「処刑少女の生きる道(バージンロード) ―そして、彼女は甦る― (GA文庫)」佐藤 真登

★★★★☆,GA文庫ファンタジー,戦闘,新人賞,異世界転移,百合

あらすじ

これは、彼女が彼女を殺すための物語。
この世界には、異世界の日本から『迷い人』がやってくる。
だが、過去に迷い人の暴走が原因で世界的な大災害が起きたため、彼らは見つけ次第『処刑人』が殺す必要があった。
そんななか、処刑人のメノウは、迷い人の少女アカリと出会う。
躊躇なく冷徹に任務を遂行するメノウ。
しかし、確実に殺したはずのアカリは、なぜか平然と復活してしまう。
途方にくれたメノウは、不死身のアカリを殺しきる方法を探すため、彼女を騙してともに旅立つのだが……
「メノウちゃーん。行こ!」
「……はいはい。わかったわよ」
妙に懐いてくるアカリを前に、メノウの心は少しずつ揺らぎはじめる。

GA文庫大賞、7年ぶりの《大賞》作品!
――これは、彼女が彼女を殺すための物語。

異世界転移した人間を殺す少女の物語

うわーーーーーーめっちゃ面白かった!
女と女の巨大感情jと百合が好きな人は絶対に読んだほうがいい。いや百合か百合じゃないかと言ったらすごい百合気味なんだけど、それはおいといてバトルアクションとしても面白いんだけど、百合なんだ……。

主人公に全力で懐いて、主人公以外の人間なんてみんないなくなっちゃえ!と言ってくる執着後輩、会ったばかりなのになぜか主人公に対して全力で懐いてきて何があっても信頼を向けてくる殺害対象、主人公の後輩に対して知的好奇心できゃっきゃとじゃれてくる戦闘姫様。
いやーーーーーどの組み合わせも最高でしょ……。

個人的には主人公の後輩・モモに全力で構ってくるアーシュナ姫様がどツボだった。
主人公・メノウに対してはべたべたに懐いているモモが、アーシュナ姫様に対しては超塩対応。やっていることとしては若干近いものすらあるので、同族嫌悪みもあって可愛い。アーシュナ姫様を「うっざ」「死ねばいいのに」ぐらいの扱いしているモモ、あまりに塩すぎて最高。
そしてアーシュナ姫様もまったくめげないというか、「その姫ちゃまという呼び方可愛い」から始まってモモの嫌がりパターンをすべて喜んでかわいがって面白がっているあたりがあーーーーもう好きです。こういう組み合わせにめちゃっくちゃ弱い。モモに殺される。  

よくある異世界転移モノの、来られた側の世界の人のお話。
異世界転移で呼び出された人間は一つチート能力を授けられる。しかしそのせいで世界は毎回危機にさらされるので早めに片付けてしまうお仕事の『処刑人』。その処刑人をしている少女のメノウがこの物語の主人公。

すごい殺人技術を持っててさくさく人を殺せるメノウが今回殺せと命じられたのは、時のちからを操る少女・アカリ。
彼女が自分の力合を使いこなせるようになる前に殺さなければならないが、自力では殺せない。そのため列車で別の町へ行き、その街の施設で殺してもらうこととなる。

このアカリからメノウへの好感度MAX状態、何が理由かと思いきや、まあ時という能力からわかるようなものだったけどそういうことかー!と。
すでに出来上がっている信頼感を一時的に若干忘れた状態。だったら出会った瞬間に運命だって感じちゃうし好感度もMAXだよね。
ところでそれめっちゃ百合だよね。

アカリからメノウへの好感度MAX、ひたすらじゃれつき距離近系女子という雰囲気で良かった。その彼女が過去(未来)を思い出した時の、独占欲丸出し、モモへの嫉妬ぜんりょくなとこ本当に最高だった。
こういうのみんな好きでしょ。好き。

ただ若干気になるのは、メノウが主人公なのに見せ場が少ないというか、モモが……モモとアーシュナ姫様が多いというか、私としては嬉しいんだけど、割とそっちに尺が割かれちゃってるなーというイメージ。
もうちょっとメノウ単体の見せ場も欲しかった!と個人的には思った。

もうひたすら面白いしバトルは熱いしアーシュナ姫様とモモは熱いし最高だったので、ぜひとも続刊が出てほしい。

そういえば、7年ぶりの大賞っていうけどダンまち読んだことないなーというかダンまちからそんなに経ったの!?マジで!?生まれたばかりの子が小学校入学しちゃうんだけど!?

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