「魔王は服の着方がわからない」服を着るならこんなふうにラノベ版

★★★★☆,ファンタジア文庫ファッション,三角関係,学園,現代,魔王

あらすじ

オタクでも魔王でも、オシャレになって恋がしたい。


理想の妃を見つける為、異世界から日本の高校へ入学したオタク魔王ダイバルド。早速一目惚れした少女に声を掛けようとするも、場違いな魔王服を咎められ、クラスメイトの瑛美からファッションを学ぶことになり!?

服を着るならこんなふうにラノベ版。先に代名詞作品あるジャンルは説明がしやすくていいな。

主人公はサブカル大好き魔王で、サブカル満喫したいがために日本に来て高校生として学校に通い出すも、元々魔王なので魔界流の服装をしたら浮きまくり。そんな彼を、お隣さんの女子高生がファッション講義しつつ助けてくれるという物語。

 

主人公が魔王なのが良いな。
魔王なので日本の服装知らないし、でも気になる子に格好良く見られたいっていう気持ちはものすごくある。例えばこれが元々服装に興味がないようなキャラ設定だったら高校デビューで一発目から服装どうにかしようとなる理由付けが面倒なわけで、でも魔王なのでそのあたりは処理がしやすい。
なおかつ格好いい服を着たいけど全然理論がわからないという設定もしやすくて、なるほどわかりやすいなーと思った。

お隣さんで主人公に好意を持っている女子高生による、ドレスとカジュアル、IYAシルエット、小物の選び方などのレクチャーもわかりやすかった。
ぴたっとしたシャツというのもぱっと想像つかないんだけど、その章の末尾にイラストつきで図解されているから、ああこういうのなのね、とわかりやすい。
下半身がコンプレックスならAライン、了解しました。
骨格診断の話などはないんだけど、それでも上下のどちらに重心を持てばいいのかなどわかりやすくてよかった。

普段から日常使いしたい服にはこういうの、使いまわしにはこれを買って、デート着にはこういう小物をつけて、といった説明があるのでどういう服を買えばいいのかわかりやすかった。
しかもキャラたちが行く店のメインがGUとユニクロ、ちょこっとZARAとファストファッションメインなので、キャラたちの高校生っていう年齢にあっててよかったし、読み終えてから自分もGUに行きたくなった。

手持ちの服と合わせてみたりして形とサイズがあっていればいい、必要に応じてものを買い足せばいいという話なので、無駄に全部買おうと気負わなくていいのも良い。
でも自分にサイズがあっているのかどうかがわからないのがファッション初心者というものなのだよ……と思わなくもない。マジでわからん。

 

ラブコメ物語としても面白かったー!
一度主人公に助けられてから主人公に好意を持っている隣人ヒロインが、魔界育ちで照れの感覚が全然違う主人公にちょっとしたことで褒められまくってどんどん好意を持っていくのが可愛かった。
ボーイッシュな格好をしがちな彼女の女子っぽい格好を最初に見ているからこそ、終盤で主人公が「ああいう格好も可愛い、似合っている」と言えるのがさー! いいよね! 見たことがなくて想像で似合うかもと言われるより、一度見た上で似合うと言ってくれるほうが、実際に見せた時に相手に想像と違うと思われないもんな。
しかも今までの会話のなかで主人公ならそういうレベルの嘘はつかないとわかっているわけで。そりゃあ本気で嬉しくもなりますわ。初恋相手がソレだし。

一応三角関係ではあるものの、主人公の白石さんへの思いは好きなキャラと似ているからというもので恋愛感情というには薄いし、白石さんは主人公と隣人ヒロインとの関係を応援しているしで、最終的には良きアドバイザーから良き恋人になるのかな? と思ってたら幼馴染ヒロインが出てきて吹いた。突如四角関係になっちゃったよ。この先どうなるんだ。

 

とはいえ、洋服ものとしては当然絵である服を着るならこんなふうにのほうが強いなーとも思った。文章で説明されるのと実際に絵面で説明されるのって違うよね。
一応この本はラブコメ部分も強いので楽しいんだけど、服に興味がある! なにか勉強したい! みたいに思うんだったらこれより漫画を買いましょうと思った。

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