「准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき」身近な『怪異』探る、あやかし無し男性バディ物

★★★☆☆,角川文庫現代,男性バディ

あらすじ

「怪異は、現象と解釈によって成り立つんだよ、深町くん」

人の嘘がわかる耳を持ち、それゆえに孤独になってしまった大学生・深町尚哉。
なんとなく受講した「民俗学2」のイケメン准教授・高槻になぜか気に入られ、
怪異に出会うとついテンションが上がってしまう彼の「常識担当」として助手をすることに。
高槻のもとには、奇妙な事件が次々と持ち込まれ――?

このアパートは、幽霊物件?! 隣の空き部屋から聞こえる奇妙な音の正体は…。
――「第一章 いないはずの隣人」

ふと気づくと、周りにいつも針が落ちている……。これは呪い?それとも…。
――― 「第二章 針を吐く娘」

肝試しに出かけた少女が消えた。しかし数日後、彼女は帰ってきた。足の裏はきれいなままで…。
――「第三章 神隠しの家」

ちょっぴり残念なイケメン准教授と、常識担当の大学生の凸凹コンビが
民俗学の知識を使って、怪奇事件や都市伝説の謎を「解釈」する軽快なミステリ、開講!!!

これはあやかしものじゃない! これはあやかしものじゃないです!!!!

あやかし事件解決物が苦手なので避けてたけど読んでみたらあやかしではなく民俗学だった。
人の嘘がわかる青年が怪異大好き准教授の手伝いで、准教授のサイトに寄せられた怪異と思われる事件の相談に乗る連作短編集。

こういう大学の授業受けられたらいいなーと思いながら読んでた。都市伝説や民俗学をメインに、生徒側も楽しめるような授業をしてくれる先生って良いね。楽しそう。
授業の内容もちょっとネットで見る気になるネタ的な雰囲気で面白く、なおかつ語る准教授の口調も読んでて心地よいので授業としてすごく楽しそう。私も受けたい。

怪異絡みとなればわんわん状態で一気に絡みに行き距離感がバグる准教授と、彼の常識担当な大学生のコンビ、読んでて面白かった。男性バディ物って楽しいよね。
BL好きなセンサーはあんまり反応しなかったのでそういう意味では好みではなく、単純にコンビものとして好きだなと思った。

嘘が聞き分けられるが故に依頼人の話に嘘があることがわかるというの、推理モノというかこういう類の物語には便利だし面白いよね。

似たような傾向の本としては花とゆめの嘘解きレトリックがあって、こっちとだいたい雰囲気的にはかなり近いんだよね。

こちらは時代物ながら、人の嘘が聞き分けられるが故に孤独になってしまった少女と、抜けたところはあるが人の良い探偵さんがコンビを組んで謎を解く物語。

准教授・高槻彰良の推察の、嘘が聞き分けられる人間が助手ポジション、嘘が聞き分けられなくとも頭の良さで嘘かどうか判断つくレベルの人が探偵ポジションでの物語が好きならこっちもいけそう。

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