ネタバレしかない「仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド」感想

★★★★☆,映画

映画自体は半月ほど前の舞台挨拶配信付き先行上映で見ていたものの、まだ公式公開前だったのともう少し確認したいなと思っていた箇所があったため、公式公開まで待って書くことにした。
555自体は20年前のリアルタイム時に見ていてオルフェノクのビジュアルの格好良さに心惹かれ、10年ぐらい前に再度見たときに相変わらず草加が腹立つのでキレ、あとは一昨年思い立って年末ぐらいに一気見、ついで去年のYouTube配信でも見てる。2023/5/5の20周年イベントも行ってパラリゲの公開発表も聞いたくらいの人間。

ネタバレは多いものの、作品内のネタバレ解説記事というよりも、思い入れと思い込みと感想の書きなぐり。そのため見た人しか意味分からない箇所も多いと思うし、見た人だってわからない箇所もある。

ざっくりと総合感想

2回見ても好きな場所と嫌いな場所があり、嫌いな場所のほうが数が多いのに、好きな場所である戦闘パートの加点の多さで全部ひっくり返されてしまう奇妙な映画だよ! 面白い面白くないと好き嫌いは全然違うんだなあと考えさせられる。

個人的な評価としてはオーズ10th復活のコアメダルより上か下かすごい迷うとこ。
これは思い入れの差で、わたしはオーズ自体があまり好きではないというか、靖子脚本が合わない+毛利脚本が嫌いの合せ技でさほどオーズへの思い入れがない。なおかつ10年で主演の渡部秀さんの舞台を見たせいで主演への思い入れが発生してしまった。
そのせいで、オーズ復活のコアメダルに関しては『物語としては毛利あるあるのとりあえず男の強感情と死なせていい感じのエモ出してるし、元々毛利だから誰か死ぬのは確信してたし、渡部さんの演技パターンを映司(ゴーダの演じているパターン)、ゴーダ、映司(本人)の3種類見れたし良いかな』ぐらいになってしまった。つまり何があってもまあだいたい「へー、そうっすか」で受け入れられる。減点が少ない。
対して555は思い入れがなんかもうちょい多い。井上敏樹脚本がそもそも結構好きだったり、上記のとおり何度か見返したりするぐらいには好きな作品だ。キティちゃんとコラボしたときのアクキーも持ってます。
ということで、思い入れがある分ぎゃーぎゃーさわぐ面倒くさいオタクになった。

パラリゲ、2回見ても「ドラマパートは好きじゃないところが多いが、戦闘パートが全てにおいて良すぎて最高得点555億点を取る」になるの本当にめちゃくちゃ。
ドラマパートはいたるところで「ここ嫌い」「ここヤダ」「ここなんで?」が出まくるのに、なんで戦闘はいるとこんなに上がるんだよ。最高かよ。戦闘パートがマジでわたしが見たかったものをやりまくってくれるからだよ。

一番見たかったもの、巧と真理が並んで戦う絵面だった。真理は1話からファイズに変身しようとし、巧がファイズに変身できないとギアを預けていたときだって自分が前に出て変身しようとしていた(あそこの里奈とのW変身大好き!!)。その真理が、非戦闘員ながらもアイロンを持つのではなく、戦闘員として戦える。これが本当にめちゃくちゃ嬉しかった。
わがままを言うならばファイズに変身してほしい!!というのはすごくあったんだけど、まあ今回の話の尺とシーンのなかでは難しいのはわかる……。やっぱりたっくんはファイズでないとで終わらせたいよな。
それにしても劇場版でメインキャラがオルフェノクであると発覚するの、ファイズじゃん!! パラロスじゃん!! ってめっっちゃくちゃアガった。20年前、子供向け映画なのであちこちで子供の歓声や頑張れという声、ジュースをすする音も聞こえた中、巧がウルフオルフェノクになった瞬間にしんとしずまりかえったあの瞬間を思い出した。なお、今回は初回も2回めもいい歳した人間しかいないので、子供の歓声は無いので再度味わうことはなかった。そりゃ舞台挨拶付きなんて買ってるような人間や、ド平日の午前に映画館来るような人間はそうよ。

ただ、真理が戦えて嬉しい!とは完全に相反するんだけど、わたしはファイズを人間と人外が共に生きていこうとする物語と思っている部分が強かったので、真理がオルフェノクになってしまったのはそれが完全に壊れたとも思った。
最後の食卓のシーンでも言ってるけど、あの家に住む人間はもう条太郎以外人外なんだよ。ファイズ本編は菊池西洋洗濯店に住む人のうち巧だけがオルフェノクで残りの3人が(記号埋め込まれてるのはいるけど)人間。それでも巧は人を襲わず人の心を持ったオルフェノクとして生き、真理や啓太郎は彼を信頼して共に一緒に生きていく。そういう物語だったと思ってたので、いや真理そこで人外になったら全部崩れちゃうじゃん!!になっちゃった。

以下、思いついたものを雑多に書き出している。

雑多感想

555って不理解の話だよね

これ今回めっちゃ思った。
今回、巧というオルフェノクがそばにいて、オルフェノクの庇護活動をしていた真理すらも、オルフェノクを理解していなかったしオルフェノクになんかなりたくなかったという。

