつくのかなーとなんとなく思ったんだけど、でもそれってどうなんだろう。

この世界の他の人々から見たら、主人公はワーウルフ。言葉の通じない生き物だ。
頭の良い個体はいくらか言葉が通じるかもしれないと思われているかもしれないが、だとしても現代日本における犬猫程度だろう。
もし主人公の言葉がある程度ヒロインに身振り手振りででも通じてしまい心が通じて恋愛関係に陥った場合、ヒロインは他人から、現代で言うなら犬猫と恋している人みたいに見られるわけだ。
いくら外見は獣人の形をしているとはいえ、犬猫を恋人のように扱う人として見られるわけだ。

最終的に主人公が人間の姿をとれればいいんだけど、そうでなければヒロインに向けられる視線結構きついだろうな。

でも、サキュバスとワーウルフだったらOKって思われてるからそれも違うのかな。
だめだ、世界の範疇がわからない。

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