ミュージカル・フランケンシュタイン 2/23マチネ(柿澤・小西大楽)感想
3年の時を経ての再演舞台・フランケンシュタイン!
長かったのかなんだったのか、3年前なんて昨日みたいだな。1幕から2幕の間ぐらいの時間が流れているのにね。
柿澤ビクター・小西アンリの大阪大楽に行ってきた(舞台として本当の大楽は翌日)。感想と備忘録の諸々。
初演と比較する箇所が多い(主にエレン)。まとまってない。
見てきた人
- 初演はかきこに・かきかず・あきこにを見た
- 今回はかきこに大阪大楽のみ
初演の感想はこちら。
物語について
穴は多いがハマると出られない
初演でも思ったけど、穴は多いが勢いで進められるため、うまく勢いに乗れるとおもしろいしハマる。私は1部~闘技場まではハマれる。逆に怪物による復讐の連続殺人から先は全くハマれず退屈になるタイプ。
物語的な穴は本当にいくつも有ると思う。具体的にいうと「どうして北極とかいう雑すぎる待ち合わせ場所で出会えたんだ北極広いだろ」「その防寒装備で北極に行ったのか」「北極近くにいる子供は何」その他諸々。
とはいえ、キャストの歌唱力や生オケの演奏の素晴らしさ、前半の物語のハイスピードで引きずり回されて連れて行かれる感覚はやっぱり相変わらず面白かった……。
最初のビクターとアンリの掛け合いの歌がものっすごい好き。
それまでの普通の台詞のやり取り、アンリ甘ちゃんだなあとかビクター偉そうだなあとか、ルンゲ……ルンゲが来るぞ……といった諸々考えてたのが一気に消えて歌に引き込まれる。やっぱあの歌強いよ。歌詞かぶると何言ってるかわからないけど何言ってるかわからなくてもすごい。
北極という場所
カトリーヌの言い出す北極は理解出来た。
そこは人間がいない。怖いモノ、自分を傷つけるモノがいない楽園の地。そこならば何も怖がることはないのだ、という彼女の発言。
同意して北極!クマ!と無邪気に喜ぶ怪物も、当時は人間(ジャックとエヴァ)に傷つけられていたために北極に行きたがるのがわかる。
だがその後怪物はカトリーヌに裏切られた。なのに、なんで怪物はビクターの呼び出し先をカトリーヌから教えてもらった北極にするのか。
で、観劇前にこちらのツイートを見た。これでやっと腑に落ちた。
北極に関して言いたいことがある。
— 俺はアニャンケンシュタイン(幕) (@musicalamnos) January 19, 2020
聞きかじりなんだけど、カトリーヌが日本では「本当に誰もいないんだって。だったら嫌な目にあうこともない」みたいなこと言うところで、韓国版は「北極には何もないから、人は自分が人間であることすら忘れてしまう。」的なことを言うらしい。それじゃん大事なの…
「お前は人間じゃないの。怪物」(うろ覚え)というジャックの台詞、「私は人間が怖い(でもあなたは怖くない=怪物は人間じゃない)」というカトリーヌの台詞など、様々な言葉で怪物は人間ではないと描かれる。
で、北極はその怪物も人間もどんなくくりもなくなる場所。怪物は人間と怪物ではなく、創造主と創造物でもなく、モノとモノとしてビクターと向き合いたかったんじゃないのかな。
怪物は、その3年間に散々人間に痛めつけられる。闘技場がぶっちゃけどれぐらいの期間かわからないが(少なくとも冬になると森で食い物が無くなったって言ってるので冬になるor1回越している)心身ともにめちゃくちゃにされてる。3年という行方不明期間考えると、カトリーヌと怪物の心温まる交流は一瞬っぽいけど実は結構良い年数静かに積み上げられていたのかな。だとすれば、それを「開放してやる」で裏切られた怪物の心はよほどのものだっただろう。