今まで真理は心の何処かでというか結構でかい部分で「オルフェノクは人を襲わないで生きていける」と思ってたけど、オルフェノクになったことで「人を襲うという本能が組み込まれている」と知ってしまった。
これって相当恐怖だと思うんだよ。今まで自分がオルフェノクたちに強いていたことはかなりの無茶振りだったと我が身をもって知るし、理解していると思っていた彼らのことを自分は一切理解できていなかった。人を襲わずにいられないオルフェノクなんかになりたくないと巧に吐露してしまう。
今まで、理解していると思っていたのに全くの不理解だったというのを知った瞬間の呆然感、やっぱりファイズってこれよ~~~!!となる。

他者への不理解部分が如実に出てるの、ラーメン屋の女の子が印象強い。
あの子、本当に他人を理解できてない。仲間のデルタが死んだときに「わしらの子供にあの人の名前をつけよう!」っていうセンス、元気づけようとしてるんだとしても大丈夫か?って思ってしまった。そもそも今妊娠している様子にも見えないので、これからそういうことしようね!的な意味にも取れてしまうし。彼氏が落ち込んでるときにそばにいてほしくないのもわかる。
でもあの子、オルフェノク化した真理を止めるために動いたりもしているし、本当にとてつもなく空気が読めないだけの子の可能性がすごく高いんだよな。ごうごく普通の空気が読めない女の子なんだなって改めて見て思った。

ちゅーか屋

海堂の口癖の「ちゅーか!」から中華料理屋になるの面白すぎるだろ。中花だし。
何がどうしたら洗濯屋を乗っ取られてラーメン屋になるんだよ! アイロンかけで精神集中してオルフェノク化を止めろ!!

それはそうとして、いままでオルフェノクの保護活動をしていた海堂は、こういうときにどう対処するかもうちょっと覚えとけと思いました。過去にも暴れたオルフェノク絶対いたろうが。そういうときも力技だったんだろうか。海堂はオリジナルじゃない使徒再生組のオルフェノクだから能力低めだし、オリジナルのだったら相手するの大変じゃないだろうか。
でも戦闘パート見てると、海堂ってライオトルーパーを盾にしたり車の中に引っ張り込んで車上のライオトルーパーを狙わせたりと頭を使った戦闘をしているので、20年生きて戦ってるだけの年季があると思ったし、そういう方向で普段はやってるのかもしれない。

あのデルタの人はどこでデルタギア手に入れたんだろう。というか三原は……。
なんとなく創才児童園の子なのかなとも考えた。可能性はあるよね。流星塾の子たちも死にかけた子供がオルフェノク化する可能性を考えて集められたもんだし。
三原は児童園でそのままやってるために彼がデルタギアを受け継いだとかそういうのにしてほしい。三原、生きててくれ。一昨年見返したときに、散々ネタにされている「僕は家に帰るんだ」にすごく納得して感情移入してしまったので三原生きててくれ。
「家に帰る」、安全で自分が守られていて居場所となる場所に戻りたいという意味なんだろうけど、ベルトを手に入れたからってすぐさま人ともつかぬ化け物と戦える草加や巧たちのほうがおかしいし、戦いたくない死にたくないってすげえ普通なんだよ。三原は臆病なんじゃなくてすごく普通の人。ただ草加としてもその帰る場所を守るために戦わなければならないということなんだけど、「俺たちに帰る場所なんてない」が本当にそのまま。
そんな三原が最後に児童園を眺めているのがすごくホッとして、彼があの児童園を帰る場所にできたらいいねって思ってしまう。生きててくれ……。

胡桃レナがよくわからん

新規キャラで最もよくわからんしなんだこいつ?となってしまったのが胡桃レナ。
巧をなんか恋愛っぽい意味で好きなのは良いんですけどっていうか、まあ考えてみたらそこも意味わからん。なんで好きになったんだろう。
巧ってレナに憧れられたり一緒に戦いたい!って思われるほどに格好いい戦闘しまくってたんだろうか。そんなにすごい戦績あげまくってたんだろうか。
巧が失踪してから数年と草加が言ってたので数年のうちにそういう戦闘を見せたんだろうけれども、そんな格好いい戦闘をするだけの人に惚れるような女なんだろうか、レナ。年齢的にまだ年若いのでライオトルーパー隊の隊長(どうみても指揮権ほぼない、ただ特殊なライダーに変身できるだけと思われる)やってる年数も長くなさそうだし、執着と恋の理由がわからん。

「恥ずかしいですわ」が意味わかんないし、何が恥ずかしいのかもわからないので、変な女だなの印象が強かった。なにが恥ずかしかったんだ? 別に脱ぐわけでもあるまいし。恥ずかしくないときもあるがなんで?? 変な女。
マンホール釈由美子のほうが理解が出来る、というかあの人は相当わかりやすい部類。

ミューズが最終的に北崎が変身するのは納得。ライダー側ってどっちかっていうと女性のものだと丸みを帯びたスタイルになったりもしがちなんだけど、そういう部分なかったもんな。北崎さん、デルタといいミューズといい女性と兼用ライダーになりがち。いやカイザだって冴子さんが変身しました。ハイ。
女性体のライダーだとキバーラがキバライダーの上半身ゴツさを出しつつ丸みを帯びたフォルムでめちゃくちゃ可愛くて好き。

