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「静おばあちゃんにおまかせ」安楽椅子探偵おばあちゃんのミステリー短編集

★★★★☆

テミスの剣に登場した高円寺静裁判長が安楽椅子探偵をしている物語。 https://houchi.work/wordpress/4396/ この作者さんおなじみのスターシステムで出てきた裁判長。読んでてお久しぶりです!お元気そうで何よりです!と昔なじみに出会った気分になった。 安楽椅子探偵おばあちゃん よくある探偵と助手、女子大生と刑事のバディ物と見せかけて、実際のところは解決してるのはおばあちゃ…

「ネメシスの使者」果たして死刑は必要なのかを問う(ように見せかける)のがうまい

★★★★☆

冤罪からの死刑の「テミスの剣」、死刑回避からの事件の「ネメシスの死者」 テミスの剣の渡瀬刑事を主人公格に置かれた物語。続き物かと言われると完全に別物語であるが、中山七里作品自体がスターシステムなので、岬刑事の息子の話が出てくる程度には渡瀬刑事の過去話も出てくる。 https://houchi.work/wordpress/4396/ テミスの剣が『死刑という判決は正しいのか?もし犯人が実は冤罪だ…

「テミスの剣」免罪符と贖罪のヒューマンドラマ

★★★★☆

前半と後半で取り扱う事件が変わる物語。前半は若くて青い刑事が相棒につられて昭和の圧力的な取り調べをしてしまい冤罪事件を起こしてしまうことから始まる物語。後半は、その冤罪事件の真犯人が無期懲役から仮釈放となった直後に殺害される物語。 ミステリーやトリック中心の話になるのかなと思いきや、どちらかと言えばヒューマンドラマの印象。前半の事件があったからこそ後半の真犯人が殺される事件で各容疑者たちの憎しみ…

弥栄の烏 八咫烏シリーズ6 阿部 智里

★★★★☆

5-6巻の対比 1-2巻が対比していたのと同じく、今度は5巻との対比の物語だ。 前巻は玉依姫である志帆側から見た物語であり、八咫烏たちはどうしているのかわからない。1巻が桜宮にいた姫たちの物語であり、若宮がどうしていたかわからないように。その八咫烏の視点を描いた話となる。ある意味、この5-6巻自体が1-2巻と対になる形。と考えれば第一部のきれいな終わりとも見える。 志帆側から見ていた際に、思わず…

玉依姫 八咫烏シリーズ 5 阿部 智里

★★★★☆

こんな人におすすめ 疑似親子萌えな人 舞台はファンタジーから現代(1995年)へ このブログ、異世界をファンタジー、こちらの世界をざっくりと現代、古めのものは歴史ものと表現しているので、25年前が舞台の場合現代と表記して良いのかどうなのかちょっと迷うな。しかもファンタジーのシリーズの1巻だけの場合特に。 物語の舞台は1995年、人間の世界。女子高生の志帆は、祖母の故郷である村を訪れる。祖母がなぜ…

空棺の烏 八咫烏シリーズ 4 阿部 智里

★★★★☆

こんな人におすすめ 学園モノが好きな人男子高校生の青春!みたいな乗りが読みたい人しっぺ返しを食らうスネイプ先生みたいなのが見たい人 学園編が始まったぞ!!!! まさかこのシリーズで学園モノが始まるとは思わなかった。いやマジで。 雪哉が入ったのは、若宮ら王族の護衛候補生を育てるための学園。しかし、そこでは派閥ごとの対立や権力争いが存在していた。同室の相手である茂丸や、同じく若宮派である明留らと少し…

黄金の烏 八咫烏シリーズ 3 (文春文庫) 阿部 智里

★★★★☆

現れた敵、猿 後宮では女達がバトり、王宮では男たちがバトる世界で、とうとう別の敵が現れた。その名も猿。猿と呼ばれるなにかではなく、マジモンの猿。八咫烏たちと同じく人の姿を取り烏たちのなかに紛れ込む猿たち。かろうじて見分ける方法はあるものの、それも確実とは言えない。そして、現れた場所は、雪哉の実家がある垂氷。調査のため現れた若宮とともに、果たして雪哉は猿を追い払い実家に平和をもたらせるのか――とい…

烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ 2 (文春文庫) 阿部 智里

★★★★☆

こんな人におすすめ 振り回される少年が好きな人権謀術数渦巻く権力争いを読みたい人前作「烏に単は似合わない」が面白かった人 振り回される少年・雪哉の成長物語 地方役人の次男坊であった雪哉は、ちょっとしたハプニングにより若宮の側仕えとなる。むちゃくちゃな量の仕事を押し付けてくる若宮になんだこれーーーー!?となりつつも、負けん気と地頭の良さでクリアしていく雪哉。若宮に気に入られた彼は、次第に若宮の周囲…

烏に単は似合わない 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫) 阿部 智里

★★★★☆

こんな人におすすめ 読み終えてから「嘘だろ!?」と言いたい人ファンタジーが読みたい人後宮の女同士バトルが読みたい人 壮大なるファンタジーの幕開け 後宮バトルというジャンルがある、と個人的に勝手に思ってる。後宮という狭い場所で、王の訪れを待ち、女同士でさりげないバトルを繰り広げる。外の世界で起きる戦争などとは方向性の違うバトルだが、それもまたバトルだ。 この物語は、東西南北それぞれの大貴族から遣わ…

キングレオの冒険 (文春文庫 ま 41-1) 円居 挽

★★★☆☆

探偵助手のペアが強いバディもの この物語では、キングレオこと獅子丸ら探偵は探偵事務所のようなものに属している。現実の探偵事務所と違い、物語の探偵たちが行うようなことをする探偵事務所(この説明まどろっこしいな)。そして彼等の事件解決の補佐をするのが助手であり、大河は助手兼キングレオの解決した事件を広報用に若干変えつつ物語として脚本化したりなどしている。 ところで、もはや扱いとしては古典であるホーム…

科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました (文春文庫)」

★★★★★

タイトルに反してドス重い、vsエセ科学長編 あらすじ軽めになってるけど全然軽くねえぞ! むしろクソドス重だぞ!!!!よくあるエセ科学を片っ端からぶった切るぜ連作短編とかじゃないぞ! パワーストーン、エセ科学、母乳育児、論文捏造、科学者の金策など数多の地獄みたいなものを片っ端から並べ立てて組み立ててる地獄みたいな本だぞ! 終盤での譲への貯金通帳まるごと渡すシーン、最初は男男の超巨大感情!となってし…