いや……「こいつ喋れるのか」が今まで喋れなかった風味だしやっぱあれ一瞬なのかな……フランケンは時間感覚が完全に死んでいるのでわからないですね……。
とにかく、だから人間と怪物では向き合えないと怪物は学習している。
だから、人とかのくくりのない状況でちゃんと顔を合わせたいという感情。
今回の怪物は北極での「ビクター!」の声が大きくて驚いた。
初演の和樹怪物で、私が見た回はささやくような小さな声で、ややもすれば聞き漏らすような声量だった。その後見た小西怪物は普通の声量で「ビクター」してたけど。今まで登場時以外頑なにビクターの名を呼ばない怪物が、ラストシーンだけはアンリのように名を呼ぶ。あの瞬間は怪物とアンリどちらも混ざってたのかもしれない。
アンリとしての記憶を思い出してしまった状況の怪物、絶対めちゃくちゃしんどいだろうな。自分がこの首実検に使えとそそのかしたのがこの地獄始まりのきっかけだったんだから。とはいえアンリは怪物の中で完全にイコール自分ではないだろうが、だとしても。
怪物は言葉を理解するようになった。ビクターへの復讐でジュリアを殺す際に警備隊の格好をするほどの知性も持つ。
そんな怪物ならば、当然ビクターフランケンシュタインの研究日誌(今回は実験日誌)も読めるようになってるだろう。
で、あの研究日誌、当然アンリの名前も出てると思うんだよな。共同研究者だから。自分を殺そうとした男が、自分の顔の正しい持ち主であるアンリとどういう関係を築いていたかも見てしまっただろう。そのうえで3年後ビクターに会いに行ったときに手帳を返す。お前との思い出を返してやるとでもいうように。
キャスト・キャラクターについて
ジャック/ビクター 柿澤勇人
「神よ!」の前の絶叫が……本当に痛々しい。
柿澤ビクターしか今回見てない状況での感想。子供さが残る雰囲気が本当に好き。
ビクターという人間は個人的によくわからない。どのシーンも、彼がどういう人間なのかよくわからないんだよね。
銃殺される直前のアンリを救ったシーンは傲慢さすら感じられる大尉、それからアンリにともに研究してくれというときは親しげな友人風味(そして友人と紹介しておきながら酒場で酔ってるとはいえ「なんでついてくるんだよー!」という程度にはあんまり友人感持ってなさそう)、実家のように慣れ親しんだ場所に帰ると親戚づきあいオール拒否の人みたいな様子。どれがビクターという人なのかよくわからないことこそがビクターの魅力だったというか。
それが一番強いなと思ったのがアンリの処刑前後。
エレンが言った通りアンリの首が手に入るのはそこそこ僥倖ぐらいに思っていそうで、でもこれから処刑されるアンリ本人に出会ったときは彼の「君のために死ぬぜ!」発言に絶望して、生命の創造ではそこそこアンリを生き返らせることに対しての使命感があったものの、アンリが生き返って動き出したらおーよちよち状態猫なで声のやべえ科学者(本当に心の底から怖い)、ルンゲが殺されたら今まで溺愛風味だったのが一変して怪物を殺す側に回る。
この一連の流れがビクターの不気味さだった。
からの、2幕ではジュリアと結婚してそこそこ良い感じにやってそうな……。これはジュリアの努力の賜物だろうか……。
あれだけ仲が悪そうだった市長とある程度和解していそう(じゃないとジュリアと結婚できない)し、市民に市長の捜索を頼み陣頭指揮している程度に人望もある。たった3年でお前は何があったんだ。やっぱり友人を怪物にしてしまったので後悔して完全に足を洗ったのかな。どれにしてもジュリアの強さがありそうな気がするが。
これらすべてひっくるめた不安定さがビクターのたまらないとこだし、アンリもそういう部分がどうしようもなく友人として愛おしかったし、ルンゲも手を離せなかったんだろうなと思った。
