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自作3Dモデルを売るためにサキュバスメイドVtuberになってみた (ファミ通文庫) 下垣

自作3Dモデルを売るためにサキュバスメイドVtuberになってみた (ファミ通文庫)      下垣

自作3Dモデルを売るためにサキュバスメイドVtuberになってみた (ファミ通文庫) 下垣

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あらすじ

俺の応援はしなくていいから、俺の娘(モデル)を買ってくれ!

高校生の賀藤琥珀は悩んでいた。自作した美少女3Dモデルのダウンロード数が全く伸びないのだ。どうすればコネも実績もない自分3Dモデルの存在を知ってもらえるのか……。そんな風に頭を抱えていた琥珀はある日、CG制作の師匠から「その素材使ってVTuberになれば?」とアドバイスを受ける。さらには配信用の機材まで揃ってしまい、気づけば琥珀はバーチャルサキュバスメイドのショコラとしてデビューしていた! しかし3Dモデルはほとんど売れないまま、なぜかショコラだけがあっという間に人気になってしまって――!?

モデルが売りたいのにVとして売れるのは不本意なんだよなあ……!!

タイトル通りの理由でVTuberになってみたところ、売りたい自作3DモデルよりもVTuberのほうが収入増えそうで慌てたり頑張ったりするお話。
ご都合的に兄貴からカメラとマイクをもらったから始めた宣伝のためのVTuber。本来は3DCGを作るのが好きだからこそのおまけとしてのVTuberなのに、ポンコツメイドっぷりが面白くて炎上(文字通りお屋敷を燃やす映像など)でバズリ、VTuberとして人気になっていくさまに笑ってしまった。本当は3DCGを売りたいのを考えるとあまりに不本意すぎる。

VTuberとしての人気はあまりのトントン拍子っぷりでご都合が感じられるとはいえ、主人公の目的である自作3Dモデルはなかなか売れず、VTuberとしての登録者数やSNSの登録者数がいくら増えても最も売れてほしいものがまるで売れない……と落ち込んでいる様は応援したくなった。
月の終わりにVTuberとしての売上と3DCGの売上を見比べて「今月は3DCGのが買った……!」とやってるところの複雑さっぷりよ。これは応援したくなる。目的と手段がいつ逆転してもおかしくない状況なのに頑張って3DCG販売の宣伝を続けているのが涙を誘う。頑張れ……!!

出てくる人間みんなどっかでお知り合い

ワールドワイドなVTuberというコンテンツを使用している割に、世界がものすごくちっちゃくまとまってんなーとは感じるところが多かったかも。最初にフリゲを作ってくれた人は兄貴だし、師匠は姉と同じバンドのギター。目についたコメントは同級生のもの。
でもそれってオンラインとオフラインの両方で物語を広げるためには仕方ない……とはいえ、インターネットのお話ですよねえ!? と思わないことはなかったかも。
特撮物のロケ地が全部ご近所で世界を揺らがす戦いが半径30キロ圏内で発生している並の世界の狭さなんだよな。このままだと知り合うVTuber全員友達の友達かクラスメイトの兄妹ぐらいありかねないぐらい世界が狭い。そのほうが「オンではあんな人がオフだとこんななの!?」ができるから良いのはわかるんだけど、でもこれローカルネットワークじゃなくてワールドワイドウェブのお話ですよねえ……?

物語としては山も落ちもなく、VTuber兼3DCGモデラーの売れねえゆるコメディという雰囲気で、毎日や2,3日に1回短編として読むのは面白いんだけど、文庫本1冊とうい単位ではあまりに新鮮な虚無だった。

自作3Dモデルを売るためにサキュバスメイドVtuberになってみた (ファミ通文庫)      下垣

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