
あらすじ
お兄ちゃんの強さに驚いて、コメント欄がすごいことになってる!
ダンジョンが出現し迷宮攻略配信が当たり前の現代。
可愛い妹、麻耶のためなら何でもする冒険者(ニート)の鈴田迅。迷宮配信者として活動する麻耶のピンチにSランクモンスターをうっかり圧倒した結果……世界中に一瞬で認知されてしまう!
バズリにバズった迅の元には人気美少女配信者たちからコラボ依頼が殺到!! 普通なら炎上案件でも迅ならOKと、視聴者たちも公認で一躍時の人となった迅だったが、当の本人は――
「俺のことはどうでもいいからマヤチャンネルに登録しろ!」
ハーレム状況と自分の強さをあまりよく分かっていない迅は、妹の笑顔のために今日も無自覚無双配信でバズリまくる!
お嬢様バズと方向性が若干近い、めちゃ強戦闘力お兄ちゃんが周囲に発見され、配信者としていい感じに売れていくお話。
どれだけ売れても基本的には周囲を気にせず妹のオタクをやっているシスコンお兄ちゃん、キャラとしてブレずに面白かった。
戦闘力バカ強お兄ちゃんの配信モノ
もともとは冒険者の妹のダンジョン配信のためのカメラマンとしてついてきたお兄ちゃんだが、突然ダンジョンで罠が起動、ボスのところまで兄妹共々強制ワープさせられる。妹では勝てないレベルの強さのボスをお兄ちゃんがボコるところが配信され、そのあまりの強さが知れ渡り、配信者として話題となり――ということから始まるお話。
いやー物理バカつよお兄ちゃん、ここまで来ると読んでて面白くなってしまうな……。ある程度の強さの敵もボコって倒す、圧倒的な強さで徹底的にボコり散らす。普段の会話のテンションはシスコンすぎてちょいキモいレベルだけれども、戦闘時に飄々としたノリで爆裂強いところを見せつけるお兄ちゃん、あまりにキャラが強いんだよなあ……。
そして配信者デビューしたらファンたちがお兄ちゃんをお兄ちゃん呼びするし、本人は自分の妹の宣伝し続けるだけなのも面白い。もうそういうキャラの方向で行くつもりなんですね。本人としてはキャラでもなんでもないかもしれないが。
お兄ちゃんの登録者数がすげえ速度感でバカあがっていくのだけれども、物語の世界観がファンタジーで総人口数がわからないおかげで、そこのあたりにどうなってるんだよのツッコミが無くて読みやすかった。有名VTuberの兄だけど~も割と傾向としては近いものなんだけれども、あっちは「そんなバカみたいな登録者数の増え方と会社急成長あるかーーーーーい!!」と突っ込みたくなったもんな。こういうのは下手にあれこれするよりファンタジーのが良いのかも。
若干ハーレムっぽさの片鱗はあるものの、本人が恋愛に興味なさすぎ
割と面白いの、女性配信者と絡んでも燃えないところかもしれん。他の配信者系ラノベ読むとだいたい男配信者が女配信者と絡むと異様に燃えるのがお約束になっているのだけれども、この話だとむしろお兄ちゃんのファンのほうが強火になっている。なんなら妹+人気女配信者のサイン会で、お兄ちゃんのサインをもらいたがる人たちが発生している。でもめっっっちゃ強い冒険者のサイン、そりゃあ興味ある人もいるだろうなあ。
妹ちゃんや人気女配信者(冒険者でもある)の配信を見てる人らはだいたい冒険者の日常を見ているわけで、だったら強かったりすごかったりするスキル持ちの冒険者はそりゃあ興味・関心・憧れを持つでしょう。そんなんがいたらそっちからもサインもらいたがるのがわかる。でも面白えわ。
作中で絡みが発生したこの人気女配信者は、1回危険なときにお兄ちゃんが助けている。
そのためファンとしても「うちの推しを助けてくれてありがとうございます!」になるのはわかるんだけど、それにしても炎上しないのすごいな。本人があまりに妹ちゃんしか視界に入らないというのもでかいのかも。じゃあ同じくシスコンでもちょいちょい炎上しているアラサーVは、アレはなんなんだろうなあ……。
お兄ちゃんに助けられた女配信者たちがお兄ちゃん大好きになってハーレムっぽい雰囲気を築いていくものなんだろうなというのは薄々察せられる状態ではあるものの、お兄ちゃん本人が妹しか眼中にないため、全く進展という進展は無さそう。
というか、お兄ちゃんにフラグ向けてる女配信者たちがだいたい10歳前後年下なので、突然助けてくれた人への憧れって感情のほうが強そうなんだよね。恋愛未満で年上の人に対する関心・尊敬みたいな。なので恋愛とはちょっと違うかもしんない。
配信者としてのネタを期待すると拍子抜けではある
一応配信者モノではあるんだけれども、実際お兄ちゃんが配信しているシーンは少なくて、配信者モノとして読むとちょっと拍子抜けではあった。
とはいえ、私が好きな主人公の無茶苦茶にコメントでさんざんツッコミが入れられるという形式はあったのでそこは良かった。こういう読者側のツッコミを代弁してくれる人がいる話って好きなんですよね、こちらの気持ちが伝わってる感というか、そこおかしいやろがい! を作中でも思ってる人がいる安心感というか。