死体はほしいが、人を殺す気はない。葬儀屋によって殺されたのがウォルターというのも彼にとって刺さる部分があったのかもしれない。あの状況下でビクターを尊敬していると言い嬉々として話しかけてきてドイツの女は~の下ネタにも反応してくれたからね。もしあれがウォルターじゃなかったら石で殴り殺しまではしなかったのかな。
柿ビクの不安定なところ、本当に好き。冒頭にも書いたけれど「神よ!」の絶叫が痛々しい。
ビクター、最後に怪物の頭を撫でるところの手付きが優しくて、彼にとって最後の瞬間の怪物は怪物だったのかアンリだったのかと考えた。
で。
柿ジャ悪化してないですか。かきこに楽だからですか。悪化してないですか。
ビクターの時の演技も良いんだけど、いいんだけど特筆すべきは間違いなくジャック。柿澤ジャック、やばい。
ジャック出てきた瞬間に誰かマジでわかんなかったもん。何!? 何あの声!? 初演見たのに全然わかんなかったよ!? ジャックのときのハイトーン猫撫でボイスなに!? ビクターと別人すぎない!? と思わせて、エヴァちゃんとイチャイチャしたあとにあいつ(怪物)連れてこいと手下にいうときのトーンの低さ。高低差が激しすぎる。ここでこの人めちゃくちゃ怖いなと思わされた。
手下たちと仲良く「はわわ~!」ってやってるときも平然と人を殺すところも怪物を痛めつけるのもエヴァとイチャイチャしてるのも、どれも全然キャラが違って、あーこれ書いてて気付いた、どれが本当の【ジャック】なのかわからないのが、どれが本当の【ビクター】なのかわからないのと同じなのか。
コロコロと雰囲気が変わり、人によって見せる姿が違う。それがジャック/ビクターの二面性。
ビクターもジャックも、底しれぬ何かがあるとこがすごく似てるんだよな。
創造主と同じ面をした男に出会った怪物はどう思ったろうね。ビクターの顔はよほどのことがあろうとも忘れられないだろうし。
柿こに大楽なのもあるだろうけどアドリブが楽しそうでなによりでした柿ジャック。「はわわ~!」もだし、「お誕生日おめでと、う!」で首コキャもだし(チューバヤ役の方がお誕生日ということで闘技場来たときに紹介されていた)(こんな嫌なバースディ死亡もねえぞ)(そういえば小西さんもバースディ処刑されてますね)、どこからどこまでがアドリブかわからないけど少なくともここはアドリブだろすぎる。楽しそうすぎる。ストッパーがねえ。そこがまたジャックらしい。
初演の後のシアターガイドに載っていたインタビューで演出のガッキーがビクターはあの後も生きると言っててまじかよ!!!!!!!!となった。
リトルビクター 小林佑玖
犬を蘇らせたあとの「生命有機の結合~」の歌の表情がこえーーーーー!!!! 他作品の名前を出して申し訳ないんだけどスリル・ミー成河私を思い出した。あれを見た人は思い出してほしい。こえーーーーー!!!無邪気に笑顔で邪気まみれ!!!!こえーーーーーよ!!!!!!
少年らしさもあり、歌唱力もあり、恐ろしさもあり、こいつは確かに成長したらビクターになるぜと思わされる少年だった。
これは物語内部への突っ込みなんだけど、ビクターの母が魔女と思われたのはビクターが母の死体を背負って自宅まで引っ張ってって連れ帰ったからだよね? なんで誰も見てないし気付いてないんだよ。普通気づくだろ。気付け。自分より体の大きい母親を引きずってる時点でものすごい目立つだろ。メイドの前に道中の大人たちが気付け。
今回はリトルジュリアのほうがリトルビクターより若干身長があるように見えた部分もあって、彼女が引っ張っていってる雰囲気がすっごく可愛かったー!