巧と真理のそういう関係無理っすわ

見た時これが一番きつかった。これはもう理屈じゃないです。話の流れとしては理解できる、そうなる二人の大人になってしまった感じもわかる、でもわたしの感情が受け入れたくねえと喚いている

猿原とはるかのように、同じ屋根の下にいても間違いなにひとつ起こらない関係だと思ってたんですよ!! いや猿原とはるかは別の未来でそういうこと起きてそうですが!! 巧と真理はそうじゃないと!! 思ってたので!! ……猿原とはるかがあり得たんだからこっちもあり得るかもしれない。
RT龍騎の芝浦と手塚よりはまだ理解が出来る気もするが、あっちはあっちで事前のインタビューでなんとなく起きるのを察してる状態で見たので心の準備ができたが、こちらはなんの心の準備も出来ないままにぶつけられたので、最初に見たときに呆然としてしまった。

変化し続けるのが大事なのはわかる。20年もあれば皆少しずつ変わっていく。ようやく巧も「助けてくれ」と真理にすがれるようになった。本編の18の巧は真理にすがって助けてくれなんて言えなかったから、これが20年を経て大人になったってことだろう。いや何が助けてくれなのか正直アレよくわかんなかったけど……。
助けてくれと真理にすがる巧がもうかなり無理だった。一人で強がり続けるのって若さがないと無理で、もうその若さをなくしてしまった大人なのだろう、巧は。そもそもパラリゲ自体、白倉とAP松浦のインタにおいて、大人になった物語と話している。大人となった彼らが大人の関係を得たというのもわかる。
もう16と18の頃のような子供同士ではいられない。そうなると性愛が混ざってきてしまう。
でも、わたしの感情として、二人は仲の良い友人同士であり、恋愛は間に入らないものの信頼と愛情で結ばれている家族のような関係であってほしかった。巧はどれほど失意のうちにいても真理のために戦い、真理は巧がオルフェノクであるとわかってもそれでも心の何処かで信じている。そこに草加のような恋愛感情などはなく、恋愛ではない何かの結びつきがある。そういう二人でいてほしかった。
そういう意味だと、真理にだったら殺されても良い巧はかなり良かった。あれ、キバのおとやんと渡を思い出して、あーーーーあーーーー良い、めっちゃ良い……となった。

まあそういうのは納得できなくも流せなくもないんだけど、たぶん最後の最後の「あー」「甘えない!自分で食べなさい!」が一番ダメージ食らった気がする。
お前らそういう関係なのは頭では理解しているが、感情のほうが追いつかん。物心ついてから今までそういうことを一切していなかった自分の親がそういう行動をしたのを見た気分。そういう関係なのは存じておりましたが感情が追いつけねえ。
これがもっといわゆるケンカップル的な雰囲気だったらダメージ食らわなかったんだろうけど、「あー」って巧がやるのが本当に受け入れられなかった。

余談だけど、舞台挨拶で村上さんが「本当は台本では僕のシーンが最後のはずだった」と話していて、後味や終わりよければすべてよしのためにあのシーンが最後に入ったと言われて笑ってしまった。
確かにオペラシティ前が最後だとめっちゃ空気悪いよ! 最終シーンが何になるかって大事だな。
ついでにスタッフロール始まってからあたりはアドリブだったそう。楽しそうでなにより。

北崎さんが北崎さんである必要なくない?

政府の作ったアンドロイドだからオルフェノクを抹殺するのはわかる。そこは道理が取っている。しかしなんで政府は北崎さんっぽいアンドロイドを作ったか意味がわからん。そもそも人であっても良い。戦闘能力が云々というのならば変身者にすればいい、オルフェノクだった人間の外見を使う必要性はない。
こんなん村上社長だっていいやろがい。冴子さんだっていいやろがい。北崎さんである必要性が無い。わたしは北崎さんが出ると言われたのでムビチケ2枚つきスマートブレイン社員証も手に入れたんですが!? これは北崎さんじゃないよ!!
当時中学2年生ではないが中二病罹患する年代の年頃だった子供にとって、北崎さんはめちゃくちゃ心惹かれるキャラだったんだよ。まだ年幼い少年ながら、善悪の区別は自分の快楽でしか出来ず、そのくせ持つ能力は最強クラス。今まで巧らを痛めつけたり痛めつけられたりしていた琢磨くんをいじめて面白がる王様。そんなキャラ、子供心に刺さるに決まっている。その後ジェットマンで誰が刺さったかなど言うまでもない。
そんな元キッズだったので、死んだというか王に食われたけど本当に北崎さん!? 北崎さんなの!? と見に行ったらこの処遇だったので泣いた。

本人と同じ顔をした別人でーすって、そんなジオディケのユウスケ並に悲しいよ! ジオディケも敏樹だったわ! いつでも心を殴ってくるのは敏樹! 言うて敏樹は好きなので2/6のトークのチケットは撮りました。

