没落令嬢の異国結婚録2 (ビーズログ文庫) 江本 マシメサ

★★★★☆,ビーズログ文庫ツンデレ,ファンタジー,付き合ってる,偽装/政略結婚,恋愛

あらすじ

旦那さまの溺愛、急上昇!!カタコト妻×堅物夫の異文化夫婦ラブ第2弾!

借金返済のため異国へ嫁いだ没落令嬢リェン・ファ。病弱な旦那シン・ユーを心身共に癒やすため、得意の料理で順調に餌付け中!
そんなある日、後宮の宮廷茶会でリェン・ファは皇后様をもてなすことに。ザン家の妻として立派にお役目を果たそうとするが、「あなたが嫁だなんて認めない!」とシン・ユーの側室を熱望する令嬢が押しかけてきて……!?

前の巻はこちら。

お茶会騒動

今度のイベントはお茶会騒動。

後宮のお茶会は、6家の貴族の奥方が代々皇族をもてなすこととなっている。旦那であるシン・ユーの顔を潰さないためにも、お茶会に出られる方々を楽しませるためにも、頑張って美味しいお茶を探すリェン・ファ。

お茶の祭典を訪れ美味しいお茶を探したりとお茶会のために準備するリェン・ファに、徐々にシン・ユーがデレていってるのが可愛かったー!
リェン・ファが迷子になったり人混みに紛れたり人にぶつかったりするといけないから、という名目を立ててのお手々つなぎデートがひたすら可愛い。ドキドキしつつも、これは子供扱いでは?と疑いつつなリェン・ファも可愛い。二人の微妙な距離感がとにかく可愛いな。

リェン・ファは自分の恋心には若干気付きつつもシン・ユーが同じ気持ちとは気づいておらず、そのまどろっこしさやもだもだ感がひたすら可愛い、甘ったるい。
ひたすらストレートで前向きでぶつかっていくリェン・ファがシン・ユーのデレに対しては及び腰なのが、可愛い! 可愛い! とにかく可愛い!!!

そして、出てくるお茶がまた美味しそう。
中国系っぽい様々なお茶の紹介を見ているだけでとにかく美味しそう。リェン・ファが詳しくないので周囲のキャラが教えてくれるという形なので、紹介が全然押し付けがましくないんだよね。そしてリェン・ファがいちいちそれに驚いたり感動したりしてくれるので、彼女の小動物的な可愛さが際立った。はあ可愛い……。

いくら関係性が近づいたとしても、リェン・ファはまだ言葉が片言で、シン・ユーは表情にあんまり表さない。そのせいで意思疎通が若干うまくいってなくて、そのまどろっこしさがまた可愛い。
序章のこの部分がものすごくて。

「あのね、シンユウ。お願いがあるの」
「なんだ?」
「その…………家にいる間は、私のことだけ、見て、考えて」
 シン・ユーが私に集中すれば、義母と喧嘩する暇なんてない。喧嘩を防ぐには、それしか無いと思ったのだ。

これ、リェン・ファが言葉が堪能だったら地の文の通りの『義母に喧嘩をしてほしくなくて』の部分が言えるんだよね。それがないのでとても……とても可愛いことに……。
若干勘違いをしつつ、それが良い方向に働いていて何よりです。

徐々に二人の距離が近づいて、シン・ユーが自分にとって彼女がどれだけ大事かわかる可愛らしい巻だった。

お義母さん!ツンデレが過ぎますよ!!!!

この話のツンデレポジションは義母だ。義母だ。

最初はリェン・ファを拾ってきた犬猫程度にしか思っていなかったお義母さんが、リェン・ファから向けられるストレートすぎる好意によって徐々にどころではなくほだされていくのがとにかく可愛い、ひたすら可愛い、お義母さん可愛い、義母さん大好き。

 茶会に着ていく服も作るというのだ。仕立て屋をザン家の屋敷に呼んで、布選びを行う。
「ダメよ! 金の髪にその布は合わないわ」
 服に使う布はリー・リンとメイ・メイで選ぼうと思っていた。しかし、客間にやってきたのは義母だった。私よりも真剣に、私の服の布を選んでいる。
 なんだかんだ言って、義母も優しい人なのだ。こうして、いろいろと手を尽くしてくれる。
「おかーさん、ありがと」
「何よ、急に」
「嬉しいから」

「あ、きれい!」
 全身紺色の服だけれど、よく見たら襟や袖にレンの花の刺繍が刺されていた。布と同じ紺色の糸で刺繍されているので、じっと見ないとわからない。
「嬉しい。メーメー、ありがとね」
 お礼を言うと、メイ・メイは困った表情を浮かべる。
「ん、どうしたの」
「口止めされていたのですが……こちらは大奥様がご用意されました」
「え、おかーさんが?」
「はい、奥様に、危険がないようにと」
 もしかして、義母ってば私のことが大好きなのではないだろうか?

「私は、心配して言っているのよ?」
「今の街中が危険なのも、重々承知している」
「シン・ユー、真面目に聞いているの?」
「いちいち言われなくとも、わかっている」
 言葉がだんだんと刺々しくなった。激しくなる前に、私は二人の間に割り込もうとしたが――義母は目をキッとつり上げ、怒りの形相となって叫んだ。
「私は、この子が可愛いから、連れて行かれないか、心配して言っているのよ!!」

お義母さーーーーーん!!!!!!!!

ツンデレ。激しくツンデレ。この話の中で最大のツンデレであり、ツンデレのツン成分とデレ成分があまりにヨすぎて読みながら悶えるレベルのツンデレ。しかもちゃんとツンデレ相手にデレが伝わっているタイプのツンデレ……。
もうあんたがヒロインだ。愛しているよお義母さん。
むしろこのデレまくりの愛にシン・ユーが気づいてないほうが不思議だよ。

 母にはもう少し、リェン・ファに優しくしてほしいと思うのだが、ジン・ピンいわく、あれでもかわいがっているつもりらしい。
 ちっともそういう風には見えないが。
 母の愛はわかりにくいのか。

なんで!? なんでこのデレとデレとデレの塊を必死でツンで覆い隠している義母様のツンデレがわからないの!? 誰か小林くんと遠藤さん連れてきて!!!(すぐリーゼロッテの話をする)

ほんとうに、ひたすら、あまりにもツンデレの義母が素晴らしいので、ツンデレ萌属性の人は絶対に義母目当てで読んだほうがいい。いちいち悶えることになる。

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