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幼馴染、ときどき女子高生。リボンをするのは俺の前で。 (角川スニーカー文庫) 花宮 拓夜

幼馴染、ときどき女子高生。リボンをするのは俺の前で。 (角川スニーカー文庫)      花宮 拓夜

幼馴染、ときどき女子高生。リボンをするのは俺の前で。 (角川スニーカー文庫) 花宮 拓夜

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あらすじ

「――次にお互い大人になって会った時、結婚しよう」小さい頃かわした幼馴染・湯城優愛との記憶も薄れてきた高校二年生・都築空斗は、クラスの美少女・南方咲歩に想いを寄せるようになっていた。そんなある日、超絶イケメンが転校してきた。咲歩も学校中の女子も色めき立っていたが、そんな彼……いや、彼女の正体は、男子制服を身に纏った幼馴染優愛だった! 優愛は俺に気づくと、昔と変わらない女の子の表情を見せあの頃と同じように親しげに語りかけてきて――学校では王子様、二人きりだと可愛い幼馴染。二つの笑顔にドキドキが止まらない!?

転校生は昔結婚の約束をしていた幼馴染で、というベタ展開ながらも、でもその幼馴染が今は男装少女になっていた! という一捻りは面白かった。
ただ、主人公のムーブが若干些かかなり突っ込みたくなる問題点があるのと、主人公の好きな相手であるクラスメイトが強烈過ぎて、彼女が暴れ出す後半になると前半のヒロインの可愛さが頭からすっ飛んじゃうんだよなあ……。このクラスメイト、いる? と終盤かなりなってしまった。

男装少女の可愛いところを俺だけが知っている

女子トイレに入っていった転校生男子、怪しげなあいつの様子を確認していたら憧れのクラスメイトには「もしかして女子トイレに入り込もうとする変態では……!?」と疑われ、女子トイレから出てきた転校生男子には飛びつかれ押し倒されしかも実は昔結婚の約束をシていた幼馴染で!? というすっげえ盛りだくさんな展開から始まりつつ、前半はしっかりと幼馴染再会モノとしての王道を描いていってくれていて面白かった。

イケメンで人気者になってしまって近づけないヒロイン・優愛に、幼い頃にやっていた秘密結社ごっこで呼び出しかけて話しかけるの、そうそう幼馴染モノってこういう二人の間にしかわからないものがあるところが良いんだよ……とめちゃくちゃニヤニヤしてしまった。長年の友達からこそ存在する暗号とか大好き。
また、優愛が主人公に対して幼い頃に持っていた好意をまるで隠しもしないムーブしまくるのも可愛い。主人公も鈍感系じゃないのでその好意をしっかり受け取っているのも良いなー。ただこれには若干ストレス溜まる点もあり、そこは後述。
主人公の家にいくときは女子の服装をしたりして、自分は女の子であるとアピールする優愛が健気すぎてたまらない。主人公のことを大好きなのを欠片も隠してない。そうやって、他人の前ではイケメンだけど自分の前では可愛い女の子でいてくれる子、ときめくだろ。

ただ、優愛の男装の理由は若干ツッコミどころがあるんだよなー……。
母親が毒親で優愛を自分の所有物のようにしていたので反抗のために男子っぽくする。わかる。
男子から告白され、主人公が好きだからと断ったものの、断るなんて! と他の女子からいじめられたために男装する。これがよくわからない。
優愛は男装はしているとはいえ、髪が短め(とはいっても短髪じゃなくて普通にそれなりに長さある)なのと男子制服を着ているというだけ。性別を隠してもいない。なので学校指定で男女同じジャージだったら男女どちらでも通用する。というか外見自体は中性的で可愛い。
なので全然普通に男子の告白対象に入るので、女子からのいじめ対策って方向には効果がないんじゃないですかね……。
男装なので女子人気も出たおかげで女子からの王子様扱いになっていじめはないって方向だけのための男装なのかな。だとしたら自分の外見を良いと認識してないのはおかしいし。
告白対策のための男装(ただし性別を誤魔化しているわけではない)、突っ込みどころがありすぎる。あとそれで男女別の制服で男子制服を選べるんすか。ゆるめの学校だな。

当て馬ポジションクラスメイトがキャラが濃すぎる

主人公は優愛と幼い頃結婚の約束をしていたのは覚えていたものの、現在気になるクラスメイトがいる。それは南方さん。胸も大きいし可愛い女子である。

っていうのは全然良いんだよ。幼い頃に約束してようとその相手と必ずくっつかなければならないわけじゃないし(約束してた相手と必ずくっつかなければならないのならば少女小説の主人公たちはマジで逃げ場がなさすぎる)、しばらく会ってない以上、身近なクラスメイトに心を寄せているのもわかる。
でも、再会した幼馴染がめっちゃ自分に気がある様子を見せ、男子からの告白を断った理由に「好きな人がいる」を出していてその相手がおそらく自分だろうと察する程度には自分が好まれているのを気付いている状況で、今自分は好きな人がいると伝えないのは些か不誠実じゃないかな。
更に、南方さんから二人で出かけようと誘われたときに、それを優愛に伝えて優愛から許可を出させることで実質免罪符も手に入れているのはやだな~~……となった。

自分に感情寄せてくれてる幼馴染とは仲良くしていたい。久々に会えた彼女との友情は壊したくない。だから現在自分に好きな人がいるのは薄々気付いてくれよと示すだけで明確には伝えないし、その子と遊びに行くのは良いよな! と遠回しに伝えてくるの、やだなー……。
優愛の扱いがキープだし、優愛が可哀想すぎる。はっきり片を付けてやってくれよ。
しかもそのあとの主人公の台詞もうーんお前それは言っちゃだめだろ……なのもあり、主人公の好感度がすごい勢いで下がった。おかげで幼馴染再会モノとしていい感じだなと読んでた気持ちもかなり失せた。

そして、薄々どころではなく察せられていたとはいえ、南方さんがまあキャラが強い強い。実際は優愛のファンであり、優愛に近づくために主人公を利用する気合の入った女であった。優愛から主人公への感情に薄々気付いているけれども同担拒否だからね! と宣戦布告するつえー女であった。キャラが濃いんだよ。
優愛が主人公に好きアピはするものの行動としてはそこまでがっつり出ないので、南方さんに最後全部食われた気すらする。


南方さんがノイズすぎるのでどうにかしてくれや! という気持ちはあるが、でも優愛の「昔は主人公に守ってもらったから今度は主人公を守りたい」というのがあるので南方さんがいたほうが良く……でも恋愛感情じゃなくていいだろ別のイベント起こしてくれや、南方さんの存在のせいで主人公が不誠実察してくんクソ野郎になっており……あと南方さんのキャラでいろんなものを食われており……と微妙な気持ちになった。

あとタイトルになってるリボン、どこに出てきた……?(記憶に薄すぎる)

幼馴染、ときどき女子高生。リボンをするのは俺の前で。 (角川スニーカー文庫)      花宮 拓夜

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