藤田さんのファンとしては、生身アクションが多くてすごく嬉しかった。でも本編の北崎さんはそんなんしなかったじゃないですか。触れただけで相手は灰になる孤独で孤高な灰の王様だったじゃないですか。だからこそこれは北崎さんじゃないって意識させられた
当然ながらオルフェノクではなくアンドロイドなのでドラゴンオルフェノクになることもない。デルタに変身もしない(販促的に仕方ないね)。ふわふわとした口調と突然低音になる口調の切り替えもない。北崎さんが北崎さんであるポイントが指先くっつける仕草と役者が同一という部分しかない。逆に何故指先くっつける仕草は残ったんだ……。草加アンドロイドと比べて元の人間の部分残る量に差がありすぎんだろ……。スマートブレイン(後ろにいるのは政府)、そんなに草加が好きなのか?
あ、ファンとしてはメカバレが発生したのも良かったです。メカバレは良いものだ。

メタてきな考えすれば藤田さんと村上さんと事務所が同じだからかなあとかアクション監督が絶狼のスーアクで付き合いが長い三四郎さんだからかなとかあるんだけど、もう北崎さんじゃなくても良かったですよねっていうのが出てきてしまう。
とはいえ藤田さんのファンとしての生身アクションが嬉しかったのは間違いのない事実だった。1月の先行上映の舞台挨拶でも言ってたけど、北崎無双って言ってもおかしくない生身アクションタイムだった。相手がオルフェノクとはいえ、生身アクションタイム異様に多すぎない? 三四郎さんアクション自体がすごい好きだから三四郎さんがアクション監督のときの動きだ~~~~!!っていうのもあってすごい楽しかったです。ハイ。

草加が不憫で健気な男、と思ってしまうのが悔しい

「君がオルフェノクであっても俺は」「どんな姿であっても君は美しい」

草加(アンドロイド)が真理(ワイルドキャットオルフェノク)にかけたこの台詞。見終えてから草加(人間)が真理(ワイルドキャットオルフェノク)に対して言うかどうかって考えたら、言いそうだなと思ってしまった。

草加はオルフェノクを憎んでいるけれども、その理由のひとつに自分の居場所を奪われたっていう部分もある。同窓会のあとにオルフェノクに襲われてる仲間や好きな子を一切守れなかったのとか。

まず前提として、これは流星塾生たちの監視として草加の外見が選ばれたことにもかかってくるんだけど、草加っていうか流星塾生たちは基本的に仲間意識が強く排他的。本編で彼らが巧を排除しようとしたシーンも多い。
そんな彼らのなかに入り監視するためには使い勝手の良い外見かつ死亡時を他の誰かに見られていない人間でスマートブレイン(旧)側からしたら確実に死んでいるとわかっている人間と言えば、草加だった。
草加にとって本質的に仲間といえる相手は大学の友人ではなく流星塾生たち。だからこそ同じ流星塾の仲間を多数殺害した澤田は、どれだけ改心したように見えても草加からしたら殺すべき相手でしかない。澤田死亡に関しては、草加に『真理とベルトどちらを選ぶ』という究極の選択をさせ、なおかつ自分がベルトを選んで酷く後悔しているときに巧が真理を選んで見事正解叩き出したところも見てしまったのでね。あれで草加くんメンタルぼろぼろになったので仕方ないね。

兎にも角にも、こういうことなので草加的には真理が人を襲わないオルフェノクならばそこまで排除対象にならない、なおかつ真理なので殺したくない、好きだというのはめっちゃあると思う。

ついでに、おそらくは思考を受け継いでいるのだろう今回の草加が、人として過ごしている海堂らにそこまで敵対意識を見せず、なんなら頼まれればラーメン屋の助っ人もしてくれるあたり、現在人を襲わないオルフェノクに対してはかなり軟化していると思う。

でもそんな真理でも美しく見えるのって、草加が幼い頃の恋心を未だに持って真理を愛していて、今でも巧がいなくて真理がそっち向いてないのを良いことにワンチャン狙っているからなんだよね。今回もキスしようとしていたし。
そんな真理への劣情と感情と恋愛をそのまんま残したアンドロイドを制作したスマートブレイン(政府)、相当キメェ。いやマジで。なんでそこ残したんだよ。北崎さんは指先を合わせる仕草ぐらいで思考回路すら残してないのになんで草加はそこが残っちゃったんだよ。
ロマンチックに言えば草加の芯なので草加が流星塾生たちに疑われない程度に作る以上そこだけは変えられなかったと考えることも出来るけど、なんでその出力とその精度で残しちゃったんだよ。キメェよ。巧と真理の間にあったものは20年で変化したのに、「変わらないものもある」とか言えちゃうぐらいにアンドロイド化しても真理への感情が変わらない草加とその感情を大変丁寧に再現した政府スマートブレイン、めっちゃキメェよ。

キス直前はあったし、真理が美容室を見ているときに横に座ってくる草加はかなり距離近かったので、一発くらい致せてるのかな。距離感がかなり近い。
とはいえ舞台挨拶の芳賀さん見てる限り無い可能性もめちゃくちゃあり、今、草加(アンドロイド)が破壊された後にヤれたかも委員会しているか、それとも地獄で草加(本人)が「やめろーーー! 真理ーーーー! そいつは俺じゃない!!」してるののどっちがありえるかなと考えている。

ところで、カイザギアって

流体エネルギーである「フォトンブラッド」を制御できる者=オルフェノクのためにつくられた戦闘用強化スーツ。
  (中略)
「フォトンブラッド」を制御できない者でも変身することができるが、変身解除後に肉体が灰化、命を落としてしまうという危険な性質を持っている。

https://www.kamen-rider-official.com/zukan/kamen_rider_members/131

とある通り、基本的にはオルフェノク用につくられているスーツなんですよ。ネクストカイザは修正されているかもしれないが、少なくとも旧カイザは変わっていないだろう。
アンドロイド側がフォトンブラッドを制御出来るようになっているのか、それとも毎回灰化のシステム作動しているのにアンドロイドなのに無効化してるのか。毎回灰化しているのに真理のために戦っているのか。
あまりに不憫で健気すぎないか???

