「週末同じテント、先輩が近すぎて今夜も寝れない。 (GA文庫)蒼機純」知的好奇心旺盛系インドア男子、興味を持ったことは調べずにはいられない

★★★☆☆,GA文庫ラブコメ,先輩後輩,学園,恋愛,現代

週末同じテント、先輩が近すぎて今夜も寝れない。 (GA文庫)蒼機純

週末同じテント、先輩が近すぎて今夜も寝れない。 (GA文庫)蒼機純

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あらすじ

「あなた、それはキャンプに対する冒涜よ?」
自他共に認めるインドア派の俺・黒山香月は渋々来ていた恒例の家族キャンプでとある女子に絡まれる。
四海道文香。学校一美人だけど、近寄りがたいことで有名な先輩。
――楽しむ努力をしてないのにつまらないと決めつけるのは勿体ない。
そう先輩に強引に誘われ、急きょ週末二人でキャンプをすることに!?
一緒にテントを設営したり、ご飯を作ったり。自然と近づく先輩との距離。そして、学校では見せない素顔を俺にだけ見せてきて――。
週末同じテントの下で先輩と始まる半同棲生活、小樽で過ごす第一夜。

面白かった! インドアだけれども興味の持ったことは知りたくなるタイプの主人公・黒山が、わかるわかるそういうやついるよねと思えて好感度高かった。
「キャンプは面白い」と言われて興味を持った黒山が、インドアなのに徐々にキャンプにのめり込んでいく様が「わかる~!」となって面白かった。先輩との恋愛面も可愛いし、けれども先輩への恋でキャンプにハマっているわけではなくそこへの魅力はまた別で、その加減が読んでいてすごく面白かった。

インドア男子がキャンプにハマるまで

行きたくも無い家族キャンプに連れて行かれてふてくされていたら、美人に「山を楽しめ!」と声をかけられる。しかも、後からそれが自分の学校で有名な美人の先輩だと知る。彼女は実はキャンプ大好きで、彼女に連れられて主人公は半ば強制的にキャンプに行き、その楽しさを知らされることになる!という物語。

興味を持ったものは知りたい、誰かが興味を持ったものを知る手助けをしたいという黒山が、徐々にキャンプに興味を持っていき知識をつけようとしていく流れがめちゃ良かった。
キャンプ自体は好きではないし、今までだって興味も持てない。でも先輩からキャンプに連れて行かれる前に事前に動画や書籍で勉強したりしてしまう。知的好奇心の旺盛さや、気になったら調べたいというのがすごくこういう人いるよねー!って感じで微笑ましかった。でもキャンプに興味持ったとは素直に言えない思春期男子っぷりよ。好き。

そんな黒山が、先輩にキャンプに連れて行かれるうちに「もしかしてキャンプって面白いんじゃ」と思って徐々に勉強を深めていったりするの良いよな。最初のキャンプでは動画を見るだけできっとできると思っていた杭を打つ作業に手間取ったために、最後は動画を見た上で家で練習してから来るだとか。そういう成長描写に弱いし、先輩だってそんなん見たらぎゅんと来てしまうだろう。

美人の(同級生、先輩など任意の関係性が入る)によって興味のなかった(キャンプ、オタク趣味など任意の趣味が入る)に連れて行かれて徐々に興味を持つという物語は王道なんだけど、主人公のち的好奇心の旺盛さがあるから無理矢理感が少なかったし黒山の成長も著しかったし、読んでて黒山の成長物語として面白かった。

キャンプを通じての先輩との関係性の発展

美人の先輩、自分にだけ教えられた趣味、何も起きないはずがなく。
というのは冗談にしても、先輩とキャンプ場で二人っきり(というのは周囲にもキャンパーはいるけれども)過ごすことで、キャンプへの興味が募るのと同じく先輩自体も知っていって徐々に好意になっていくのも良かった。
決して面倒見が良いとは言えない、一人でいることが楽しいという二人が出会って、二人でいるのも悪くないじゃん?と思う展開に人間は弱い。クソでか主語失礼。

とはいっても、黒山がキャンプについての知識を深めたいと思うのが先輩が好きだからではなく、純粋にキャンプについて知りたいと思ったからなんだろうなっていうのがすげえ良いよね。
別に下心ありが悪いってわけじゃないけど、下心なしでそれはそれで興味を持って調べ出したからこそ先輩も黒山を徐々に気になりだしたんだろうなって思うし。

ただ、最後の同じテントで寝るシーンは、ラブコメ的にでっかいのはわかるんだけど唐突さを感じたかも。先輩そういうこと意図的にする人だったんか。

週末同じテント、先輩が近すぎて今夜も寝れない。 (GA文庫)蒼機純

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