「行かないで、ビクター」から始まるやり取りが本当に微笑ましくて可愛らしいし、ビクターにとっても魔女だの言われるあの時期に自分と一緒にいてくれて遊んでくれたジュリアは間違いなく大事な人だったんだなとわかった。
リトルビクターの犬を生き返らせたいと母を生き返らせたいは、ともに自分の大事な人に笑ってほしいというのが根源じゃないのかな。
……いや、「生命有機の結合」の歌んときの表情は完全に自分が生命を創造したことに対しての喜びでしたわ……大事な人に笑ってほしいが最初であったとしても、そこから完全にマッドサイエンティスト風味んとこに元気に脚を踏み出してたわ……。
この流れで気付いたけど、ビクターも「悪魔」と人間以外の扱いをされ、異端児とされてきた側だったんだな。出会い頭にアンリにも
アンリ/怪物 小西遼生
前回の小西アンリは殉教者でありビクターのためなら喜んで死ぬぜ!生き返れるとは思ってないけどな!という雰囲気があったが(個人の感想です)、今回は断首前のタメ部分で嗚咽のような声をあげていたりと、もっとビクターの隣で生きたいという意志があった。マジか……。死にたがりアンリが……。
今回のアンリは死にたくなかったし、もっとビクターの側にいてあげたかったんだろうな。酒場で頭叩いてやったりと兄貴感がある。
毎度のことながら、なんでアンリがビクターに協力する気になったのかわからない。
これは二人の歌詞が掛け合いというよりも別の歌詞同士で重なってる箇所があるので聞き取れないのが原因なんだけど、何いってるかわからないからどうしてあの歌で納得するのかわからない。
ともあれ、出会い頭や納得するまではちょっとバチバチしてたけど(その割にアンリは斬首前に出会った時の君の瞳に恋をしたと歌っているけれど)、研究を経て仲良くなったんだな。そうでもないとビクターが実家に連れ帰らないと思う。研究のためかもしれないが。このあたりは前述の通りビクターの心情が私は理解出来ないのでどうしようもないんだけど、少なくともそれにアンリは友人としてのなにかを感じているんだろうなと思う。喧嘩を止めたりなどしてるし。
酒場のシーンでアンリがビクターの頭ぽんぽんとしたり肩を抱いたりと年下の友人に対する優しさを見せてるところ、本当に強い親愛の上を持っているんだろうなと感じた。
その後の「家族は誰もいないが君がいるから大丈夫」は、直前のビクターの「なんでついてきたんだ」があるので気持ち伝わってないよ!!!!!ってなったけどな!!!!! アンリからビクターの感情はめっちゃつよいのに、ビクターからアンリへの友情というか執着というかが薄い……。その分といってはアレだが、アンリが怪物になってからはいつ襲われるかわからないため、ずっとビクターは彼のことを考えてただろうけど。ともかく、ビクターからアンリへは、逆と比べて感情がうすそう。
アンリ、地味にとても屈強そうな印象があるので、どうやってビクターを気絶させたのか怖い。痣がっつり残ってそう。腹パンかな……腹パンだといいね……石で殴られてないといいね……。
アンリ的には気絶させて排除しないと自分が罪をひっかぶるのを邪魔してくるだろうと思っているんだな。
怪物が北極手前で子供に話す「だれかの手を覚えている」というあたり、あれはきっと怪物が復活した直後のビクターの手なんだろうな。あの猫なで声のお~~アンリ……アンリ、僕だよ。わかるかい、アンリ?のあれを、怪物は母の父の誰かの優しい手として覚えてるんだろう。皮肉だな。あのビクターはどう見ても怪物を成功した実験動物としてしか見てなかった。少なくとも今までアンリに見せていた様子とは全く違っていた。しっかり覚えてなくてむしろ良かったかもしれないぞ怪物。
無邪気満面、善悪の区別がまったくついていない怪物は哀れな子供だったよ。
怪物はカトリーヌとの会話の最中に「朝から言葉が出る」と言っていたが、きっとそれはアンリの記憶だろう。ということは、アンリの記憶をつかってビクターの手帳も読んだだろう。どういう気分で読むのかな。他人の記憶と自分の意志が頭にある状態ってどんなかんじなんだろう。
多分わりと近いのがなろうだので最近元気な異世界転生モノ(特に乙女ゲーの悪役令嬢に転生してしまった系)で、あれは生きている途中で突然異世界に住む別の自分の記憶を取り戻す。たいていは異世界に住む別の自分の記憶に引きずられて人格などがそちら寄りになってしまうんだが、そこで別の人格寄りにならないままだときついだろうね。過去の様々な優しい記憶やきつい記憶、今の自分とは違う状況を羨んだりするものの、それは全部自分だし、どうにもならないことだから。それが怪物の頭の中の状況なんじゃないのかな。