この草加に対する不憫で健気って感想、自分でもすごい腹立つんだよなー。
20年前にリアルタイムで見ているときは、巧いじめるし毎週毎週ブラウン管突き破って顔をぶん殴りたいぐらいに嫌いだった。一昨年や去年見返したときは、やろうとしていることはわかる、そういう行動に走ってしまう感情もわかる、わかるんだけどぶん殴りてえ!!と思う程度には不快だった。
でも、20年近くかけて役者の村上さんが913祭で愛され可愛いキャラアピ仕掛けてきてるのを見ちゃってる。正しくは復活というか第2回?3回?ぐらいが2012年頃にあってそれ以後はほぼ毎年なので10年かけてというほうが正しいんだけど、愛されキャラにしてきたのを見てきて、こっちもなんか愛せるキャラだなーという認識に変えられてしまっている。舞台挨拶で、当時ものすごい腹立った台詞である「俺を好きにならない人間は~?」に\邪魔なんだよ~!!/って元気よくコーレス出来るぐらいに愛しちゃってる。
もう村上幸平によるイメージアップキャンペーンの大勝利よ。普通だったらネタにもされつつ腹立つ台詞をコーレスにし、邪悪な笑みを持ちネタにした男の大勝利よ。
20年前だったら絶対にこんなに草加に不憫なんて思わなかったと思うんだよね。それがこの長年のイメージアップキャンペーンと、自分が年を取ってある程度考えられるようになったことで、草加が不憫で健気で可哀想な男に見えるようになってしまった。悔しい。ものすごく悔しい。
アンドロイドになっても消えない初恋の女の子への想いを抱いた、一途で健気な男。文面だけならこんなに綺麗なのにどうしてあんなに気持ち悪いのか。

スマートブレインのヤバさ

そのアンドロイド制作技術はなんだ

草加の真理への感情を引き継いだアンドロイドを作るな。減らせ。

北崎さんは指先をあわせる手の仕草しか残ってない、口調もなにもかも別人だってのに、草加だけ思考も口調も残っているキモさよ。そこが草加の芯だから削れなかったにしてもそこが残ってしまったキモさよ。

なによりキモいのは、20年前に死んだ人間の外見を取っておいて、それを20年後シミュレーションして作り上げたところかもしれん。
まあね、メタ的な意味で実写作品ならば役者が年をとるから仕方ない。物語的な意味でも20年を経て現れたのに外見が年をとらないのはおかしいと疑われるのはある。特に草加は流星塾生たちのなかに混ざらなければならないのでね、仕方ないね。
当時16歳だった少年の外見を取っておいてその20年後ビジュアルを作り上げたのは普通にキモいが……。 これは言い訳無理でしょ!? 北崎さんは前述の通り北崎さんでなければならない理由がなにひとつ無いのに、なんなら社長のポジは政府に忠実なアンドロイドであるならば外見すらも存在しない突如湧いてきた人っぽいアンドロイドをおいてもいいというのに、なんで北崎さんにしたんだよ。ビジュアルを再現したんだよ。気持ち悪いよ。中身も再現する必要があったからとかいう理由すらないじゃん。北崎さん中身違うし。
これはもう、元々そういう方面の研究をメインにしていた科学者がいましたということにでもしないと無理だ。キメェなスマートブレイン……。

製作技術自体は、元々ファイズ作ったりするところだからなあ、そのぐらいするよなあと思いました。

スマートブレインの黒幕に政府がついているのは納得

旧スマートブレイン自体、終盤は警察と組んでオルフェノク研究施設やってたので、そういう国家方面のと組むのは全然違和感ないんだよね。やってそう。
あのときはオルフェノクの力を差っ引くための研究をやってたんだっけ。結果的に結花ちゃんが普通の女の子になって死ぬ自体に。
そう考えると、20年経過してオルフェノク記号の活性化を行うのも理解が出来る。昔やってたのと逆方向の作業。埋め込まれているから真理は成功率が高いだけで、実際のところは普通の人にもやってみて失敗、というのもあるんだろうな。真理、そもそも1回発現せずそのまま死んだりもしてるので、発現率は普通の人以上ではあるがめっちゃ高いわけでもなさそう。

ライオトルーパーのような元々のスマートブレインにしかない技術も利用している以上、間違いなくデータや技術はそのまま残ったものを使用しているので、オルフェノクがメインの会社が警察と手を組んだ挙げ句、政府に乗っ取られたかなにかと考えるのが良いのか。
ライオトルーパー自体はオルフェノク以外も使えるのかな。本編描写じゃ不明だけど、今回変身してるのは全員人間だろうから、人間でも使えるように改良したか、もしくは元々使えるのか。

なんとなくスマートブレインって最終回の描写からして社長がアレって完全消滅したのかなと考えてた。その場合、スマートブレイン復活、社屋も同じ場所に! ということで、当時人間にまぎれて勤めていたオルフェノクたちが現れて一網打尽というのもあったのかもしれん。
縮小されて徐々に人が入れ替わっていったのだとしたら、終盤まで隠し通していたオルフェノクたちは状況が状況でビビったのかな。

そもそもなんでスマートブレインは巧を保護した?

