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これ、相当やばい
なんか相当やばい本を読んだ気がするぞ。
相当やばい。まず主人公が相当やばい。
姉を非常に愛している。とてつもなく愛している。姉の口に入る食べ物は自分が材料から吟味し作った食品か、もしくは高級シェフの作ったものと言い切る弟。なんなら一緒にお風呂も入る。相当やばい。
ただ、姉も相当やばい。その弟の愛情を受けて当然としている、というか平然としている。
弟の知り合いたちは二人の関係はおかしいと言う。けれども二人はそれで良いとしている。この時点で相当やばい。
この相当に歪んだ関係の二人の話なのでおかしくない訳がない。
姉のためなら死にかけたっていいし足の小指が落ちるぐらいどうでもいい。危険にいくら飛び込んだって気にしない主人公の、そこまでする理由があまりにも単純で、そこまで偏愛する理由がそこに帰着するのかと、ある意味当然だけれどもだからこそ最高だった。
前半の、体は物理的に小指取れるだの腐食液で体がおかしくなっていくだので壊れていき、メンタルもこんなことに巻き込まれてどんどんとおかしくなっていきというひどい状態なのに、姉の前では絶対に平常心を崩さないようにしている弟の、姉にためならなんだって出来るレベルのおかしさが最高だった。
姉と弟の異常な関係、もしくは愛の話が好きな人にオススメの話だった。