「元カノとのじれったい偽装結婚」じれったい甘イチャ両片思い最高かな
あらすじ
「まったく、なんであんたと結婚しなきゃいけないんだか」
「そりゃこっちの台詞だ」
石動晴は家の事情により、一時期付き合っていた幼馴染み兼元カノの玉木理桜と政略結婚することになった。一つ屋根の下、形だけのドライな同居生活を送ろうとするが――実はこの二人、まだ未練タラタラで……。
「ダ、ダメよ……こんなそばにいたら、私、また晴のことを」
「バレるわけにはいかない。俺が理桜のことを引きずってるなんて」
必死に吹っ切ったフリをするがお互いに意識しまくり。偽りだったはずの新婚生活で、昔の恋がどんどん再燃していく。
元カップルが恋心を隠したまま偽装結婚!? じれったい二人が織りなす偽甘新婚ラブコメ!
面白かったーーーー!!! この作家さんの現代恋愛モノ好きだな。ラノベのプロといいじれ婚といい年カノといいきみ好きといい全部じれったいい甘酸っぱいし最高に良い。はー最高か。幼馴染と年上が欲しいときに最高か。
今回のは、タイトル通り高校時代に付き合っていたものの事情があって別れた男女が、双方の利益のためという名目で偽装結婚をすることに。とはいえ互いに両片思い同士での同居。相手の言動行動に振り回されたり、振り回すつもりもないのに振り回し底あり、相手の無自覚な行動に照れまくったりするお話。
ああもう、本当に可愛い。可愛い可愛いじれったい。
まだお互いに相手が好き好き大好き、でも素直に伝えられない。でも行動言動には溢れ出ている。けど相手には伝わっていない。
絶妙な甘酸っぱさがちょっとした話のいたるところから出てきまくってて読んでてもうじれったい。使用人さんじゃないけど早く結婚しろ、ああもう結婚してるんですか……。
相手に下着を見られるかも、下着はどっちが洗う問題などから始まって、好きな相手との同居ということでドキドキしてしまうのがもうね、読んでてね、最高。
とはいえ、じれったい偽装結婚とはいえ本人たちは早く本心から結婚したい系カップルだし、作中で他に出てきたキャラクターである使用人と兄嫁は二人の恋心を知っているっぽいし、これからどうなるんだろうなーという気はすごくする。
何が良いって、結構視点がくるくる変わるところ。
普通だったらうざいと思われがちな視点移動なんだけど、ラブコメなので、超余裕があるように見せかけているこのシーン! 実は全然余裕なんてないんです! みたいなのが出てきまくっててもーーーーにやにやする。全然余裕なんかない。最高。
相手が自分をどう思っているかわからないドキドキ状態の主人公、でも読者はどう思っているかよく知っている。そこで突っ込め! 押せ! 頑張れ! と読みながらにやにやするこの感覚。最高。最高だよ。超最高だよ。
特にヒロインが年上で余裕のあるお姉さんムーブかましているように主人公には見えているが、実際はあたふた慌てふためき全然余裕なんてなくあーもうどうしよう!? これでいいかなあ!? ってしているのが可愛い。可愛すぎるんじゃ。もっと見せてくれ。
互いに結婚するだけの理由があるからっていうのもいいよね。相手に打算と思わせられる。実際は未練たらたらでずっと一緒にいたいからの結婚でも、これは理由があっての結婚です! と対外的にも言い切れる。
ヒロインは実家の経営を立て直すため、主人公はやべえ兄嫁が迫ってくるのから逃げるため。これヒロイン側だけの設定だったらヒロインが主人公に負い目を持ってしまうことになるんだけど、主人公もガチめにやべえ理由なので、これはまあ……仕方ない……ってヒロインに思わせられるのが強い。
まあ、ふたりとも本当の理由は好きな人と結婚! なんだけど……。
この作家さんってだいたい強めの男友達が出てきて毎回私がテンションあげがちなんだけど、今作は男友達がおらんくて残念。
と思ってたらこの兄嫁がめちゃくちゃキャラが好みのタイプで一点突破食らった気分。好きなんだよ打算と策で動くこういうお姉さん! 弄び系ムーブかましてきて実際超手練な雰囲気で、でも主人公に愛なんて欠片もなく、でも落としてこようとするたちの悪い兄嫁! 最高じゃん! 最高か!?
彼女が出てくるなら今後も買い続けるなというレベルに好みのタイプ。
この作家さんの恋愛ものって、現代恋愛ものは好きになる過程がわかるしどこに惹かれたかもわかるとこがすごく好き。
本当にじれったくて最高に可愛かったーー! 続刊も楽しみ。