これ結局わかんなかった。
巧がオルフェノクなのは知ってるよな。延命剤投与してるし。ネクストファイズはオルフェノクしか使えないみたいな制約でもあるんだろうか。そうじゃないならネクストファイズ自体スマートブレインと政府に完全服従するアンドロイドにでも使わせたほうがいい。今回みたいに反逆を起こされる可能性もなくなる。

今回、「巧が何故スマートブレインに従っているのか」「スマートブレインが何故巧を保護下のか」が物語として全くわからん。

実験材料だったのかな。オルフェノクを利用した実験。最後のほうのシーンに冷凍保存されたオルフェノクと思われる人々が結構いるし。
だとしても、オリジナルのオルフェノクとしても強い巧にネクストファイズ使わせる意義がわからないし、そもそもすでに保存されているオルフェノクを使えばいいじゃんとなる。

巧がスマートブレインに従ってオルフェノク討伐をしていた理由もわからん。
「お前が心配でおちおち死ねない」的な台詞はあるとはいえ、あれは真理がオルフェノクになって投身やらかしたから出てきた言葉でしょ。そうだ、こいつなにするかわかんない女だったって思い出したからこそ、心配だから見てなきゃならないと思ったわけでしょ。
その前、元々真理が心配だったら、最初にマヨネーズ買いに行くと言って出た時点で一人で死ににいったりしない。死ぬ覚悟は出来てるんだよ、この人は。

本当に死ぬというときになって、やっぱり真理を見ていたかった(でも手段がないから死ぬ覚悟を決める)
→スマートブレインが現れて崩壊を止める薬を投与してくれて生き延びさせてくれたのでやっぱり死にたくなくて陰ながら真理を見守るためにオルフェノク討伐をしてスマートブレインにつく
→でも真理がオルフェノクになったことでスマートブレインに従っていては真理を殺す側につくと思った
とかなのかな わかんねー、これ本当にわかんねーと思った。

話として、ひたすらこちらが考察にもならない妄想を巡らせて「こうでは?」「この可能性もあるのか?」ってなる時点で、物語としてキャラの行動理由や感情の流れがわかんなくなってて描写不足なのよ。「もしかしてこういうこと!?」ってアハ体験するわけじゃなくて、ただ「こうすれが筋道が通らなくもない」と妄想する状態になっている。
こういう話のデカ目の「それなんで?」がキャラの感情変化やデカい行動指針となっているから、今回は後から考えるとあれおかしくない?となる。真理の「オルフェノクになりたくない」から「オルフェノクでもいい」になるあたりも正直あんまりうまく納得できてない。

巧管理体勢はどうなってる?

レナとたっくんのお茶ふーふー
→北崎に怒られる
→巧、カプセルに戻される
→真理と草加の「変わらないものもある」
→巧が真理にマヨネーズ渡しに来る

おい そのあとの真理がオルフェノクとして暴れ出したシーンで謎の以心伝心キメた巧がカプセルから必死に出るシーンのせいで忘れかけるけど、ここですでに1回脱出果たしてない? 管理体制どうなってるんだ。
そのあとそっと一人で戻ったのかな。バレないように。レナにはもうバレてますけど? 去る巧の真後ろでさくっと真理を拉致したレナにはバレてますけど!? あれどう考えても巧なんで気づかないの? となってしまう。ガチの真後ろじゃん。

相変わらず鈍器として使用されるギアケース

ラーメン屋襲撃のあと、草加が鈍器として使用していて、これこれこれ!!これがファイズ!!!とテンションぶち上がってしまった。

新規のガワがめっちゃ良い

これ1月に先行で見に行った時に、ずーっと「ワイルドキャットオルフェノクのビジュアル良すぎない??」「あのガワのビジュアルマジで盛れてる」しか言えなくなった時期があるぐらいマジで最高だと思うんですけどどうでしょう。最高です。

脚がふさふさしてるのめちゃくちゃビジュ良くない?? ウルフオルフェノクとセットになるようにデザインされたんだろうな。ウルフオルフェノクももふもふ多めなのもあって、並ぶと本当に可愛い! しか言えなくなる。フィギュア予定されてます? うちに実家から持ってきて置かれてるフィギュアがセンチピートだけなので追加するべき。まじで可愛い。
いやでも毛の生えたものとかフィギュア系世話できなくてねんどろもぬいも徹底的に避けてる人間なので諦めるべきか? センチピートはでこぼこしてるけど毛がないので手入れが楽なので連れてきた。
戦闘で足技多めなのも本当に可愛いんだよね。前述の通り、ネクストカイザに踵落としっぽいのして止められたところ、本当にうわもふもふ可愛いアクション格好いい最高か!?となってしまった。

ラーメン屋のバイトの女の子も、生身もガワも簪っぽいのついてて可愛い。
オルフェノクとしての姿って本人の一部でもあるわけで、好きな子が好きなビジュアルしてると本当にアガるわけですよ……。

