キラプリおじさんと幼女先輩 (電撃文庫)岩沢 藍 既刊3巻
ゲームの上で年齢の差なんてない
キラプリというプリパラ的なゲーム(プリパラ未履修なのでアレなんだけどほぼ確実にイメージしている)でJSの幼女先輩と同等に戦うDK主人公の物語。
1巻買った当初は読み終えて終盤の展開が雑だなー、モブの扱いが雑だなーと思って続刊買う気が起きなかったのだけれども、ニコカドセールで半額だったのでまあ……という気分で2巻買ったらあまりに熱くて面白すぎて、そのまんま勢いで3巻も購入。最高。最高すぎる。
ていうか2巻の終盤で3人でプレイするあたりとか3巻の千鶴が出会い頭に翔吾蹴りつけた理由の吐露とか最高すぎない? 最高。
メインヒロインである千鶴はツンデレ女子小学生。ランドセル背負ってる。キラプリの強さは主人公より上。主人公を2位と呼んで見下している。多分コレ、幼女の部分が無くてもツボるタイプの人がそこそこいそうなキャラ設計。そして彼女には最強の武器がある。主人公がろくでもないことしそうな時に放つ防犯ブザー!
……正直この防犯ブザー、暴力ヒロインの制裁アタックと同じであんまり好きじゃなかったのですが、2巻3巻と進むごとに防犯ブザーを使わない、前だったら使われるだろう場面でも使わなくなるという描写が出てきて最高だった。そんなものを使ったり脅したりしない関係性になったのだという意味で最高すぎた。
防犯ブザーだけじゃない。幼女ならではのイベントがある。
一緒に遊園地に行ったときにはぐれないようにと服の裾をきゅっとつまむのも可愛いし、人だかりのステージが見えないと騒ぐ千鶴を主人公・翔吾が肩車して持ち上げてあげるだとか、本当にいたるところで最高すぎるイベントが発生する。たまらなく可愛かった。
千鶴が翔吾を呼ぶ時、基本は2位呼びなんだけど時々「しょうご」ってひらがなで呼ぶのもめちゃめちゃ可愛いよね……。あざとい。
そんでもって出てくる幼女は千鶴だけじゃない。
2巻から出てくるライバル芹奈はJSアイドル。ファンからはママ呼ばわりされているあたり様々な不安感が湧き上がるけれども本人は気を使える可愛い少女。とてもかわいい。
3巻に出てくるライバルは無表情ロリの林檎。理由あっての無表情ロリはたまらなく可愛い。しかも超強いし。
一応ヒロイン枠として、幼馴染、同級生といるのだけれど、どうしても彼女たちは影が薄いよな……。というか白川さん……。2巻冒頭のキラプリを始めるシーンからしててっきりヒロイン枠に駆け上がるのかと思いきや、その後遊園地に一緒に行くのも友情を深めるのもどれも千鶴がこなしていて笑った。彼女はなんのためにあんなにヒロインオーラを纏ったんだ。友人枠のためだろうか。
幼馴染も翔吾に片思いしてるっぽい描写はあれど完全にヒロインとしては千鶴に負けている。頑張れとしかいいようがない。
ところで、キラプリをただの女児ゲーと侮ること無く、勝つために努力している翔吾や千鶴、他キラプリプレイヤーたちが熱い。
主人公の翔吾は運針の体力をつけるために筋トレをしている。それだけじゃなく、みんなみんな努力して、その上で現在の立ち位置にいる。3巻なんて無口ロリに負けた二人が彼女に勝つために特訓する巻。なんかもう、熱い。
このキラプリって良いよね。
女子小学生である千鶴と男子高校生である翔吾が対等に戦える場。同等どころか常時女子小学生の千鶴のほうが強いぐらいだ。ただの体力だけじゃなく、リズム感やタップの正確さ、コーデの可愛さなんかで争うっていうのがすごく良い。そして勝負事ゆえに生まれる熱さがあるのも最高。
バディでの戦闘ってファンタジーでもなんでも熱くなれるけど、1巻後半から出現した協力プレイなんて完全にそのもの。二人の息を合わせるために! なんてやるの、超格好いい。熱い。
最初は全然息のあってなかった翔吾と千鶴が、二人の間で信頼関係を築いていくのと比例して徐々に協力プレイもうまくなっていくのがめちゃくちゃに熱かった。
前述の通り1巻読んだときはモブ枠の雑さでうーん……? となったものの、2巻以降は全然そんなことなくめちゃくちゃに熱い努力・友情・勝利・ロリラノベだった。最高。
ただ一応気になったの、そのモブ枠から友人になった二人かな。キャラの強いモブっていうか……。2巻では二人に友だちになってって告げるイベントはあったけれど、でもこう残念だったじゃん……。3巻でも出番はあったけど残念だったじゃん……。路線によっては翔吾の学校での物語もあったのかなー。友情という部分がそのせいで結構薄っぺらくなっちゃってた気がした。白川さんの出番がもっと欲しかった。白川さんがひたすら好き。
ところで作者さんのツイッター見る限り続刊ちょっとつらそうだけど、果たして4巻全国大会編はあるんだろうか……?
読んでるうちにラーメンが食べたくなったので、今日の晩御飯はとんこつラーメンです。