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私の上に浮かぶ『悪役令嬢(破滅する)』って何でしょうか? (ビーズログ文庫) ひとまる

私の上に浮かぶ『悪役令嬢(破滅する)』って何でしょうか? (ビーズログ文庫)      ひとまる

私の上に浮かぶ『悪役令嬢(破滅する)』って何でしょうか? (ビーズログ文庫) ひとまる

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あらすじ

なぜか人の頭の上に文字が見える伯爵令嬢ルイーゼは、
自分に浮かぶ『悪役令嬢(破滅する)』を変えるべく、善行令嬢を目指し中!
ところがシルヴィールに詰め寄られ、
正直に彼の文字『攻略対象 第二王子(ちょろい)』を伝えたところ、興味を持たれ婚約することに。
さらには「君を安心させるために文字を変えてみせる」と約束を持ちかけられて……!?

タイトル通り、頭の上に乙女ゲームの配役が浮かぶようになってしまったヒロインが、『第二王子(ちょろい)』と書いてあることを告げたら相手から突然ド執着をキメられ微妙にラブコメしつつ、乙女ゲームが本格的に始まったタイミングで現れたヒドインからのあれこれをド天然とラッキーで回避しまくるお話。
主人公が能動的に頭を使ったりというのがほぼ無く、モノローグ的に軽く流される(そして半ば趣味になっている)戦闘訓練でだいたい回避、そうじゃないものも本人のド天然な性格で回避してしまうので、アンジャッシュコメディとして読めば面白かったのかもしれないがわたしの好みではなかった。
というかこれ、ヒドイン視点で描かれたら絶対にめちゃくちゃ好みだった

ヒドインめっちゃ努力してんじゃん

物語の内容は上記の通りで、主人公のポジションは悪役令嬢。本来は物語ヒロインが登場した場合に恋敵となるポジションを担っている。しかし事前に頭の上の『悪役令嬢(破滅する)』の文字が見えていたために、どうにか破滅回避したいのであれこれ頑張ってみる方向に。その途中、執着王子とかいうテンプレをキャラクターにしたらこうなるんだろうなと思うぐらいドテンプレな王子に熱愛執着されたりしつつ物語は進んでいく。
学園に入学してからも、同じく悪役令嬢ポジの子に声をかけて自分と同じように筋トレに参加させたりしつつ、目指せ悪役令嬢ならぬ善行令嬢と頑張る。

この主人公、まあめっちゃ良い子なんだよね。良い子すぎて面白みのないタイプの良い子。これが良いことだからしているの! ぐらいの思考しかなく、多面性がなく、思考がとにかく浅い。良い子というかアホの子というか……。
そして恋愛ヒーローたる王子も、出会ってそうそうの彼女に速攻で執着し、彼女が筋トレなどを習っている相手が年上男性騎士だと知るやいなや速攻で自分のところの女性騎士を彼女付きにするようなド執着型。テンプレで浅くて面白くなかった。次の行動が読めるんだよ。主人公に惚れる理由も、頭の上の文字に違わずちょろい。正規の物語だったら早々に落ちすぎて回避しようとしてもぶつかってくる魚雷みたいなやつだっただろうな。

途中で出てきたヒドインは、物語のテンプレよろしくおそらくはもともとの乙女ゲーの攻略ルートにあったように王子やその他キャラの攻略に挑む。けれどもだいたいのキャラは主人公が絆していたり何らかの言葉を偶然かけて主人公にくみしていたりで全く落ちない。唯一落ちそうな人は変態。
一応やってること事態は、主人公視点で言えば確かにヒドイン。逆ハールートを狙ったり既に婚約者持ちのヒーローを狙ったりとしまくっている。けれども終盤にヒドインの行動理由がわかると同情せざるを得ないというか、お疲れ様です……としか出てこなくなってしまう。

この乙女ゲー、もし誰も攻略できないままの場合、ヒロインと悪役令嬢が一緒にさらわれろくでもねえ目に遭うバッドエンドが用意されている。なんでそんな百合的な想像しか出来ないろくでもねえルートなんだよというのは置いといて(なろう製乙女ゲーならまあマシなほうだし)、確かにそんなエンドは回避したくてヒドインが頑張るのもわかるし、ヒドインが主人公に「あんたも転生者ならわかるでしょ!?」と確認した上で協力要請してきたのもわかる。
今まで多数の男を落とそうとしたり、かろうじてどっかのルートに滑り込もうとしていたのも、全部が自分がバッドエンドルートに入って破滅しないためだったんだよね。もちろんいい感じに恋愛したいのもあるだろうけれども。

そもそも元のゲームだと悪役令嬢というのはゲーム上の障害のひとつでしかないわけで、そこに人権や感情を考えだしたら元のゲーム自体がめちゃくちゃじゃねーかという話にもなっちゃうしね……。
そこらへんは元のゲームの制作者がNTR設定つけるのが好きな変な人ということでお茶を濁すしかないにしても、ヒドインはずっと本来正しいことをし続けていたに過ぎないんだよ。にも関わらず、攻略対象の男はゲーム通りには自分を好きにならず、悪役令嬢はろくにイベントを起こしてくれない。このままでは自分が破滅するからと悪役令嬢と直談判してみるも、話が出来ているようだがどこか不安。そして向かうはバッドエンドルート。

いや~~、頑張って自分の破滅回避のために東奔西走しているヒドイン、めっちゃ好きだわ……。天然でほわほわとふぁいとー!している主人公よりよほど好き。狙ったルートに行けなさそうなら適時ルート変更試みるガッツと頭の回転もあるし。
徹底してわたしがこの話の主人公を好みじゃないというのが問題だとはいえ、それはそうとしてヒドイン視点の物語も見てみたくなった。

でも王子はまるで好みじゃないし影も薄いのでこの先出番無くてもいいです。

私の上に浮かぶ『悪役令嬢(破滅する)』って何でしょうか? (ビーズログ文庫)      ひとまる

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