そういう話するとオルフェノクの女性はだいたいみんな可愛いですからね。冴子さんのエビオルフェノクのビジュアルは、ワイルドキャットオルフェノクと並べるとわかりやすいんだろうけれどもかなり美人のほうに向いてるのがすごく良い。
クレインオルフェノクは変身者である結花ちゃんの印象と羽という儚いものの印象が相まってね、本当に良いよね……。激情態で羽生えてるとこ見た?? 脚だよ?? あんなん幼心がひっくり返って新しいヘキが植え付けられてしまうわ。めちゃ最高。ずっと好き。

戦闘シーンが本当に最高

冒頭にドラマパートは好きじゃないところも多いけど戦闘パートは最高と書いたように、本当に戦闘パートに入るととにかく最高に上がってしまって、今までのもやもや考えてたことが全部吹っ飛ぶ。とくに小さな星の話をしようのあとの戦闘シーンが本当に最高。
真理には戦わないでほしいだのなんだの御託は述べたが、それはそうとして真理が戦うのめっちゃいいんだよ。しかも草加相手もあるし。たっくん、草加のアンドロイドと戦えるってときにテンションあげるの面白い。やっぱり思うところは色々あるんだな……。
守られるばかりじゃなくて巧と共に戦う真理、格好いい。1話でオルフェノク相手にして変身しようという思いがあるぐらいに真理は精神が強い人間なんですよ。それがたかだか適合しないというだけで変身できなかった20年! それが変身出来た今! アガらない理由がないわ。

牙狼からの生身アクション好きとしては北崎さんの生身アクションだってもうめっちゃ上がる。悔しい。
北崎さんは生身アクションなんかしません。なぜなら触れた物すべて灰になるからです。廃車置場みたいなところでカップルの彼氏の顔を撫でても相手が灰にならないあたりで偽物だなとわかるシステムなのはうまいけれど、それはそうとして生身アクションする時点でこれは偽物です。でも殴るも蹴るも膝をいれるのどれもこれも格好良すぎて本当に無理。
それはそうとして北崎さんが生身アクションしてくれて触れた場所から相手が青い炎をあげて灰になっていくのはめちゃくちゃ絵面が映えると思います。見せてください。
ミューズへの変身、肩にかついだベルトにスマホをセットしてから腰にやるの格好いい~~~!!というのと同時に、手首の負担が少なそうだなと思いました。小さい頃ファイズごっこしてベルトにいれようとして手首痛いと感じたのを未だに覚えている。

条太郎がファイズギアを持ってきてくれるあたりからもうとにかく最高だよね。まだ最高更新するの?ってぐらいに最高。見ながら「やっぱりたっくんはファイズじゃないと!」って言ってしまう。正しくは「やっぱりファイズはたっくんじゃないと!」なんだけどこまけぇこたぁいいんだよ。
そして、差し出された旧式に対してやっぱり俺にはこれって言ってくれるたっくんは最高。そうだよ、僕らにとってもたっくんっていったらこのファイズなんだよ。
ファイズや、あと龍騎あたりもなんだけど、強化フォームより通常フォームのほうが印象が強い。アクセルやブラスターよりも通常ファイズの印象のほうがある。だからこそ僕らはここでたっくんが通常のファイズに変身し、アクセルでもブラスターでもなく通常のファイズでクリスマキメるのが最高になってしまう。
しかも最終回よろしくオートバジンも来てくれるし。本当に最高だよ。ていうかオートバジンいつ修理されたんかな。平成vs昭和でも思ったけどオートバジンいつ修理されたんかな。完全に敵対したファイズに対していつまでも技術協力してくれるスマートブレイン、相変わらず意味不明で面白い会社だな。木場さんから家奪いあげなかった会社だしな。
しかし、これでネクストファイズの売上大丈夫なんだろうかってちょっと考えてしまった。わたしはこれを見たあとだったら絶対にファイズ通常のフィギュア欲しい。ネクストファイズじゃなくて通常の。

ところで、なんでファイズ旧式でミューズとネクストカイザ倒せたんだろうな。AIがミスったのは単純に旧式で本来動くだろうスペックが出なかったとかで無理矢理考えてたしアレはノリと勢いでいいんだけど、新式のネクストファイズですら倒せなかったミューズとネクストカイザの両方倒せるのわからん。ワイルドキャットオルフェノクとのラブラブアタック愛の力かもしれん。

たっくんあのあとどうなるんだろう

ネクストファイズのフォトンブラッドの効果はどうなっているんだろう。
フォトンブラッドでガンガン余命が短くなっていく設定はあるが、ネクストファイズはそのあたりどうなってるんだろう。パンフに書いてあるのかな※パンフ人がいすぎて買うの諦めて出てきた

最後で巧の生命線伸びてるけど、これはだからといって生き延びるという意味ではないだろうし。あのあたりのイチャコラシーンは認めていないが……。
今後も物語を続けていきたいという商業的な考えがあるならば死なせない気がする。というか、井上脚本ではなく毛利脚本とはいえ4号で1回死んでいるのを無かったことにした以上、今後も555でなにかしらやりますという意味合いが見えなくもないので、そう考えると今後も生きるんじゃないのかな。

