「出口ゼロ」(瀬田ハルヒ)の紹介(後半ちょこっと15巻含むネタバレ感想)

「出口ゼロ」(瀬田ハルヒ)の紹介(後半ちょこっと15巻含むネタバレ感想)★★★★★

あらすじ

赤羽夕日は女優を夢見る15歳。芸能界の大物を多数輩出する超エリート俳優養成所、D・Aアカデミーに念願の入校を決めて、希望に満ちあふれているはずだった。
…しかしそこは、想像を絶する恐怖の場所だった。最高講師のレディ・クイーンは恐ろしい殺人鬼で、課題に失敗したらひとり残さず殺される…!? しかし、出口はゼロ。夕日たち入学生の運命は!?

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すっごい久しぶりに漫画一気読みした……。
もうめちゃくちゃに面白い。続きが気になってたまらない。そんなの本当に久しぶりだった。
二時間半、ノンストップで読み続けていた。本当に面白かった。

検索してみたら、なかよしで『続きが気になる漫画No.1』にもなってたらしく。
わかる。というかこれを毎回1ヶ月待たされていた読者が大変すぎる。だってコレ、デスノや無能なナナと系統の近いタイプの漫画だよ。一気読みしてうわーーーーと頭を抱えるのが正解なタイプの漫画だよ。

憧れの先輩を追いかけて演劇学校にたどり着いたら、そこはデスゲーム会場でした。

どういうこっちゃ。

あんまりにもどういうこっちゃなんだけれども、そういう世界。
演劇学校に入って最初の課題として始まった即興劇では、その役柄を外れた行動をした人間は退学となり、思考・人格を消去して洗脳してしまうのだという。
なんとか無事学校を出ようとする主人公と、阻止する教師のレディ・クイーン。そしてデスゲームに染まった学校の人たち。果たして主人公は脱出できるのかという物語。

この若干無理があるんじゃないの!?という話の流れが、漫画だとすごくスムーズに描かれている。
詳しくは現在無料公開中のpixivコミックスを読んで欲しい。マジですごいから。レディ・クイーンのヤバさがすごいから。

ざっくりと表現するなら、人狼ゲーム(誰が理事長の差し金か?混ざっている裏切り者は誰だ?)×脱出ゲーム(この学校から脱出しよう)×デスゲーム(退学になったら人格漂白される)。むちゃくちゃで盛りだくさんにも程があるけれども、めちゃくちゃに面白かった。

魅力ポイント

クリアしてもクリアしても新たに増えるデスゲーム

物語では『課題』という名目の即興劇が課せられ、指定された役柄に合わせた即興劇を行っていく。

例えば有名な『スタンフォード監獄実験』に演技要素をプラスし、決まったお題を毎日会話に含めながら囚人役と看守役を演じるというもの。
当然スタンフォード実験にあったような『看守役が次第に気が大きくなりいじめもどきに発展する』といった状況が発生しかける中で、うまく自己を操り、お題のセリフを演技に含めていかなければならない。

例えば探偵ゲーム。
発生した殺人事件、その犯人は誰か。それぞれが『探偵』『相棒』『殺された館の兄妹』など役柄を割り振られた上で、即興劇を行いながら学園側が想定した犯人を推理していく。

次々と新たなルールの新たなゲームが発生し、失敗したら精神崩壊ルートの状態で、主人公は一体どうやってクリアしていくのかとハラハラし続けることになる。
マジで気が休まる暇がねえ

組み合わさる大きな物語と小さな物語

この課題が小さな物語で、学園を無事出られるか!?というのが出口ゼロにおいての大きな物語。

主人公である夕日としては、ここで友情を育んだ仲間であるゆみかや怜士らと共に全員脱出をしたいが、その方法はあるのか。
他人を精神崩壊させてもなんとも思わない恐ろしい教師であるレディ・クイーンの目をすり抜けて無事彼等は脱出できるのか。
そもそもこの学園は何なのか。理事長とは誰なのか。
また、序盤は主人公憧れの先輩である咲良は一体どうなったのかという部分も絡んでくる。

こういった物語が組み合わさって、課題が終わったと思ったらメインの問題が発生し、更には伏線がいくつも絡み合って物語をやばい状態にしていく。まさかレディ・クイーンの乳袋すら伏線だったとはな……(本気です)。
まじで気が休まる暇がねえ

主人公が格好いい

読者的には、この状況で頼りになるポジションな主人公・夕日がとにかく格好いいのが読んでいて楽しい!!

綺麗事でしかない「全員で脱出する」を掲げ、足手まといになりかけた友人・ゆみかも見捨てず、演技に溺れず自己を保ったままで必死であがいていく。
それでも何度も折れかけて立ち止まり、けれども全員一緒に脱出しようとする熱血キャラ。
メンタル面がもうとにかくイケメンで格好いい。

メンタル面もイケメンだが外見もイケメン。
髪がロングのフェミニンめに見えるけれども、1ページまるまる使って描かれた蹴り入れてるシーンはやばいぐらいイケメンでした。ハイ。
行動がもうめちゃくちゃイケメン。お前がヒーローだ。ヒロインはゆみかです。

綺麗事はだいたいどこかで歪が発生するもので、当然夕日もその歪と出会うこととなる。
人生ゲームの課題では、生徒たちが3チームに分かれて争うこととなる。順位ごとに与えられる評価が代わり、最下位は退学(洗脳の上で放出)。それだけは避けたいと争う生徒たち、どうにかならないかと考える夕日。
他のチームの生徒がペナルティで動けない状況となった時に、夕日は自分がペナルティを受けてでも彼女をどうにか救えないかと動く。
そんな彼女に対して、他のキャラが「今は私達があなたの仲間」と告げる。夕日が下手にうごくと迷惑を被る人たちがいる。仲間を犠牲にするのが仲間なのか、と。

