当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

「わたしの嫌いなお兄様」大正を舞台に、ツンデレおてんば少女と変わり者溺愛従兄のいちゃいちゃミステリー

可愛かった。子供っぽいツンデレおてんばヒロインと、子供っぽい従兄のお兄様(自称素人探偵)のミステリー少女小説。オレンジ文庫だけれどももともとはコバルト文庫だったようで恋愛色がものすごく強め。舞台設定が大正時代なのもあってラブコメというよりも少女小説というほうが雰囲気あってるのかな。どっちも子供っぽいから、ときめきとかそういう方向よりも可愛いなあというほうが強かった。 子供っぽい二人の恋愛もようが…

「嘘嘘嘘、でも愛してる」謎は興味があったがシーンもキャラも好みじゃなかった

記憶喪失の主人公のもとに好意を持って接してくれる女子が3人いる。でもこの中に自分を殺そうとした犯人がいる――という提示された謎は面白かったんだけれども、それ以外がだいたいぜんぶ面白くなかったので、単純に自分に合わなかった。ミステリー要素があるってわけじゃなく、謎がただゴロンと転がっているだけっていうか。解くための方法は読者に与えられず、ただ主人公が滔々と喋るだけ。過去を思い出したり推理するのに必…

「お兄様は、怪物を愛せる探偵ですか?」因習村ミステリー!!!!

ま、まっとうにミステリーとしておもしれーーー!時勢的に流行している因習村で起きた焼死体事件を解決するためのミステリー。 冒頭の事件が『最近起きているかまいたち事件を紐解いて人間の仕業と断定する、しかし犯人が人外となったので人外っぽい妹が倒す』という流れだったのでてっきり警視庁あやかし課的な雰囲気の物語かと思ったら、ファンタジー要素よりもミステリー要素のほうが圧倒的に強い物語だった。しかもオカルト…

「スタート!」果たして映画はオールアップ出来るのか、次から次へと訪れる難題

面白かったー!!! 堅物大物映画監督が数年ぶりに撮る映画、そのために集まったスタッフたち、そして発生する無理難題(と死体)。果たして無事映画は撮れるのか!という状況が面白くないわけがなかった。 次々起きる事件と停止しかねない映画 最初は堅物監督に横槍入れてくるテレビ出身プロデューサーにねじ込みゴリ押し女優の週刊誌問題。テレビ出身プロデューサーが(物理的に)片付いたかと思いきや続いて彼が片付けられ…

「聖女ヴィクトリアの考察 アウレスタ神殿物語」ファンタジーと思わせ正統派に推理の物語

めちゃくちゃおもしろかった!!冒頭から霊が視えるという能力持ち主人公の追放モノと思わせて、かなり正統派に証拠を揃えての推理ものになっていくのがもうめっちゃ面白かった。ファンタジー部分も推理の要素の一部分でしか無く、物事を一気に解決する必殺技に使われるわけでもないのが面白かった。 『真実』を見抜く主人公 物見の聖女という名前を賜り、しかし霊を視ることぐらいしか出来ない、しかもたった今聖女の立場を奪…

「静おばあちゃんにおまかせ」安楽椅子探偵おばあちゃんのミステリー短編集

テミスの剣に登場した高円寺静裁判長が安楽椅子探偵をしている物語。 https://houchi.work/wordpress/4396/ この作者さんおなじみのスターシステムで出てきた裁判長。読んでてお久しぶりです!お元気そうで何よりです!と昔なじみに出会った気分になった。 安楽椅子探偵おばあちゃん よくある探偵と助手、女子大生と刑事のバディ物と見せかけて、実際のところは解決してるのはおばあちゃ…

「ネメシスの使者」果たして死刑は必要なのかを問う(ように見せかける)のがうまい

冤罪からの死刑の「テミスの剣」、死刑回避からの事件の「ネメシスの死者」 テミスの剣の渡瀬刑事を主人公格に置かれた物語。続き物かと言われると完全に別物語であるが、中山七里作品自体がスターシステムなので、岬刑事の息子の話が出てくる程度には渡瀬刑事の過去話も出てくる。 https://houchi.work/wordpress/4396/ テミスの剣が『死刑という判決は正しいのか?もし犯人が実は冤罪だ…

「テミスの剣」免罪符と贖罪のヒューマンドラマ

前半と後半で取り扱う事件が変わる物語。前半は若くて青い刑事が相棒につられて昭和の圧力的な取り調べをしてしまい冤罪事件を起こしてしまうことから始まる物語。後半は、その冤罪事件の真犯人が無期懲役から仮釈放となった直後に殺害される物語。 ミステリーやトリック中心の話になるのかなと思いきや、どちらかと言えばヒューマンドラマの印象。前半の事件があったからこそ後半の真犯人が殺される事件で各容疑者たちの憎しみ…

「警視庁アウトサイダー2」キャラが少しずつ深掘りされていく2巻

前からちらっと出てたりする架川の娘さんが出てきたり、なんとなく日和見っぽさというか問題起きないでほしいのかなと思える課長・矢上の熱い部分が見えたり、蓮見が追いかける事件の発端である父親に架川が会いに行ったりする2巻。 個人的に読んでて面白かったのは、某何かの人気マンガを題材にしてるのだろうと思われる作品の偽アクキーの出どころ探しをしたりする1話目。自分が2.5も追いかけるタイプのオタクなので、天…

「警視庁アウトサイダー」マル暴に戻りたい刑事とワケあり刑事のバディもの

今度実写化するからかな?BW読み放題とKindle Unlimited読み放題に入っていたので読んだ。 https://www.tv-asahi.co.jp/outsider/ 同作者の作品だとインディゴの夜の印象からミステリー物の印象はあったけど、そういえばさくらだもん!だとか、ここしばらくは警察物ミステリー多かったな。 バディものとしての王道の、最初は相反する二人が何らかの目的で共同で動いて…

「水の後宮」自白で吐かせる主人公と証拠を第一とする女性の対立が良い

姉の死の真相を求めて後宮に入り込んだ主人公が、とあるお偉いさんに好かれて事件解決に引っ張り回されるミステリー。面倒くさそうな雰囲気を出しつつも誰かが不幸になるならばと事件解決に動く主人公のスタンスが好み。もともとが商人だった故に人間心理方面から解決しようとするという事件解決方法も彼女の生い立ちや性格と合っていて、読んでいて面白かった。 主人公を事件に引っ張り込む狸才人は、たしかに誰かが不幸になる…

「境界線」地元民、めっちゃ楽しく読む

映画化もした護られなかったものたちへの続編。護られなかったものたちへが東日本大震災を下敷きにしつつそこまでメインでは持ってきていなかったのが、今度の話ではかなり核の部分に持ってこられている。 物語としてはすごく面白かった。津波によって行方不明となった人は、もしかしたら帰ってこないだけでどこかで生きているかもしれない。そう願う人のもとへ『あなたの奥さんがこの場所で亡くなっていました』なんて連絡が来…