公開前の時点で、死亡するのは草加と北崎、巧は死ぬ可能性はあるけどぎりぎり生存では?と考えてた。
これは井上敏樹脚本あるある因果応報で誰か死なせたやつはたいてい死ぬっていうのがあり、そのために草加と北崎は死なせているので死亡、巧は死なせてないから生き残るだろうという比較的楽観視した考え。なおかつ井上敏樹が描いた本編・パラロス・小説版の全てにおいて巧は生き残っているので、井上敏樹脚本ならば巧は生きるんだろうという予測もあった。なお全てで草加は死んでいる。草加、何回死んだ??
見事あたったけれども、これこの先どうなるんだろう感すっごいな。

555ってなんの物語だろうって考えた。

555の作品自体のテーマに、【差別】と【異種族が隣で歩いていくということ】があると認識してるんですよね。
例えば今作だと、おばあちゃんが自分を守ってくれたオルフェノクの青年を秒でスマブレに売り飛ばす。あれおばあちゃんはスマブレ社員の仕込みとかそういうのじゃないよね? 自分=人間と違うものはどうなったっていいから助けてくれた相手だろうと駆除されて良い。
仮面ライダーBLACK SUNとか、あと最近見た鋼の錬金術師シャンバラを住く者でも描かれていたんだけど、自分と違うものは怖い。だから排除する。それは防衛本能に近い。オルフェノクは人と同じ外見をしていながらも、人間ではあり得ない強さを持っていて、たやすく人間を殺す。しかも殺意の本能を有する。だからこそ怖い、排除する。本編の終盤の警察組織もかなりそれ。

555の劇場版では、人間の救世主であったファイズの変身者は実はオルフェノクであった。それでも巧は人間のために戦い、真理は最後巧の手を取って歩いていく。
なんならディケイドの世界でも、タクミは由里のために戦い、オルフェノクの姿のタクミの手を取って由里は一緒に歩いていく。
そういう、人間とオルフェノクの間にある恐怖と差別、それを越えて手を取り合う物語だと思うんですよ、555って。

でも今回真理がオルフェノクになってしまったことで、オルフェノクである巧を信じ続ける人間の真理という図は消えた。オルフェノクと人間が共に歩く物語ではなく、人間がオルフェノクを差別せず隣にいる物語ではなく、オルフェノクとオルフェノクの物語になってしまった。
555の物語は真理(と啓太郎)が人間だからこそ描けていた部分があって、それが消えてしまった。それって555の物語が変わってしまったんじゃないかと思う。最後の最後で真理が啓太郎の甥っ子にオルフェノクになっちゃえば?っていうシーン、真理が自分がオルフェノクであることを受け入れたシーンであると同時に、555の物語の大きな箇所が変質してしまったのも表している。

ところで啓太郎は旅から帰ってきたら草加はまたいないし真理は人外になってるわけか。びっくりじゃん。
巧は巧で「俺はもう洗濯物を真っ白になんかできなくなったんだ」といって灰を手からこぼすので洗濯屋の仕事を放棄するし、真理は真理で16の頃みたいに「もー、そういって逃げるのやめなよ!掃除ぐらいは出来るでしょ!はい箒!」とは言わないで「仕方ないなぁ、私が掃除するからそっち座ってて。はい」になるんだなあ。「どうしたのふたりとも、いつもと違うよ」って啓太郎が言うことで「実はね、啓太郎。私達、」って真理が説明するし、啓太郎が騒ぐので「あーうるせえうるせえ、お前がとやかくいうんじゃねえ!」って巧が言うんだ。
いやめっちゃ居心地悪いな、いつもつるんでた3人組のなかで2人がくっついてるの……。啓太郎はそういうの気にしないかもしれないが……。

レナの見てる真理のデータ

誕生日が1987/11/27になってたけどそれ芳賀優里亜さんの誕生日です。真理ちゃんの誕生日は9/13だよ。

最終感想

これだけ長々と好きじゃない部分があるんだけど、でも総合感想では戦闘が最高だから全てヨシ!! になるぐらい戦闘が良くて、ドラマパートより戦闘シーンのが好きまであった。長々文句つけたけれども全部巧と真理が一緒に戦っているという箇所とワイルドキャットオルフェノクのビジュアルが最高にキュートという箇所で倒してくるの、本当にすごい。

ジオディケのように、最後に「いやなんでそうなるよ!!!」というツッコミは、……いや最後の菊池洗濯店のシーンが合わなすぎて無いわけじゃない、でもまあ、アレほどじゃないし、死んだキャラも死にそうなやつだけなので、総合感想としてはアレよりは上なんだよ。
でもRT龍騎のように、そうそうコレが見たかったしこのキャラはこういうこと言う!!の連続だったわけじゃない。RT龍騎はこのキャラはこういう事を言うが作中と自分の中で合致したのが良かった。あと変な恋愛も、……あったわ、めっちゃあったわ、薔薇足してるのが。

いや……なんなんだろうな……すげえ不思議な感じだな……。不思議だけれども、総合で555億点、あと2回は見に行きます。ムビチケあるし、あとこれもチケット取っちゃった。

これで集客出来るって思われてるのがすげえムカつくんですけど、行きます……となった程度にはわたしみたいなのは釣れるんだよなあ……悔しいなあ……。

アマゾン限定オーコメに負けてこれ買いました。楽しみです。

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