主人公の甘い場所へはチクリと釘を刺しつつ、最終的に主人公が願った未来へもたどり着く。
もうめちゃくちゃに面白かった。

顔芸

だめ つよい まける

キスシーンでうおおおおおと思った4p後にものすごい顔を映さないで テンションをどこに持っていけばいいのかわからなくなる

掲載誌に驚いた

掲載誌はなかよし。……なかよし? なかよし!?
あのりなちゃのなかよし!? 漫画界全然くわしくなくて、なかよしといえばCCさくら、わんころべえ、東京ミュウミュウ、地獄少女、あの小野不由美のゴーストハント、セイント・テール、セーラームーン、レイアースのなかよし!?
……この時点で随分とキャラが濃いな。あと年がバレる。
とにかく、なかよしにはなんとなく変身魔法少女モノの印象が強かった。

それがまさかのデスゲーム。びっくりしたというかなんというか……。デスゲームって……。
だからデスゲームとはいえマジ死はしないで精神崩壊人格漂白だけだったのか。いやそれもそれで随分濃ゆいしひでえわ。やべえよ。別に少女向けにされてねえよそこは。

少女漫画雑誌で恋愛要素があれだけなのもちょっと驚いた。個人的にはヒーロー・夕日でヒロイン・ゆみかだったよね。実際のところは怜士もかなりヒロインしていた気がするけれど。
作中で恋愛要素が強かったの静たちだしな。理事長とレディの巨大感情は最高にツボでした。ハイ。

絵柄を見たらたしかに少女向けだったけれど、Web連載からの単行本モノと言われたら納得できた。
あえていうならスクエニ系とか? あそこ性別の感覚が薄いし。

冒頭で書いたけれど、コミックス読んだ感想は無能なナナやデスノートにかなり近い。

この系統の心理戦、デスゲーム、ハラハラ感が好きな人にはかなり刺さりそう。
あとは格好いい主人公が好きな人にも刺さりそう。

余談だけれど、このコミックスを貸してくれた弟に、デスゲーム物だけど冒頭は全然そんな雰囲気ないな、ほわほわ学園モノに見えるなと話していたら「最近はそういう導入多いでしょ」と言われたのだけれど、ごめんな私の世代だとデスゲームの冒頭は「今からあなたたちに殺し合いをしてもらいます!」なんだ……。個人サイトにはパロロワが溢れていた世代に生きていたんだ……。

作者さんについて

作者さんのサイト見てたら現在ジーンLINEで『最果てリセット』という作品を連載されているみたいで、こちらのページを見てみたら、

あっこれも面白そうだね!?!?この雰囲気で脱出ゲーム、絶対面白いじゃん!?
探して買って読もう。

って思ってたらイービーンズの本屋にサイン本入ってるーーーーー!?
ちょっと見てくるね……。

15巻について

出口ゼロは全14巻。
なのに、読んでいる最中に15巻があるやらないやらという話が聞こえたのでぐぐってみたら、

電子限定!!!!!

買いました。電子だと夜中でもすぐ買えて便利だね。

1本目は、夕日が人気女優として有名になった頃。とある有名脚本家がキャスト選考のためと呼び出したのは、あのアカデミーにいた面々。懐かしい面々との再開を喜ぶ夕日だったが、キャスト選考として行われたのはあまりに理不尽かつあのアカデミーを思い出させるような内容で……という物語
2本目は、夕日が入学する1年前の物語の咲良(アカデミーでの学園生活)と夕日(普通の学校での学園生活)をそれぞれの側面から描いたお話。

ハラハラデスゲームものが読みたい!というテンションだと1本目のほうが本編の雰囲気に近くてよかった。
脚本家が描いた脚本通り、朝になったら発見された水槽に沈められた脚本家の死体。犯人は誰だ。この館は密室状態で、出入りは出来ない状況。ならば犯人は自分たちの中の誰か。昨夜の脚本家の発言から、動機は全員にある。
この状況での犯人当てクイズ。

もうめっちゃ面白かったー!
誰が犯人でもおかしくないけど、物語的に誰かが人を殺したとは思えない……というところまでたどり着ければぶっちゃけわかっってしまうのだけれど、それはそうとして脚本家の正体がゆみか=愛子=理事長だったのは予想外だった……!
これだって考えてみれば流れ的にアカデミーのメイン生徒全員出すってわかるんだから当然なんだけど! だとしても! うわーーーーとテンションが上ってしまった。

2本目の夕日が入学する1年前の物語。
読み始めた最初はデスゲームじゃないからなあ……とちょっとテンションが下がってきたものの、ページが進むにつれてめちゃくちゃ面白く感じだした。
夕日があれだけ咲良を思って「咲良も頑張ってるかなあ」などと思いながら学園生活をしていた頃、咲良は夕日が思う方向とは完全に別方向のバトルをして頑張っていたという……。
コロコロと視点が変わり、夕日ターンと咲良ターンが切り替わるたびに、読んでるこちらの情緒がぐちゃぐちゃにされた。読み終える頃には『デスゲームじゃないけどこの話も最高』と思わされた。

読んで良かった。本当に面白かった。絶対読んだほうが良かった。最高だった。

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