「レンタルJK犬見さん。」4コマみたいにゆるーく読めるレンタルビデオ屋ラブコメディ

★★★☆☆,電撃文庫お仕事,先輩後輩,恋愛,片思い,現代

あらすじ

この後輩バイト、どこかが変だ……。レンタルビデオショップTSURUYAに集う変な奴らのお仕事(ラブ?)コメディ!!

レンタルビデオ店TSURUYAで働く柴崎涼介は…… 

「お仕事の相談なんですけど、わたしと付き合ってください!」

新人バイトの犬見美咲から告白される。日本一有名なJKである犬見さんは、成績優秀、運動神経抜群の完璧美少女。しかし致命的なほどの映画オンチだった! 

「柴崎さんが映画好きしか愛せないというなら、映画を好きになってみせます! だから、一人前の店員になれるように、わたしを調教してください!」

一途でカワイイ後輩からの(病的な)アプローチをかわしながら、柴崎は仕事を教えきることができるのか!? 
「もう付き合っちゃえよ」と言いたくなる。ステップアップお仕事(ラブ?)コメディ、始まります。この夏、4コマ漫画のような日常が紡がれる。

特に深く考えずゆるーく読める、レンタルDVD店の店員先輩後輩ラブコメ。
レンタルDVDってネット配信系に押されてかなり廃れてきたよね。私も本を買う以外の目的でツタヤに行ってねえなというかそもそもツタヤはカードすら持ってなかったな……?

超絶高スペック美少女から何故か好かれて好き好き言われて一方的に慕われまくるも、ヤバすぎて主人公はほぼスルー。それでもめげない頑張る後輩と、スルーし続ける主人公のラブコメ。
連作短編集なのかな。1話1話はあまり長くないんだけど、ひとつひとつがきちんとオチをつけていて、なおかつ1冊でもまとまっているので、尻の座りが悪いタイプのとは違って読んだ感があった。

主人公LOVE後輩がキャラが強いというか怖いというかつえーんだわ。
主人公が好きだからバイト先調べて自分も入りました! でも映画はトラウマがあって全然見れません! けど主人公は好きです! 仕事はちゃんとやります! そして主人公が好き!
そして主人公は映画が好きな人としか付き合わないと決めているため、後輩の熱烈ラブコールを拒否。テンポよく突っ込みいれつつ完全拒否。
このラブコメっぷりが面白い。コメディのほうが圧倒的に強いけど。

「柴崎さん。お仕事の相談なんですけど――わたしと付き合ってください」
  (中略)
「……からかってるのか?」
  (中略)
「本気ですよ? どこの世界に冗談で告白する人がいるんですか」
「どこの世界にバイトの出勤時に業務連絡みたいなノリで告白する女がいるんだよっ」
 思わず思いっきり突っ込んでしまった。
 というか、これのどこが仕事の相談なんだよ。
「あまり褒められた離しじゃないんですけど、わたし、このTSURUYAの面接を受けたのは柴崎さん目当てなんですよ」
「本気で褒められた離しじゃないな」
「そもそもTSURUYAって、使ったこともなかったですからねー。わたし、映画が苦手なんで。あはは」

この元気なノリのボケと突っ込みをひたすら繰り返す。ひたすらテンポよくこんな告白! お断り! 告白! お断り! お誘い! お断り! が繰り返されるので、読んでておもしろいしテンポが良い! 楽しい!
突然後半に重い話になることもなく、軽めのテンポの話が延々と続いていくので、日常系4コマを読んでるような気軽さがあった。あんまり重い話を読みたくないときに最高。

ついでにというか一応主人公的にはメインだろうけれども、レンタルビデオ店の裏側では一体どういう仕事をしているのか? も見られる。
そうそう、(ほとんど行ってないけど)ツタヤとかああいう店のレンタルランキングとか見ると今話題のが何かわかって面白いよね。ジャンルごとにまとめてあるコーナーで知ってるジャンルの知らん作品見つけるのって面白いよね、というのを思い出した。

もうレンタルビデオ店自体が映像配信サービスに押されてかなり減っている状況で読むの、たった数年前まではたくさん店舗あったし人も多かったよなあ……と謎の感慨があった。

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