もし怪物がアンリの記憶も徐々に思い出しているのだとしたら、嘘だと思いたいそれをビクターの手帳で確認していったのかもしれない。
怪物の「崇高な友を実験材料にした(うろ覚え)」みたいなあれは、ビクターへの嫌味と怪物の本心とアンリの心情、どれがどこまで入ってるんだろう。
いやアンリの心情はないな。めっちゃ喜んで実験材料になりにいったのはあいつ本人だ。アンリの友への思いが怪物を生み出したんだ。
ジュリア/カトリーヌ 音月桂
エレンが割と普通の人っぽくなった効果でめちゃくちゃ目立つ輝く人となったジュリア。ジュリアすごかったね……すごい目立ってた……。そしてエレンと並んだときの身長差に、ジュリア意外と大きいな!?とびっくりしてしまった。
ビクターの項でもちらっと書いたけどジュリアはすごい。あのビクターを街の人に受け入れさせ父親に結婚を納得させビクターを自分と結婚させた。実は強いぞこの人。
数年ぶりの再会で無視してきたビクターを自分と向き合わせて結婚までさせ愛を歌わせたジュリア、強い。めちゃくちゃに強い。
というのを前提として、カトリーヌ今回ものすごい強かった……。
たしか初演のカトリーヌは(私の記憶が間違っていなければ)怪物の元へ訪れたのはお礼を言うためだ。だが今回のカトリーヌは違う。もののついでに怪物の前を通り、ついででお礼を言う(確か)(私の記憶が間違っていなければ)。このあたりにしたたかさというか、なんというか……ただじゃ立ち上がらない雰囲気というか……。
クマ美味しいのやり取りは可愛いんだけど、同時にあれは「人が怖い」「人じゃないから怖くない」が理由で、自分に害為すものではないから怪物とやれてたんだよね、カトリーヌは。一度自分を利なしに助けてくれた相手だし。打算があるし損得計算が出来る。
だからこそ、怪物の飲み物に毒を入れるのが理解できる。
それが自分の利になると思う、というのを理解できるから。
からの、獣は同情しない、けだものになりたいの歌の圧と強さよ……。確実にこの歌初演より圧が強くなっている……。圧倒的な強さと歌唱力で、負の感情と威圧感を押し付けてくるカトリーヌ、めちゃくちゃに強かった。やばかった。怖かった。
というか、ここが怖くて強すぎて、クマ遭遇の助けて~というのが一瞬カトリーヌに聞こえないというか……カトリーヌもっと声太くて低くないですか。
怪物と仲良くしてるのをエヴァとジャックに見つけられ酒場の歌とメロディラインがおなじ全く別の歌で引き裂かれた後の、カトリーヌが棍棒振り回すとこ、あれ前回は気づかなかったんだけど犯された後なのか。だから脚持ち上げられるのか。今回そこで「くっせぇ!」と叫ばれてやっと気付いた。
リトルジュリア 浅沼みう
リトルジュリア、強くて可愛くてビクターが大好き!ですごい可愛いんだよな……。
リトルビクターの項でも書いたけど、リトルビクターより背が高いのも可愛い。すごくかわいい。あの子かわいい。
持っているのが風車っていうのが最早可愛いんだよね。お花とかじゃなく風車。自らが動くことで回転する風車。彼女は自分自身の脚で走る。
そんでもってビクターが読んでる本取り上げるあたりがめっちゃ可愛いし強いね。躊躇と容赦がねえ。
リトルジュリアとしてはリトルビクターの犬を生き返らせてあげるよは本当に嬉しかったろうな。自分の大事な犬を生き返らせてくれたとても素敵な男の子。犬に噛まれたのは蘇った犬がおそらく自我をなくした怪物状態で目につくものに本能的に噛み付いたのが原因だろうし、ビクターが彼女のためにやろうとしたという事実自体は間違いがなかった。
だから彼女は父のようにビクターを遠ざけたりということはしなかったし、ビクターが留学してしまうときも会いに行って行かないでと懇願し、戻ってきたら結婚してと頼む。
そして、最後には結婚する。
……こうして書くと、ジュリア……強いな……。
エレン/エヴァ 霧崎春女
初演のはまめぐさんが圧倒的なのでどうなるかと心配だった人。
エレンは若干光が薄まったというか、初演のエレンが紫のドレスがラメ入りなのかと思うぐらいに輝いている人という印象があったので、それと比べてしまうとどうしても光具合がおとなしくなってしまったなあと。良くも悪くも普通の人っぽさがあった。神々しい、優しい、聖域の、かばってくれる絶対の保護者という印象のあったはまめぐエレンと、今回の良くも悪くも普通の人でビクターをかばい切れないだろうエレンの差を感じられた。
アンリの前でビクターの過去を語るところで、はまめぐさんよりもやっぱりオーラが無いなあと思ってしまったんだよね。良くも悪くも力のない普通の姉。ぶっちゃけ、やっぱりはまめぐさん強かったなあと思った。
……2部が始まるまでは。
エヴァ! エヴァなにこれ!? 圧! 怖い! 強い! すごい! エヴァやばい!
