何が真実で何が仕込み?最後までわからないエンタメ小説
めっちゃくちゃ面白かった。お仕事小説という扱いになる……のかな?
何かひとつ解決したと思ったらまた次の、それが解決したと思ったらまた次の問題が発生し、何が信頼できて何が疑うべきものなのか、誰が仕込みで誰がサクラなのかわからない、ジェットコースターのようなエンタメ小説。
主人公はお仕事により、お見合い番組にてサクラとして参加する。
しかし仕掛け人のプロデューサーにより、この中には自分以外にサクラもいると告げられる。一人は教えてもらえたものの、他の人はわからない。
この時点でめっちゃ面白い。
今仲良く話している彼女は仕込みか素人か? 今やり取りをしている彼は? と誰が信用できて誰が出来ないのかと考えながら、疑いながら読んでいくのがおもしろい。
主人公も純粋に人を信用し続けるのではなく、この人は仕込みでは? この人は一般人では? と一人ひとり考えながらの対応。読んでいて緊張感がすごい。楽しい。
そして、番組の収録が終わってから不意に来たお見合い相手からの連絡。これは信じて良いのか悪いのか?
新しく入った仕事が以前お見合い番組で会った人の持っている旅館、これは何か仕込まれてるんじゃないのか?
ひたすら疑って疑って、誰が信用できるか考えて、最後の最後までどんでん返しが繰り返されまくる物語、もうめちゃくちゃに面白かった。
こういった話しで主人公が誰でも彼でも信じてしまうとなんで~~~~~!?と思ってしまうのだけれど、その点この話では主人公が疑り深く、すぐには人を信じないので本当に良かった。
おかげで読みながら「いやそっちは怪しいんじゃないの?」「この人は信用できるかも?」と考えつつというのが本当に! めちゃくちゃ! 楽しかった!
個人的にはレイカ嬢めちゃめちゃかわいかったな。気が強いお嬢さんに見せかけて、乙女で純情な走り屋。ちょっと盛りすぎじゃない!?とすら思うぐらいだけれど本当に可愛かったー!