初演はまめぐさんエヴァが貴族から闘技場の女主人に落ちた人というならば、こちらは生粋のあばずれ(演技力をめちゃくちゃ褒めています)。良くも悪くも上品さが残ってしまったはまめぐさんエヴァと違い、台詞のすべてに濁点が付き、育ちの悪さを描くような演技がめちゃくちゃにうまい。すごい。圧倒された。やばいこのエヴァ超好き。格好いい。好き。
ええー……めっちゃすごい……。どこまでも普通の人の枠に見えたエレンから、一転してこの全く別人のような底辺育ちの極悪女主人……強い……強くて好き……。
あくどさ、性悪さがどかんと上がり、カトリーヌの手を切り裂いたり「馬の餌にしてやる」の哄笑の堂に入りっぷりがやばかった。
そんでもってエヴァちゃんとジャック、今回すごいラブラブじゃなかった!? 初演で私が見たのは全部不仲というかあんまり夫婦として仲良くないんだねという雰囲気だったんだけど、今回すごいラブイチャしてて手を掴んだりじゃれたりと可愛かったね!? どうしたの!? と思ったら再演でも回によって違うの!? どうなってるの!?
「旦那としては使い物にならないんだから」のあたりも、初演だとほんっとーにしょーもねえ男!みたいなニュアンスだったのに、再演だとまーそんでも嫌いじゃないのよねーぐらいのニュアンスに思えた。ここの二人はとても空気が合いまくってた。いや良い夫婦でした。最高。
エヴァの「怪物なんてどこにでもいるんだよ」、まさしく彼女が言うとそのとおりすぎるんだよ。
客席を見据え見回す彼女の視線の先にも怪物はいるし、人とは思えない行為を哄笑とともに行う彼女もまさしく怪物だ。平然と人を殺すし痛めつけるジャックだって怪物だ。人間と怪物ってなんなんだろうね。
カテコ
1回目
柿澤さんが「今日で最後の人が4人」とリトルビクター、リトルジュリア、アンリを紹介した後そのまま話しを流しそうになり、周囲からの突っ込みで自分を紹介する
一言のときに小西さんが「がお」から始める
一言のときに小西さんが「ビクター、……(タメて)クソジャック!」と柿澤さんを紹介する。
柿澤さんが内容について「過激な部分も」と某所についていう。「2幕は毎回心を痛めて」というと周囲から突っ込み、小西さんがリトルビクターを示して「子供が見てる!」と(リトルビクターはほとんどずーっと中央二人を見ていてとても可愛い)
2回目
普段は二人で見てるからみんなでスタオベの景色が見れて嬉しい的なことを柿澤さんが
3回目
リトルビクターをビクターが肩車して、リトルジュリアを怪物がお姫様抱っこして登場。
この状態結構きついと柿澤さんが言い、早めに引ける 引けるときに小西さんがビクターたちに絡む